浜川崎駅の進入・進出ルート その1
いつもお世話になっていますKASAさんのサイトで、昭和45年(1970年)10月の東京南局の列車運転時刻表が紹介されています。いろいろ興味深いところが多いのですが、その中の一つで浜川崎駅の発着番線が気になりました。2番線、4番線、15番線、17番線など、多彩な数字が記載されていますので。
そこで1986年の配線図をもとに、浜川崎駅における列車の進入・進出ルートを推測してみることにしました。
配線図としては36年も前のものですが、ルートについては現在でもそれほど大きくは変わっていないのではないでしょうか。
まず最初に配線図です。以前ご紹介したものです。
浜川崎駅は東海道貨物線川崎新町方面、同汐留方面、鶴見線安善方面、同扇町方面と4方面の路線が集まっていて、さらにはスイッチバック、電車線なども絡み合って複雑な線路配線となっています。
この図を基に、到着する列車はどの線路に進入できるのか、出発する列車はどの線路から進出できるのかといったところを信号機を頼りに調べてみます。
配線図の太線で描かれているのが本線部分のようですので、わかりやすくするため側線部分を消去します。
着発線部分には1番線~17番線の線路がありますが、このうち13線が本線です。上野駅並みです。これが多彩な着発番線表示を生み出しているわけですね。
まず扇町方からの貨物線の場内信号機6Rに着目します。図の一部を拡大します。
着点(選別押ボタン)の記号はB、C、Dの3つですが、つながっている線路は14~17番線の4線です。しかしながら14番線には列停がないので、
B=17番線
C=16番線
D=15番線
であろうと推測します。ということは、多分、
A=電車線
ではないかと思います。
次に安善方からの場内信号機101Lに着目します。
着点の記号はSB、B、C、D、H、I、J、Mの8つもありますが、まず
SB=電車線3番線
であることは間違いないでしょう。
B、C、Dは前述の通り17~15番線であり、
H、I、J、Mは列停から判断して、
H=11番線
I=10番線
J=9番線
M=8番線
ではないかと思います。8番線のM以外はアルファベット順になりますし。
次に折返線からの場内及び出発信号機208L・209Lです。
同じ発点の信号機であるにもかかわらず信号てこの番号が208Lと209Lの2つあるのが「?」ですが、とりあえず無視します(汗)。
まず208Lは汐留方であろうと推測できます。
209Lの選別押ボタンはB、C、D、U、Wですが、B、C、Dは前述の通り17~15番線だと思います。
残るU、Wは列停とアルファベット順から
U=4番線
W=2番線
だと考えられます。
次に川崎新町方からの場内信号機206Lと207Lです。同様に発点は1つなのにてこ番号は2つあるのが「?」ですが。
まず、悩むまでもなく
SQ=汐留方
SF=電車線2番線
と思われます。
問題はBH、CI、CWです。これが何であるかがわかりません。17~15番線であるB、C、Dあたりが当然あるべきだと思うのですが・・・。おそらく誤記ではないかと都合のよいように解釈します(汗)。
次に塩浜方操からの場内信号機205R。これは
SI(図はI)=川崎新町方
SH=折返線
でしょう。
今度は出発信号機です。
3番線の103Rと4番線の104Rには2つの進路がありますが、SIとSHですから上記の通り川崎新町方と折返線になると思います。
10番線の110Rも2進路ですが、SIとSCですので
SC=安善方
であろうと思われます。
問題は進路が一つしかない7番線の107R、8番線の108R、9番線の109R、11番線の111R、12番線の112Rです。これらの進路が川崎新町方なのか折返線なのかそれとも安善方なのか、ですが、残念ながら配線図だけではこれ以上はわかりません。
15番線~17番線の115R~117RはいずれもSIとSCですので川崎新町方と安善方の2進路ですね。
これ以外の信号機については、着点の記号と進路の関係が容易に推測可能ですので省略します。
ここまででよくわからなかった点2つの解明のため、KASAさんのお力をお借りします。
一つ目は207LのBH、CI、CWです。
KASAさんの昭和45年の列車時刻表から、川崎新町方から到着する列車が浜川崎駅の何番線に進入するのか、それが何本あるのかを調べてみました。(1970年の資料と1986年の配線図を照合するのもアレですが)
結果は以下の通りです。
実際に運転されていた列車は17番線~15番線と2番線、着点の記号でいえばB、C、D、Uです。ここからは勝手な想像になりますが、「BH、CI、CW」は「B、H、C、I、D、Wの誤記」とすればつじつまが合いますのでそう決めつけることにします。
次にもう一つのわからなかった点、7番線の107R、8番線の108R、9番線の109R、11番線の111R、12番線の112Rの進路ですが、ここで同様にKASAさんの資料を見て、それぞれの線路から出発する列車がどこに向かうのか、それが何本あるかを調べます。
結果は以下の通りです。
ですので、7~9番線の出発信号機はそれぞれ107RSI~109RSI(川崎新町方)、11番線と12番線は111RSC、112RSC(安善方)ということになりますね。
次回に続きます。
配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
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東貨支下り本線の205RSIは出発信号機、205RSHが第一場内になります。
投稿: 中の人 | 2022年5月26日 (木) 15時48分
中の人さん
情報ありがとうございます。
224・225のシーサス付近だけ見ますと
206LSQ=場内(出発を兼ねる)
205RSI=場内(出発を兼ねる)
のように見えるのですが、汐留方に202L、201Rがありますので
201RSP=第1場内
202L=出発
205RSI=出発
206RSQ=第2場内
ということなのですね。
ところで塩浜操~安善の高架線が廃止になってしまいましたが、201Rや202Lはそのままなのでしょうか。201Rは役目がなくなったようですし、202Lは川崎貨物の場内信号機といった感じですし。
投稿: f54560zg | 2022年5月28日 (土) 09時19分
ご無沙汰しております。時刻表データをご活用いただきまして、たいへん光栄に思います。ありがとうございます。他の年度のデータも順次揚げていきたいと思っております。
投稿: KASA | 2022年5月28日 (土) 23時14分
間違い発覚すいません、晩酌後の酩酊状態で書くもんじゃないですね。
スイッチバックで到着する場合は
201Rが第一場内、205Rが第二場内、209Lが第三場内であり、
発車の場合、例えば3番線から出発の場合は103RSHが第一出発、208Lが第二出発、202Lが第三出発となります。
ちなみに上り本線は210Lが第一場内、206LSFが電車場内、207L〜各番線が場内、206LSQが本線場内です。
短絡線無き今、201Rは振り分ける意義無しですがそのままであり、202Lは最早カツ場内の本線側・到着群線を振り分ける機能しかないのですがあくまでハサ出発として残っています。
投稿: 中の人 | 2022年5月29日 (日) 04時07分
KASAさん、いつもお世話になっております。今後ともよろしくお願いいたします。
中の人さん
201Rや202Lはそのままなんですね、ありがとうございます。。まあ、変更する手間を考えるとそうなるような気がします。
投稿: f54560zg | 2022年5月30日 (月) 20時36分