単行機関車列車その１(宇都宮貨タ): 懐かしい駅の風景～線路配線図とともに

今回は単行機関車列車(いわゆる単機回送)のお話です。

その昔、機関車けん引の客車列車や貨物列車が数多く運転されていた頃、旅客拠点駅・貨物拠点駅と機関車基地との間にも多くの単行機関車列車が運転されていました。
(昔の蒸機時代はこまめに給炭水を行わなければならないため、給炭水設備がある場所に機関車を回送するのが当たり前という感じでしたが、電機・ディーゼル機の時代では、改めて考えてみると機関車基地まで回送しなければならない理由はよくわかりません(汗)。機関車を単機で回送することは営業的にはムダなことであるのは間違いありませんので、できればしたくないはずですし。検査を行うためか、次の運用の関係か、はたまた乗務員の休憩場所か・・・。まあその辺はあまり深く考えないことにします。)
やがて時代の流れとともに客車列車はほぼ絶滅し、貨物列車も大きくその数を減らしました。これに車両基地の統廃合なども加わって多くの単行機関車列車が姿を消しました。
これらの単行機関車列車が具体的にどれだけ運転されていたのか、そしてそれらが廃止されてどうなったのかが気になりましたので、この辺りをちょっとだけ調べてみることにしました。単行機関車列車は全国各地で運転されていましたので、地区ごとに関係する機関車運用のごく一部を、列車ダイヤ形式で気の向くままにご紹介します。

手持ちの資料の関係で、時期は1988年3月、2009年3月、2024年3月のみです。
以下が参考資料です。
　時刻表1988年3月号
　'88貨物時刻表
　鉄道ダイヤ情報1988年9月号
　鉄道ダイヤ情報1988年12月号
　2009貨物時刻表
　2024貨物時刻表
単行機関車列車の時刻については2009年、2024年では推測となります(汗)。

今回は宇都宮貨物ターミナル～宇都宮駅間で行われていた単機回送です。
まずは1988年3月です。

・宇都宮貨タ～宇都宮駅間の単行機関車列車及びこれに関係する貨物列車のみを掲載しています。
・宇都宮貨タ始発・終着列車のけん引機の待機場所は宇都宮駅となっており、宇都宮貨タ～宇都宮間に上下合わせて10本の単行機関車列車が設定されていました。
・1往復だけ宝積寺まで回送する列車もありますが、理由はよくわかりません。
・宇都宮にはもともと宇都宮運転所があり(現在も乗務員組織として存在しているようですが)、1983年3月時点ではEF651000が49両、EF58が18両配置される一大機関車基地でした。ですので1983年3月以前であれば機関車を宇都宮に回送することはさほど不思議ではありません。しかしながら1983年度中にEF651000はすべて転出し、1985年3月時点では電気機関車の配置はゼロになっています。ですので1988年3月時点では宇都宮駅はほぼJR東日本の駅であり、そこにJR貨物の機関車を収容することには若干の違和感があります。
・また宇都宮貨物ターミナルの青森寄りには、おそらく開業当初からと思われるのですが、機関車留置線が設けられています。

・せっかく作ったこの設備を使用しないというのも何とも不思議です。

続いて2009年3月です。

・けん引機の待機場所は宇都宮貨タに変わり、宇都宮駅への単機回送はなくなっています。宇都宮に回送しなくてもよくなった理由は何でしょうか。
・18時ころには6両の機関車が宇都宮貨タに集結することがわかります。
・出入りする機関車の所属区所や種類も増え、遠く岡山からやってくる運用もあります。
・前述の機留線がようやく使用されるようになったようです。

(2002年6月9日撮影です)

最後に2024年3月です。

・18時頃に集結する機関車が8両に増えました。

もともと機留線が設けられていましたので次の運用まで宇都宮貨タで待機させることを想定していたようにも思えるのですが、実際には長い間宇都宮駅まで単機回送が行われていました。

配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。

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懐かしい駅の風景～線路配線図とともに

線路配線を調べるために1980年前後に訪れた国鉄の駅の風景です。順次追加してく予定ですので、興味のある方はお楽しみに。

2024年10月20日 (日)