単行機関車列車 その20(金谷川)
単機回送のお話の20回目です。
今回は金谷川駅~福島駅間で行われていた単機回送です。
参考資料は以下の通りです。
'88貨物時刻表
鉄道ダイヤ情報1988年9月号
1988年3月です。
・福島駅~金谷川駅間で後補機を連結する貨物列車及びこれに関係する単行機関車列車のみを掲載しています。
・前回に続きこの区間の単機回送もちょっと特殊です。旅客or貨物ターミナルと機関車基地間といったようなよくあるパターンの単機回送ではありません。
・南福島~金谷川間は上り列車に対して上りの急勾配になっており、重量列車には補機が連結されていました。多くの列車は長い区間を通しで重連で走行していましたが、9本の上り列車は福島~金谷川間のみに後補機を連結しており、金谷川で解放した補機を福島に戻すために単機回送が行われていました。
・動画はこちらです。
金谷川 1990/5/12 動画
・機関車運用的には福島に戻ったらすぐにまた後補機で金谷川に向かうケースが多く、特に16時から22時過ぎまでは後補機仕業に専念状態です。
・この当時の後補機は福島機関区のED75ですが、以前はED71を使用していたようです。さらにその昔、電化前はどんな感じだったのでしょう。SLが後押ししていたのでしょうか。
・全国でSLが活躍していた時代は後補機があちこちで見られましたが、EL・DLの時代になると少なくなってこの福島~金谷川間はセノハチと並んで珍しい存在でした。前補機に比べて後補機は連結・解放が効率的に行える(極端な場合は走行中の解放も可能)というメリットがありそうですが、総括制御ができないというデメリットもあり、それ以前に動力性能の向上で補機そのものが不要になったのかもしれません。
・セノハチについてはこちらをご覧下さい。
セノハチの機関車運用
セノハチの機関車運用 その2
参考までに、1988年3月時点での東北本線上り青森→黒磯間における100km/h・95km/h貨物列車の区間ごとの補機の連結状況は以下のようになっていました(中には補機ではなく回送もあるかもしれませんが)。
・100km/h列車は交流区間全区間を通しで重連ですが、95km/h列車は必要な区間だけ補機を連結しているように見えます。
・東北本線には金谷川付近以外にも十三本木峠や国見峠といった難所がありますので、八戸→盛岡間、宮城野・長町→福島間で重連となる列車が多く見られます。
・福島→金谷川間で後補機を連結する列車は福島まで前補機重連となっており、福島で前補機を解放して後補機を連結するという、一見不思議に思えることが行われています。
ついでに下りも。
・金谷川→福島間での補機がない以外は、福島→長町・宮城野間、盛岡→八戸間で補機を連結する列車が多くみられるのは上りと同様です。
もう一つ参考までに。1961年以降の福島機関区の電気機関車の配置状況です。
・電気車研究会の車両配置表及び鉄道ピクトリアル1993年7月号から作成しています。
・いずれの年も3/31または4/1時点での配置両数です。
・ED75は1968年までは配置されていたもののその後配置がなくなりました。おそらく奥羽線や磐越西線用の電機を配置するためではないかと思います。
・老朽化したED71の取り換え用でしょうか、1977年以降に再度配置されるようになりました。
金谷川→福島間の単機回送(=福島→金谷川間の後補機連結)がいつまで行われていたのかはよくわからないのですが、おそらくはEH500の投入で廃止へ進んだものとみられます。遅くとも2009年3月時点では行われなくなっていました。
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久しぶりにコメントを致します。
福島~金谷川の後補機ですが、1991年3月16日改正で無くなっています。
鉄道ファン1991年8月号の特集「JR車両File91」でJR貨物の方が「ED75は福島-金谷川間の上り列車6本の後部補機をすべて廃止して、福島-郡山ターミナル間の重連総括運転とした」(p.57)と述べておられます。
福島運転所のED75も後補機仕業についていたこと、金谷川での切り離し作業がJR東の駅員さんだったこと、福島駅構内の一部標準軌化での構内整理の都合などが重なったものと思います。
投稿: やわやわとまれ | 2025年10月22日 (水) 22時29分
やわやわとまれさん
情報ありがとうございます。
EH500登場より前に後補機はなくなっていたのですね。貨物列車の関係にJR東が関係することを早期に解消したかったから、ということでしょうか。
投稿: f54560zg | 2025年10月23日 (木) 21時03分