大沢駅での加速線の運転取り扱い
上越線配線図 その7(石打~塩沢)の記事の中で大沢駅にあった加速線について少し触れましたところ、NZさんから加速線を使用する列車の運転取り扱いに関する資料をご提供いただきました。ありがとうございます。今回はこれをご紹介します。
資料のタイトルは「加速線出入列車運転取扱手続き制定の件」となっています。『運転取扱心得(上) 附運転関係令達抜粋』(昭和21年8月1日現行 新潟鉄道局)315、316ページに収録されているものだそうです。
・この当時は越後大沢信号場で、信号場開設と同時に施行となる通達です。
・第三条を見ると、構内には第一場内信号機と第二場内信号機が設けられているようです。加速線への進入は推進運転になると思いますが、特に「推進」とは書かれていません。また推進運転を終了するタイミングは、設置された停止位置目標に機関士席が到達した時のようです。
・第四条は通票の授受についてです。
・第五条は採時についてです。
と、ここまで読んで私が最初に思い浮かべた大沢駅の線路配線・信号機配置はこんな感じです。(A)
あくまでもイメージです(汗)。
加速線と言えば新府信号場が有名で、以前やはりNZさんからご提供頂いた配線図もありますので、これと類似したものではないかと推測したわけです。
しかしながらこの通達の中には第一出発、第二出発といった文字はありません。「一旦本線路に到着後加速線に進入の上該線路より出発すべし」と書かれているだけです。出発信号機が第一、第二と複数設けられている停車場は加速線とは関係なしに存在しますのであえて書く必要もないから、との見方もできますが、でもやっぱりちょっと引っ掛かります。
そう考えると次に思い浮かべたのはこんな感じです。(B)
出発信号機は1基だけにしてみました。ただ、これだと51を鎖錠するのが難しそうです。列車が加速線に停車している間は二場を引きっぱなし、というわけにもいかないでしょうし。
また加速線から出発する列車に通票を渡すのも大変そうです。
それならば、というわけで次はこれです。(C)
上り列車の追い抜きは行われないものとすれば何も列車全体を加速線にすっぽり収める必要はないでしょうから、加速線への進入は機関車がホームの先端から外れるか外れないかぐらいの位置まででも十分な気がします。そうであれば通票の授受も楽です。
51の鎖錠はてっ査かんか軌道回路によるてっ査鎖錠で可能になります。
ただ空中写真を見る限り、加速線が列車全体がすっぽり入るくらい結構長く見える点は気になります。
どれも今一つしっくりしません。
「じゃあ、他の加速線を持つ停車場を調べてみよう」ということで、ネット上の情報が多そうな仁山駅を探ってみることにしました。
ネットの写真を見てみますと、
・前述の(A)のような第一出発信号機は見当たらず、代わりに出発反応標識が設けられている。
・加速線上の列車は、機関車の先頭が分岐器のてっさ部にかかるくらいの位置に停車している。
・しかしながらその位置は本屋からかかなり離れており、付近には通票授受用と思われる短いホームがある。
といったことがわかりました。
ストリートビューでも見てみました。2023年5月の撮影です。
函館方です。
赤丸は上り出発信号機です。
その右側にも何かありそうです(青丸)。

横を向けられた第二場内信号機ですね。いまだに残っているんだ・・・。
以上より、おそらく大沢駅は新府信号場のような(A)ではなく、仁山駅のような(C)ではなかったかと想像します。加速線で列車がどの位置に停車していたのかはよくわかりませんが、いずれにせよ分岐器にかかるか分岐器を跨いだ位置ではないかと思います。
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