苗穂での夜行急行の運転停車 その2
先日の苗穂での夜行急行の運転停車の記事に対し、KASAさんとかたぎさんより貴重なコメントをいただきました。
また、同時に、480042さんから1980年10月の函館本線の列車ダイヤをご提供いただきましたので、いただいたコメントに従って荷物車・郵便車の動きをダイヤ上でなぞってみたいと思います。
(480042さんからは以前にも五能線ややまとじライナー などの記事のダイヤをご提供いただいております。)
まず、480042さんからいただいたダイヤのうち、小樽~岩見沢間の4時~14時、19時~23時を抜き出すと以下のようになります。
図中、青線は北東航1のマニ、赤線は北東航21のオユの動きを示します。
(細かくて見ずらい点はご容赦下さい。列車が混み入っているところでは一部推定としたところがあります。)
最初に下り列車から見ていきます。
20時04分に札幌に到着する、青線と赤線が重なった列車が101列車「ニセコ」です。
時刻表によれば101列車の編成は
←札幌
ハ・ハ・ハ・ハザ・ハザ・ロザ・ハザ・ニ・ニ・ユ
となっており、2両のニのうちの1両が北東航1のマニ、ユが北東航21のオユであろうかと思います。
札幌で旅客車から切り離された北東航1マニ、北東航21オユは、荷扱いを行った後札幌を21時39分に発車する417列車「狩勝7号」に連結されます。
417列車の編成は
←釧路
ハネ・ハネ・ハネ・ハネ・ハネ・ハネ・ロネ・ロザ・ハザ・ハ・ニ・ユ
となっています。
次に上り列車です。
札幌に6時32分に到着するのが418列車「狩勝8号」です。編成は417列車と同じで、機関車次位に北東航21オユ、その次に北東航1マニが連結されています。
札幌では取り下ろしのみが行われ、その後旅客車ごと手稲に回送されます。
手稲(札幌運転区)でここまで手を繋いできた北東航1マニと北東航21オユは切り離され、北東航21オユは手稲8時00分始発の1843列車で札幌に向かった後旅客車ごと苗穂に回送されます。
ここで積み込みが行われ、10時過ぎに出発する「ニセコ」の回送列車で札幌へ、そして札幌10時20分発の104列車「ニセコ」で函館へ向かいます。
104列車の編成は機関車次位がユで、以降の旅客車は101列車と同じです。函館到着は16時03分です。
一方北東航1マニは10時30分頃に荷1043列車で手稲を出発して苗穂へ。ここで積み込みを行った後、苗穂12時59始発の荷44列車で北東航21オユを追って函館へ向かいます。函館到着は21時49分です。
以上のような流れになるのではないかと思います。
ここでふつふつと湧いた疑問をいくつか。
・101列車から切り離されたニ・ユは、札幌駅のどこで荷扱いを行うのでしょうか?
→この疑問は昨日KASAさんが公開して下さいました1980年10月の札幌駅の配線図を拝見して氷解しました。
・101列車に連結されていたもう1両のニはその後どうなったのでしょう? 旅客車と一緒に苗穂に行ったのでしょうか? それとも札幌で切り離されたのでしょうか?
・札幌に到着した101列車「ニセコ」はニ・ユを切り離した後はどうなるのでしょう? いったん苗穂に回送された後、手稲に回送されるのでしょうか? それとも、まさかとは思いますが、上りの出発まで苗穂で過ごすのでしょうか?
→KASAさん公開の配線図を拝見しますと、札幌での機回し(12番線)という選択肢もありそうですね。
ご存知の方、お教えくださいませ。
列車ダイヤは480042さんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
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ご無沙汰しております。
記事は読んでいたのですが、原典にあたるヒマがなくレスできませんでした。
ようやく55-10の急行客車運用を確認しました。
まず、ニセコの14系客車函1運用は次の通りです。
函館~101レ~札幌~1842レ~手稲(滞泊)
手稲~1843レ~札幌~回1843レ~苗穂~
回104レ~札幌~104レ~函館
80年10月改正の101レの札幌着は20:04、1842レは20:45発です。12番線で機回しか、手稲方に別の機関車を連結する可能性もあります。
北東航21のオユが連結される1843レは手稲を出発する時点でニセコ編成として仕上がった状態ですね。
投稿: 北東航21 | 2022年12月31日 (土) 10時13分
連投すいません。
101レに連結されているもう1両のマニは北スミの北東航2運用です。
これは、101レのあと517レ急行大雪に連結されますので、北東航1、北東航21とともに札幌で切り離されるものと思います。
投稿: 北東航21 | 2022年12月31日 (土) 10時18分
いつもお世話になっております。
列車ダイヤを私一人で私蔵(死蔵)していても仕方ありません。皆様で活用して頂き、ありがとうございます。
さて、今日は12月31日 大晦日ですが、東京では薄い本のイベントが行われているのでしょうか?
実は、以前のイベントでこんなゲームが発売されていたようです。その名も「札幌駅1980」 1980年夏ごろの最繁忙の札幌駅を舞台に、実際のダイヤのとおりに次から次にやってくる列車に入線するホームを指示し、遅延を発生させないでいかにうまくさばくことができるか という内容です。https://www.yos.ne.jp/tempoku/train-Sp1980v1.html
本ソフトウエアの列車データはフィクションです。
「1978年10月~1980年9月の時刻表掲載の列車はほぼそのまま登場しますが、時刻表掲載外の回送・貨物列車等の時刻等にはゲームのためのアレンジがあります。
また、ホームの入線可能両数や入線可否の要件等の制限および列車の使用車種と編成はゲームとしての設定であり、現実の運用とは異なる場合があります。」とのことです。
このブログの趣旨からは少し外れるかもしれませんが、ご紹介させて頂きました。
(このゲームの作者は私ではありません。念のため)
投稿: 480042 | 2022年12月31日 (土) 17時46分
北東航21さん
詳細な情報ありがとうございます。
そうですか、101列車は札幌での折り返しですか。
1842列車と1843列車は乗り得な列車ですね。
480042さん
>札幌駅1980
これは気が狂いそうな気がします。
投稿: f54560zg | 2022年12月31日 (土) 22時26分
1842レと1843レ、当時14系の普通列車として話題になったのを覚えています。
それにしても、郵便、荷物車は複雑な事情があった運用だったんですね。
投稿: Marin | 2023年1月 3日 (火) 16時18分
Marinさん
荷物車、郵便車の運用は、それはそれは恐ろしいものがあります。うかつに近寄らない方が身のためです(笑)。
投稿: f54560zg | 2023年1月 3日 (火) 17時00分
f54560zg さん、おっしゃるとおりです。何十年もたち、ネットでわかったことがほとんどです。それにしても当時、大ミハの荷物車を道内で見た時は、何とも言えないものがありました。トワイライトエクスプレスもなくなり、大ミハ所属車が北海道まで行くことはもうないでしょう。
投稿: Marin | 2023年1月 3日 (火) 18時10分
郵便・荷物車の運用は深いと言っても解明できるのですが、各車の積載方とか締切区間が沼です(笑)
郵便の方でいうと、55-10当時の急行利尻に連結されていたスユニのうちのユは、札幌発車時の積載方が095〜099宛で札幌ー旭川間は締切便、旭川で鉄道郵便職員が乗り込んで区分しながら停車駅で積み下ろししていきます(郵政側の呼称は「旭稚下一」)。
根室まで行く北東航21の郵便車もよく「東京からハガキを遠く根室まで」とか書かれますが、55-10頃から後の時代は東京から積んでいたのは小包とか第三種郵便物(雑誌など)や早出しの年賀郵便ぐらいで、普通郵便と速達は航空便で千歳空港から札幌中央郵便局に運んで、札幌駅か苗穂駅から郵便車積み込みでした。
投稿: 北東航21 | 2023年1月 3日 (火) 23時17分
連投すいません
本記事で101レニセコの編成のうち荷物・郵便車の連結順序が、ニ・ニ・ユとなっていますが、運用で書くと北東航2・北東航1・北東航21です。
札幌着後、編成後部から切り離して手荷物ホームに押し込まれますが、先に出る417レ狩勝7号に連結するため函館方の2両が手荷物ホームから引き出されて連結され、残された1両が後発の517レ大雪7号に連結されます。
この札幌での入換を想定して隅田川を出る時から北東航21・北東航1・北東航2の連結順序になっています(連絡船の車輌航送で函館到着時に順序が逆転します)。
投稿: 北東航21 | 2023年1月 3日 (火) 23時42分
>札幌駅か苗穂駅から郵便車積み込み、ということですが、札幌鉄郵は札幌駅と苗穂駅の両方で郵袋の積み込みをしたのでしょうか?59,2以降は護送便と締切便だけになったので、フライトからの積み込みはあったのでしょうか?ややこしいことをお尋ねしてすみません。
投稿: Marin | 2023年1月 6日 (金) 19時02分
>各車の積載方とか締切区間が沼
これはもう、中に入らないとわからない世界では(笑)?
投稿: f54560zg | 2023年1月 7日 (土) 10時59分
Marinさん
苗穂に拠点ができた55-10から苗穂に集約された59-2までは列車によって苗穂積み込み・札幌積み込みがありました
道東道北への急行列車は札幌積み込みでしたが。
取扱便が無くなっても、航空便と鉄道郵便の併用はありました。ただ道内では全区間締切便となる郵便車は本州向けを除いては存在しなかったのではないでしょうか?
全ての資料を見ないとなんとも言えないのですが、沿線の集配局数が多すぎる割に郵便物量が少ないので締切便での対応は困難と思われます。
投稿: | 2023年1月 8日 (日) 08時43分
すいません、上の書き込みは北東航21です
投稿: 北東航21 | 2023年1月 8日 (日) 08時43分
北東航21さんの
>全ての資料
がどのようなものであるのかに大変興味が湧きます(笑)。
投稿: f54560zg | 2023年1月 8日 (日) 21時12分
苗穂駅での積込みもあったんですか。大体の中央郵便局は隣接した大きい駅で積込みだったので意外でした。道内でも航空便から列車に乗せていたんですね。
>沿線の集配局数が多すぎる、、、 おっしゃる通りスユニだと物数も少ない上に、当時は集配特定局が多かったから降ろす駅も結構あったと思います。
投稿: Marin | 2023年1月11日 (水) 05時58分
f54560zgさん
郵政側の資料に「郵便路線図」というのがあって、そこに各局の締め切り時刻とか把束方法(郵便物をまとめる方法)、搭載方(郵便番号で示される)が載っています。自動車便でも使っているので、今も原則は変わらないかと思いますが、これが鉄道と違ってまず表に出てきません(苦笑)
Marinさん
苗穂積み込みは、列車の停車中に積み込むのではなく、荷物ホーム停車中の郵便車に積み込んで、それが列車として出発していく、という形です(逆も同様)。
12/25付の記事「苗穂での夜行急行の運転停車」のコメントで、かたぎさんのコメントにもあるように、苗穂駅構内に「札幌鉄道郵便局札幌輸送センター」が設置されていました。
投稿: 北東航21 | 2023年1月11日 (水) 09時34分
すみません、短命に終わった札幌輸送センターのことを忘れてました。
投稿: Marin | 2023年1月11日 (水) 20時21分