唐津線配線図
今回は唐津線の配線図のご紹介になります。
ほぼ現時点のもののみとなります。
・かつて多久駅からは柚ノ木原(ゆのきばる)駅に至る貨物支線が分岐していました。
・多久駅は上下本線が区別されていますが、上下列車ともどちらにも発着できます。
・厳木は「きゅうらぎ」、相知は「おうち」です。
・その昔、相知駅付近からは相知炭鉱駅への貨物支線が分岐していました。
・山本駅付近で唐津線と筑肥線は5kmほど並走します。
・本牟田部(ほんむたべ)駅はそのうちの唐津線にのみホームがあります。昔は逆に筑肥線にのみホームがあったのですが。
・かつての山本駅は東唐津に向かう筑肥線、岸嶽支線、さらには鹿ノ口貨物支線が分岐しており、さぞかし複雑な線路配線だったのだと思います。前面展望動画を見ますと有効長が異様に長いことがわかりますが、かつては長い石炭列車が行き来していたからなのでしょうか。
・唐津駅は1982年に高架化され、1983年に筑肥線付け替えと同時に唐津~西唐津間が電化されています。
・西唐津には筑肥線電車と唐津・筑肥線用気動車の車両基地である唐津車両センターが設けられています。
・ホームに面していない着発線がありますが、これらは唐津駅始発・終着列車などが使用するのではないかと思われます。
配線図はキハ65さんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
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山本駅について、かつては筑肥線の東唐津方と伊万里方、唐津線の久保田方と西唐津方そして岸嶽支線と5方面あったのですが、通票の「タマ」は4種類しかありません。どうしていたのでしょうか。長年の疑問です。
投稿: syk | 2022年1月24日 (月) 15時34分
syk さま
鋭いところに、目をつけられました。
LazyJackさんのサイトに
http://www.lazyjack.co.jp/lazyjack/index.html
現在閉塞方式一覧というページがあります。
http://www.lazyjack.co.jp/nonauto/tablet3.html
それによると、筑肥線と唐津線の久保田ー山本ー西唐津は、いずれも通票閉そく式となっています。
手元の、長崎線列車ダイヤ(九州支社 昭和43年10月1日改正 昭和44年4月25日訂補)(1時間目ダイヤ)を見ると、唐津線の中相知ー山本間は通票閉そく式1種、山本ー鬼塚間は同2種となっています。また山本ー岸岳間は通票式で3種となっています。
また、九州総局運転取扱基準規程(昭和46年9月)を見ると、唐津線は上記ダイヤと同じ、筑肥線の東唐津ー山本間は第3種、山本ー西相知間は第4種となっています。
ところで、通票閉塞式と票券閉そく式は閉そく装置を使います。一方、通票式は閉そく装置を使いませんので、信号設備施設基準規定では通票の形状、寸法は規定されていません。同規定によれば、通票閉そく装置に用いる通票と、票券閉そく式の装置に用いる通票とでは、微妙に形状、寸法が異なります。例えば、通票閉そく装置に用いる通票の直径は99mm、票券閉そく式の装置に用いる通票の直径は100mmです。また、第3種だけは、通票の切り欠き位置に対する三角形の穴の向きが逆になっています。
以下は推測ですが、
岸岳線の通票が第3種なので、票券閉そく式の通票を同線の通票に流用すれば、通票閉そく式の4種類の通票といちばん区別がつくと考えられます。
投稿: NZ | 2022年1月24日 (月) 22時36分
通票閉そく式の通票と、通票式の通票の第3種の切り欠き及び穴の形状は同じでした。運転取扱基準規程を見落としてました。
したがって、前のコメントの推測は取り消します。
ただ、大きさについては、手元の資料では分かりません。
そうなると、キャリアーを岸嶽支線用とでもしていたのでしょうか?
岸岳は、前のコメントで参照したダイヤグラムでの書き方です。
投稿: NZ | 2022年1月25日 (火) 02時53分
山本駅は、かつてホーム3面5線を持つジャンクションに恥じない規模で、好きな駅でした。昭和40年代後半頃は筑肥・唐津両線のお客様で賑わっていた記憶がありますが、今は無人駅で侘しい雰囲気となり隔世の感があります。当時、筑肥(西)線の列車は3〜4両でしたが、今ではキハ125単行すら。存続が危ぶまれる路線の一つです。
投稿: キハ65 | 2022年1月25日 (火) 07時12分
皆様、こんにちは。
貴重な配線略図の公開をありがとうございます。
岸嶽支線の通票の件ですが、私は、NZ様の最初のコメントにあるご推測が正しい可能性が高いのではと思いました。
その理由は、
昭和42年11月現行版の「西部支社運転取扱基準規程」をみますと、岸嶽支線の常用閉そく方式は、
「票券閉そく式 第3種」
であったことと、
君島靖彦著「さよなら 腕木信号機&タブレット」という書籍の105ページに、JR北海道のスタフ閉塞式(通票式)線区に、「スタフ箱」なるものがあり、それは通券函を流用したもので、スタフには票券閉塞用の通票が転用されている旨の解説があり
岸嶽支線が通票式になってからの通票も、票券閉そく式時代のものを流用した可能があるのではと思ったからです。
ちなみに、名古屋臨海鉄道のスタフ閉塞式で、かつて5方向に分岐する場合があったようなのですが、そこでは「正式種別不明」と但し書きの上「第5種」が存在した旨、上記書籍の100ページに記述されています。
投稿: KASA | 2022年1月25日 (火) 17時06分
山本駅、確かに昔はお客さんでも列車や車両の行き来でも賑わっていたのでしょうね。魅力的な駅であったであろうと想像できます。
通票の件では私もNZさんの最初のコメント、KASAさんのコメントの通りではないかと思います。票券閉そく式の第3種だけが形状が違うところがポイントでは?
なお、票券閉そく式には閉そく装置はありません。通票式に通券箱が追加されているだけです。
投稿: f54560zg | 2022年1月26日 (水) 19時32分
誤解を招く書き方でしたね。
「閉そく」と「装置」の関係は、厄介です。
規程が分かりにくく書かれているからです。
「運転保安設備基準規程」(昭和40年3月 運達第3号)には、「第2章 閉そく装置 第1節 通則」の第3条2項で、
「閉そく区間に票券閉そく式又は通票式を施行する場合は、閉そく装置を設けないことができる。」とあります。
また、同第6条では「閉そく装置の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。」として、第2号の単線区間の閉そく装置として、
ア 自動閉そく装置
イ 連動閉そく装置
ウ 連査閉そく装置
エ 通票閉そく装置
の4種類があげられています。
続く「第2節 閉そく装置」では、上記した4種類の閉そく装置と、停車場外での分岐についての規定が書かれています。
したがって、「票券閉そく式には閉そく装置はない」は、全く正しい理解です。
ところが、「信号設備施設基準規程」(昭和50年12月5日 電情達第3号)では、「第2章 閉そく装置 第1節」の第6条で、
「閉そく区間には、運転保安設備基準規程第3条から第6条までの規定により、閉そく装置を施設するものとする。」とあり、上述したように、運転保安設備基準規程第3条第2項からすれば、票券閉そく式及び通票式においても閉そく装置を設けてもよいわけですから、信号設備施設基準規程では、票券閉そく式での装置を以下のように規定しています。
信号設備施設基準規程第2章には「第5節 通票閉そく装置及び票券閉そく式の装置」があります。タイトルからして、微妙な書き方です。自動閉そく式、連動閉そく式、連査閉そく式、通票閉そく式では、それぞれ「◯◯閉そく装置」と書かれているのに、票券閉そく式だけは「票券閉そく式の装置」とあって、わずか「の」の1字だけですが、担当者の苦心がしのばれます。
該当の条文をみてみます。
「(票券閉そく式の装置)
第15条 票券閉そく式の装置には、その両端停車場に通券を収容する通券箱及び電話機を、閉そく区間に対して1個の通票を備えるものとする。
2 前項の通券箱は、その閉そく区間の通票でなければ開くことのできないものとする。」
そして、第16条では、通票の種類、形状及び寸法を規定しています。
したがって、「票券閉そく装置」はありませんが「票券閉そく式の装置」は存在することになります。
「票券閉そく式の装置」がなぜ必要かですが、おそらく、「第6節 閉そく区間を併合する場合の設備」に関係していると思われます。
「通票区間、票券区間を併合する場合は、併合閉そく用の票券閉そく式の装置」を設けると第19条で規定していて、第20条には「併合した閉そく区間に対し、第15条に規定する票券閉そく式の装置を設けること。」と準用しています。通票閉そく式を併合した時に、何らの装置を持たない方式、すなわち保安度の切り下げにつながる方式にはできないという理屈がはたらいたのではないでしょうか。それを切り抜けるために、票券閉そく式においても、(一方で閉そく装置は設けないと規定しておきながら、他方で)装置はありますということにしたのではないかと、推測します。
投稿: NZ | 2022年1月27日 (木) 10時33分
両端の駅で共同した操作を行わないと閉そくの取り扱いができないようにするために設けられたのが「閉そく装置」なんでしょうね。
票券閉そくでは片方の駅の判断で一方的に列車を出発させることができてしまうわけですが、そうはいっても電話連絡ぐらいは必要でしょうから、通票と電話回線と通券箱とをひっくるめて「閉そくの装置」と呼んでいるように思えます。
通票式では電話回線すらも不要なので、まさに通票だけが閉そくを行う手段なのでしょうね。
投稿: f54560zg | 2022年1月30日 (日) 14時36分