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2021年2月15日 (月)

東京の配給電車 その1

先日の記事で大阪環状線に関係する配給電車の運用についてご紹介しましたが、今回は東京の配給電車です。その1です。
鉄道ピクトリアル2018年9月号に1970年代後半から80年にかけての運用(箱ダイヤ)が掲載されていますので、これをもとに配給列車特有のレアな運転ルートを追いかけてみたいと思います。

話の展開の都合上、ご紹介の順番としてはあまりレアでないところから・・・(汗)。

 

最初はコレです。
18kh
・小山電車区への配給です。
・あまりそれらしくないのですが、6561M・6562Mが運用番号っぽいです。
・列車番号からもわかる通り大崎駅からは山手貨物線を走ります。大崎駅の配線は以下の通りです。
00197710ko (※1)
・大井工場もしくは品川電車区から出てきた配給電車は渡り線を通って大崎支線の中線に入り、山手貨物線に向かうものと思われます。
・大崎駅~小金井駅間のルートは普通に貨物列車が走るルートですので、特に変わったものではありません。

 

次は6961M・6962M。
17kh
・新前橋電車区への配給です。こちらも特に変わったルートではありません。
・大井工場からは最も遠い配給電車の旅になるかと思います。

 

続いて95M。
16kh
・幕張電車区への配給です。
・ピク誌の説明文によれば大崎駅~新宿駅間は山手貨物線、新宿駅~お茶の水駅間は中央快速線、錦糸町駅~津田沼駅間は総武快速線を走り、新宿駅では5番線で折り返すようです。
07197103js2(※2)
・スリップスイッチを渡りまくって山手貨物線~中央快速線間を転線します。

 

最後は99丙です。
15kh
・中原電車区及び弁天橋電車区への配給です。
・大崎駅から品鶴線~尻手短絡線~浜川崎支線経由で川崎新町駅へ、ここで折り返して南武線を武蔵中原駅に向かいます。
・尻手駅で折り返せれば効率的なのですが、尻手駅の配線は以下のようになっており、短絡線~南武線間の折り返しはできません。
10198603ts (※1)
・その後武蔵中原駅から南武線~浜川崎支線経由で浜川崎駅へ、ここで折り返して弁天橋駅に向かいます。
・ピク誌の説明文によれば弁天橋区への用事がないときは武蔵中原駅から川崎新町駅で折り返して大崎駅に戻ると書かれているのですが、上の箱ダイヤでは浜川崎駅折り返しとなっており、どちらが正しいのかは「?」です。
・川崎新町駅の配線は以下のようです。
11198603km(※1)
・配給電車の折り返しは下から2番目の線路で行われるものと思われます。

 

続きはいずれまた・・・。

 

配線図は
※1印・・・T.Mさん
※2印・・・NZさん
よりご提供いただきました。
ありがとうございます。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
バックナンバーはこちらからどうぞ。

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コメント

山手線がATC化される前は山手線経由の配給電車も有り其の時は大崎駅2番4番線に入線後各電車区へ向かってました その際は大井工場構内から山手線入出庫線への渡り線で山手線へ転線してました
当事は未だ旧形配給電車全盛時代でしたので山手線ATO化後は配給電車運用は山手貨物線へシフトされたので大井工場から直接大崎支線蛇窪方線に入線少々逆走後大崎駅中線入線後目的の電車区へ向かい発車してゆく 其の先は魔訶不思議な経路をたどり目的地の電車区へ向かう其の為以外な所に渡り線や有効長の短い中線が存在していた(各駅の配線図参照)
ピク誌配給電車特集で大井工場からの配給電車運用が関東平野一園であったのはさすがであった
新性能電車化後都内に有った電車区で旧型国電を多数保有していたのは品川電車区でした其れ等は配給運用の為のクモルクルでした

いよいよ東京地区の配給電車の登場ですね。美味しいレアな所はこのあと、という事で楽しみです。ちなみに私はミディアムが好みです(関係ない)。
小金井行きと新前橋行きの運用は、もしかして大宮まで同一のスジを共用していて曜日で使い分けていたのではないでしょうか?
仲間内で「長距離クモル」と呼んでいたこの運用、前にも書きましたがいつもクルを使わずM車限定だった様です。ピク誌に掲載された写真もクモル24+鋼体化改造のクモニ13ですね。同様の編成を私も撮影しましたし、他の本でも見ました。

私はレアが好みなので、飛び切りレアなルートを楽しみにしております(笑)。

昭和53年に発行された「停車場の配線を診断する」という吉江一雄さんの本の152~153ページに、「配給電車、回送電車に対する配線上の考慮」という一節があって、当時の品川電車区・大井派出所には、電車区所在駅までの各線区の線路を知っている電車運転士が30人ほどいて、広範囲な配給・回送電車の運転を担当していたことが書かれています。この電車運転士の方々が作成された資料とかがもしどこかに残されていれば、是非、覗いてみたいなぁと思っております(汗)。

品川の配給車が小山や新前橋まで出かけていたのはちょっと意外な気がしました。東所沢とかは(以下略)
クモニ13に比べるとなかなか目にすることはありませんでしたが、見かけたときの衝撃はすごかったです。

東所沢には車両の配置が無く、武蔵野線開業当初の101系は豊田に所属していました。詳しいことは存じませんが、ひょっとして東所沢は単なる留置場所で、配給電車を呼ぶような修繕を行っていなかったのでは?

以前、荷電の運転速度の話で参考にした「昭和57年11月15日改正 基準運転時分表(電車編)」(昭和57年11月11日 首都圏通達第42号別冊 首都圏本部)から、配給電車の基準運転時分が設定されている区間を調べてみました。
動力車の形式編成荷重として、「145系 1M1T 20t」で査定しているものが、配給電車の基準運転時分であると推定しました。
資料のページ順に記載します。

横須賀線 東京ー大船(新川崎経由) 通電D3 
 下り 44分15秒 67.0km/h
 上り 44分    67.4km/h
 ※「東京〜品川間はATCの時分を示す。」という注記があります。

東海道・山手貨物線 東京ー大崎 通電D3 
 下り 10分15秒 51.5km/h
 上り 設定なし

南武尻手支線 御幸ー浜川崎 通電D3 
 下り 13分45秒 35.3km/h
 上り 13分45秒 35.3km/h

東北回送線 東京ー上野 通電D3 
 下り 5分15秒 41.1km/h
 上り 5分30秒 39.3km/h
 ※荷重が「145系 1M1T 各車10t」と記されています。


常磐貨物線 田端操ー南千住 通電D3 
 下り 5分15秒 43.2km/h
 上り 5分30秒 41.4km/h
 ※荷重が「145系 1M1T 各10t」と記されています。

高崎線 大宮ー高崎 動力車形式 145・74 通電D3
 下り 61分15秒 73.2km/h
 上り 61分15秒 73.2km/h
 ※荷重が「145系 1M1T(20t)+74形1M(10t)
      145系 1M  ( 7t)+74形1M(10t)
      (注)74形には82・83形を含む。最高速度95Km/H」と記されています。
高崎線 大宮ー高崎 動力車形式 145・74 停電D3
 下り 68分 65.9km/h
 上り 68分 65.9km/h
 ※荷重が「145系 1M1T(20t)+74形1M(10t)
      145系 1M  ( 7t)+74形1M(10t)」と記されています。

上越線 高崎ー新前橋 動力車形式 145・74 けん引定数 1M1T・1M 通電D3
 下り 7分    62.6km/h
 上り 6分45秒 64.9km/h
 ※荷重が「145系 1M1T(20t)+74形1M(10t)
      145系 1M  ( 7t)+74形1M(10t)」と記されています。
 停電D3で、他の欄は全く同じ査定がされています。

総武快速線 東京ー津田沼 通電D3 
 下り 24分    66.8km/h
 上り 24分15秒 66.1km/h

中央(緩行)線 御茶ノ水ー中野 停電D3 
 下り 14分45秒 48.8km/h
 上り 14分25秒 49.9km/h
 ※荷重が「145系 1M1T 200%」と記されています。

総武緩行線 御茶ノ水ー津田沼 停電D3 
 下り 21分45秒 72.3km/h
 上り 22分45秒 70.1km/h
 ※荷重が「145系 1M1T 各車10t」と記されています。

常磐(快速)線 上野ー松戸 通電D3 
 下り 17分45秒 62.3km/h
 上り 17分45秒 60.5km/h
 ※荷重が「145系 1M1T 各10t」と記されています。
  松戸駅は「副本線着又は発の時分を示す。」という注記があります。

*****

駅に停車しないので、かなり高速で運転する設定ですね。
20tという荷重も、出力のわりには軽かったのでしょう。
総武緩行線の荷重欄は、旅客車の欄に引きずられた誤記載だと思われます。
高崎・上越線は、荷電と併結が標準的だったのでしょうか。

クモイ103さん
>東所沢
おっしゃる通りです。東所沢には電車の配置がありませんでしたね。失礼しました。

NZさん
貴重な情報ありがとうございます。
確かに速いですね。旧型車の時代はどうだったのでしょう。

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