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2024年11月 3日 (日)

単機回送についての個人的考察

単行機関車列車 その3(小樽)の記事で、皆様から多くのコメントをいただきました。
単機回送については個人的に感じるところがありますので、ちょっとだけ整理してみたいと思います。
但しあくまでも素人の推測です(汗)。

 

まず、機関車を単機で回送することは、それだけを考えれば当然ながら損するところばかりで得するところはありません。
車両側から見れば
①走行距離の増加
検査周期には影響しないかもしれませんが、部品の摩耗は進みます。
②エネルギー費用の増加
③乗務員の労働時間の増加
などが思い浮かびます。
また地上側でも
④運転従事員の負担増
⑤列車ダイヤの過密化
⑥線路や架線の摩耗
など。
ほとんど無視できるようなものもありますが、ゼロではありません。

 

しかしながら実際には単機回送は行われているわけで、そこにはこれらのデメリットを上回るメリットがあるからなのだと思います。
どのようなことがメリットとして考えられるのでしょうか。
❶車両の置き場の確保
電車列車の回送の大半はこれが理由ではないかと思います。但し機関車の場合はそこまで広いスペースは必要ないと思いますが。またスペースはあったとしても、安全上や防犯上の理由でて不適切な場合もあるかもしれません。
❷運用の効率化
その場に置きっぱなしにしておくより機関車基地に回送したほうが効率的に車両を運用できるケースはあるかと思います。また留置場所を集約しておけば異常時の対応も楽な気がします。
❸車両検査・清掃の実施
検査や清掃が必要な場合、そのための設備のあるところまで回送することもあるかもしれません。
❹人員配置の都合
これはあまり深く突っ込めませんが、はたから見て「何で?」と思うところの背景には組合要求とかありそうな気もします。

 

宇都宮貨タ~宇都宮間盛岡貨タ~盛岡間の単機回送は❷の色合いが強いような気がします。
その点小樽~小樽築港間はよくわかりません。
_198803hdotoctksr
例えば赤線のように小樽で機関車を待機させるようにすればこれだけで8本の単行機関車列車を削減できるのですが、なぜそうしなかったのでしょうか。
❶が理由という見方に対しては、小樽駅には留置線が6線もありますのでこれは当てはまらないように思います。19980201hdotrs
機関車の留置には対応していない留置線であったとしても、小さな改修で対応できるのではないでしょうか。
❷については、小樽築港機関区にはもともと電機の配置はありませんので、これも違うと思います。
❸のように、小樽ではできない、小樽築港でないとできないような何か車両整備的なことを行っていたのでしょうか。
はたまた❹の理由によるものでしょうか。このあたりがよくわかりません(汗)。

 

皆様のご意見をお伺いしたいところです。

 

配線図は
※1印・・・モクムールさん
よりご提供いただきました。
ありがとうございます。

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バックナンバーはこちらからどうぞ。

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コメント

ご無沙汰しております。興味深い記事をありがとうございます。

ネットでみることのできる乗務員時刻表
https://www.ginga21.jp/auction/item/sold/63684
などをチラ見させていただきますと(汗)、時代によって違うかもしれませんが、小樽築港機関区には電機の配置はなくてもEL組の乗務員の方々がいたようですので、乗務員運用の関係(記事にある4番の理由)で単機回送が多かったのではないかと想像しました。

もちろん、乗務員が他の列車に便乗して小樽築港←→小樽を移動するといった仕業もあり得たとは思うのですが。

小樽ー旭川間で運用されていたED76形500番台機関車には、客車への蒸気暖房供給ボイラー用に水タンクと灯油タンクがあります。こちらへの補給のために、小樽築港へ単機回送が必要かと想像しました。熱源は架線からの電力利用かと思いましたが、灯油でした。

コスモスさん
私も給油・給水のために単機で築港に持って行ったのかと思いましたが、ED76 500の灯油タンクは1,000リットル、水タンクは6,000リットルもあります。DD51は4,000リットル(但し内燃エンジンを持つので灯油は不要)。

昼の単1833~単1848は築港の折り返しが1時間無く、駅から機関区への入換の移動時間を考えると、この時間では給水も給油も難しいのではないでしょうか。
しかも前後で牽引する列車は岩見沢発/着なので、あえて築港で給油給水しなくてもいいように感じます。もちろんさらにその前後の運用次第ですが。

北東航21さん、ご教示いただきありがとうございます。灯油も水も結構な量を搭載しているので、折り返し回送で築港に戻るたびに毎回補給する必要性は薄いようですね。機関車運用行程のどこで補給するのかを適正に設定されているのでしょうね。東海道線で荷物列車をEF58が担当している頃、ボイラーへの給水は名古屋駅停車中に行っていたようです。西では岡山駅か広島駅で行えば、東京ー下関間でも十分なのでしょう。

 主題から外れた揚げ足取りになりますがご容赦を。

 ELのSG(EF58から搭載)は当初は燃焼用ノズルの構造が難しく軽油焚きでした。1958年ごろ宮原機関区の研究で重油を使用できるノズルが開発され、東海道・山陽の全線が改造され、大きな経費節減となりました。このノズルはミヤハラバーナーの名で商標登録されています。
DLは燃料管理の一元化を優先して、SGも走行用エンジンと同じく軽油焚きとしています。九州のED76のSGは重油ですが北海道ではどちらだったのでしょう。DD51との併用区間では燃料管理の問題が優先する可能性があります。

 ELのSGの燃料油と水は定期運用では1/2を下回らないよう補給されます。これは途中で抑止されたときに備えた予備です。また補給できない事情が起きたときも次まで行けます。
 現実には、東京~下関の給油箇所は名古屋と岡山です。上記のEF58の1000ℓ(900ℓ?)を適用する区間を考えて選定されました。給油は必ず満タンとします。
水はどこでも補給できるし、使用量も多いので山陽線で言えば上記の岡山のほか大阪・広島でも行います。東海道ではどこだったのでしょう。(静岡?)

機関車交換のとき、早めに蒸気の送気を止めますが、早すぎると室温低下してクレームが出るし、間際に止めると交換時に蒸気が残っていて駅の連結担当からクレームがきます。
200℃の蒸気ですから車両を結ぶホースに触ればヤケドします。ホースは取扱を優先して断熱を考えていません。クレームはもっとも。

 蛇足。 東北本線の上り列車は交流機の電気暖房で黒磯まで来て、ここからEF58の蒸気暖房となります。冷えきった客車の暖房装備が温まるまで時間を要して、客室が冷えて大きな問題となりました。特に夜行列車は未明の最低気温の時間帯ですから。
 対策としてEF58の電気暖房化が推進されました。この暖房電源としてMGではなくサイリスタインバータが搭載されたのはご存じのとおりです。

 蛇足の蛇足。対策として白河から後部にSLを連結して暖房予熱する珍案がありました。白河に機関区はあるし、8620は余剰だったし、最高85km/hならダイヤを制約することもないでしょう。

 妄言多謝。

C6217さん、ご教示いただきありがとうございます。北海道のED76500台の燃料は灯油でした。東海道山陽筋では名古屋・岡山で給水・給油を合わせて行っていたのですね。名古屋駅では一部荷物車の解放・増結のための入換があり、蒸気管には高圧蒸気が通っていて、そのままでは危険なので、入れ換えを行う駅では停車前から蒸気を客車に送らず、上空へ放つ操作により、蒸気機関車のように車体から蒸気を噴き上げるEF58が見られ、その写真もネットで見られます。

岩見沢と小樽築港機関区は、SLブーム華やかしき頃に聞いた覚えがあるものの、札幌との位置関係は、今ごろになってWeb地図や空中写真を見て判った次第です。

昨日7日、札幌では、東京で積もれば大騒ぎになる7cmの、今シーズン初の積雪が観測されたそうです。

というわけで、単機回送が頻繁に行われたのは、本州からでは気付きにくい、北海道ならではの「雪にまつわる諸事情」がある故、だったのでは?と想像してみました。

STVニュース北海道 今年2024/1/17放送の動画から
【過酷】「人力」で冬の鉄路を守る 徹夜の除雪作業に密着 頑張る受験生を支える作業員の思い JR北海道
https://www.youtube.com/watch?v=AXxc1y1M1LY&t=177s

❶の理由としましては、冬季は、小樽駅の留置線は一本少なくなり堆雪場になるそうですし。
❸につきましても、小樽築港だけに、雪を避けて機関車を留置するための屋根付きの車庫があった、のかも知れませんし。
❹の理由にしましても、除雪要員確保の為だった、のかも知れませんし。

皆様
たくさんのコメントありがとうございます。

>乗務員の所属
理想的には小樽駅に乗務員基地を移転させればよいのでしょうが、いろいろ摩擦があったのかも。遠くない将来の機関車けん引列車の廃止も見えていたのでとりあえず手を付けず、でしょうか。

>便乗
小樽築港駅と小樽築港機関区はちょっと離れている(700mくらい)ので、乗務員さんが嫌がったかもしれません(笑)。

>SG
ダイヤに記載しました通り、岩見沢には頻繁に帰っています。それに小樽~岩見沢間は70km程度ですので、ここまで頻繁に小樽築港に行く必要はなさそうな気がします。

>雪
貴重な動画のご紹介ありがとうございます。雪の影響はありそうな気がしますが、それならば冬季だけでよさそうな気がします。
ただ、それとは別に、定時運行を確保するための職員さんの賢明な努力には頭が下がるというよりもむしろ感動しました。

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