飯田線配線図 その8(下山村~山吹)
飯田線の第8回目です。1977年の下山村駅、鼎駅、切石駅、飯田駅、桜町駅、伊那上郷駅、元善光寺駅駅、下市田駅、市田駅、下平駅、山吹駅です。
・勾配を登って、線路名称にもなっている飯田駅に到着します。
・このあたり、結構湾曲した線形となっており、googleマップで見るとこんな感じです。
・地形や市街地との関連と思われますが、大きく迂回するような線形になっています。切石駅付近の曲線はR160です。
・市田駅の上り本線の延長上には「上り突込線」という名の線路があります。前面展望動画を見る限りこの線路は現在も残っていて一見安全側線のように見えるのですが、22に相当する転てつ器は現場扱いとなっていて常に本線側に開通しているようですので安全側線としての機能はなさそうです。この配線図の当時はどのように使われていたんでしょう。安全側線として使われたのでしょうか。
・山吹駅の場合はその名もズバリ「安全側線」となっていて転てつ器も双動ですのでこちらはホンモノの安全側線っぽいです。ただそれ以前に注目すべきポイントは、この転てつ器が動力転てつ器(多分電気転てつ器)ではないか、と思われることですね。おそらく飯田線の単線区間では唯一の動力転てつ器かと思われます。なぜここだけが、の理由はわかりませんが(汗)。
配線図はNZさんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
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飯田線の突込線の使用方法については、鼎駅の上り突込線がわかりやすいかもしれません。
鼎駅の上本の有効長は59mしかありませんが、ホームは80mあります。ここで20m級なら3両以上の列車が交換をする場合、突込線に入線してドア扱いを行います(突込線部分にもホームあり)。
対向列車との交換後、ドア閉して分岐器手前まで退行して出発という取扱をしていました。
ただ鼎駅は確か下本にも突込線があったと思うのですが。。。
市田駅はそこまで有効長が厳しくないですが、編成の長い列車を交換する際には、同様の使い方をしていたと思われます。
投稿: 北東航21 | 2020年8月15日 (土) 20時14分
御承知のごとく飯田線は買収私鉄区間であり当初私鉄時代車輛も17~18mクラス1~3輌編成であり当初駅有効長はそんなに長くする必要はなかった唯貨物列車は編成長が旅客列車に比べ長くなる関係で交換駅での列車交換する場合駅有効長の短かい駅での対策として突込み線を設け其処に列車長の長い貨物列車が突込み線に入り交換していた 飯田線が国有化され首都圏や関西圏の余剰車輛(特に20m車)が転属して来る様になり駅有効長が短い駅の旅客列車交換の折旅客列車も突込み線を利用する様になったのです
投稿: yyoshikawa | 2020年8月16日 (日) 06時45分
笑い話
桜町駅で乗り遅れて鼎駅で乗れる。これは飯田駅の列車の行き違いの待ち時間を利用しています。逆の場合は上り坂ですので無理かな?
投稿: つるたま | 2020年8月16日 (日) 18時57分
つるたま 様
Wikipedia の、長野県飯田高等学校の項を見ると、最寄駅が伊那上郷駅なのだが、下山村駅で乗降すると上り下りとも間に合う、「下山ダッシュ」というエピソードが書かれています。遅刻しないためにダッシュする生徒の姿が目に浮かびますね。
高校生くらいの体力があれば、可能なのかもしれませんよ(笑)
投稿: | 2020年8月16日 (日) 20時30分
上のコメントは、NZです。
失礼しました。
投稿: NZ | 2020年8月16日 (日) 21時10分
管理人様 皆様 ご無沙汰しております。
>北東航21様
黒部峡谷鉄道にも同じような施設が有ったと思うのですが…当方の記憶力違いでしょうか?
この辺りの迂回する線形は、もう廃止になりましたが、名鉄三河線(海線)にも有りましたねぇ。
駄文失礼しました。また宜しくお願いいたします。
投稿: しげぞう@ | 2020年8月16日 (日) 21時32分
>大きく迂回するような線形
切石が、飯田線最急曲線上の駅。というのは、知っていましたが、飯田駅付近のΩカーブは初耳でした。R153に沿った線形が自然だとは思いますが。この辺に駅ができても、飯田の城下からは、飯田城の遥か向こうになり、不便極まりなく、このような線形になったようです。切石駅付近が、更にΩカーブになったのは謎ですが。
>「下山ダッシュ」
関西発の某探偵番組でも取り上げられたようで、結構挑戦される方がいるようです。伊那上郷(いなかみさと)駅から下山村駅へは下り勾配になり、GGマップの徒歩ルート検索では、2.1km25分と出てきました。飯田駅止の列車を乗り継ぐより、早いかも知れませんね。
投稿: moni5187 | 2020年8月16日 (日) 22時41分
しげぞう@様
黒部峡谷は確か鐘釣駅が長い編成の場合に有効長不足で突込線使用して交換してます。知識はありましたが忘れていました。
アプト時代の熊の平や、やや変則的な改修前の湯田中駅とかは思いついたのですが、現役の設備を思い出さないのはお恥ずかしい限りです。
投稿: 北東航21 | 2020年8月17日 (月) 06時14分
鼎駅は、読み方「かなえ」だけでなく、いろいろ話題が出てきますね。
手元の「飯田線列車ダイヤ 昭和50年10月1日訂補 静岡鉄道管理局」を見てみますと、
鼎での行き違いは、1日に5回設定されていますが、そのいずれもが、上り列車先着、下り列車到着・出発後、上り列車出発という手続きになっています。
(1)638M豊橋行 × 急4004M新宿行(停車)
(2)1222M豊橋行 × 237M伊那大島行(休ウヤ)
(3)228M天竜峡行(休ウヤ) × 243M飯田行
(4)1230M豊橋行 × 急605M辰野行(運転停車?)
(5)回254M天竜峡行 × 267M辰野行
1時間目ダイヤでも、上り列車の列車線は鼎で数分間は停車するように書かれていて、その間に下り列車が通って行きます。なお、(4)の急行は、列車線に停車を表す白丸が打ってあるのにかかわらず、通過を表す矢羽根が併記してあるので、運転停車ではないかと思われますが、いかがでしょう。
天竜峡〜飯田間は、豊川〜辰野間の通票閉そく式区間内で、この区間だけ閉そくの併合が行われないように記載されています。この区間を行き違いをしないで走り抜ける列車は、急604Mと貨251列車、247M、急603M、257M、1228M、244M、1225M、8223M、1232Mで10時から20時までに収まっていて、早朝深夜の要員合理化につながらない、また前後の列車は通常に閉そくの扱いをするのでかえって混乱するからかと推測されます。
投稿: NZ | 2020年8月17日 (月) 18時29分
続いて、市田駅です。
この駅は、貨物扱いをするので、なかなか複雑なダイヤの設定です。
構内の作業手順を考えてみてください。
6:00 急4404M到着(30秒停車?)新宿行
6:10 急2501M到着 長野行
6:10 貨272列車到着
6:12 急2501M出発
6:20 普227M到着
6:21 普222M到着(30秒停車?)
6:22 普227M出発
6:35 貨273列車通過
6:36 貨272列車出発
(時刻は1時間目ダイヤから読み取ったので、だいたいの時刻です)
貨272列車をどこに退避させるか? 上本から下1には直接入線できないので、上り列車だけど下本に到着させるのか? 信号機は上本下本どちらにでも進路が取れるようですが。
18〜19時頃にも、貨物列車(278列車)が30分くらい停車している間に、上下列車の行き違いが設定されています。
こんなダイヤが設定されていることを当時知っていたら、見てみたかったです。信号も転てつ器もみんな手動、その上閉そくも非自動ですから、駅員さん総出で作業をしていたのでしょうね。
投稿: NZ | 2020年8月17日 (月) 18時56分
NZさん
時刻表1975年11月号の飯田線のページ(50.10.21訂補)によると、急605Mは鼎駅を通過の表示です。お説の通り運転停車ですね。
投稿: クモイ103 | 2020年8月17日 (月) 19時46分
地元の話題で盛り上がっていただきありがとうございます。
NZさん、鼎の交換の解説ありがとうございます。私の小さい頃の記憶でも、交換時に突込・後退・発車するのは上りだけでした。あまり話題にならないですが、「鼎は実はスイッチバック駅だった」わけです。
市田の突込線ですが、時々貨車が1・2両置いてあったくらいの記憶しかありませんでした。NZさんの早朝のパズルは難しいですね。貨272が下本に入線すればそのまま下1へバックできますが、貨273が通過なのであれば、通票の通過授受は下本になるので、改めて272を上本に入れる必要があると思います。市田で交換できる程度の短編成なので突込線へ入れていた、が落としどころでしょうか。
なお市田は配線図にある通りスプリングポイントなので、通常は転轍機の操作はありません。当時、15時前後に下りと上りの「こまがね」がそれぞれ上本・下本に入って普通を追い越すダイヤになっており、その時は駅員が転轍機を操作していたのを記憶しています。
投稿: こまがね伊那天竜 | 2020年8月17日 (月) 21時59分
>北東航21様
返信頂きありがとうございます。私も偶々思い付いただけで(汗)中々珍しい取り扱い、一度体験してみたいものです。
こうやって皆様の知識や情報を拝見出来る場を設けて頂いている管理人様にも感謝ですね。
皆様これからも宜しくお願いいたしますm(_ _)m
投稿: しげぞう@ | 2020年8月18日 (火) 15時02分
皆様、多くのコメントありがとうございます。
>鼎駅のスイッチバック
旧国鉄でいえば熊ノ平や奥中山周辺と同じですね。飯田線でもそのような取り扱いがされていとは知りませんでした。市田駅でも行われていたのでしょうか。他の駅でも?他の旧国鉄線区でも?
>下山ダッシュ
飯田線ならではですね。面白い情報ありがとうございます。
>鼎駅での列車交換
必ず上り先着であれば下りの突込線はなくてもOKのような気がしますが、突込線なしで有効長59mでホーム長80mとなるとちょっと不思議ですね。
>市田駅の貨物待避
想像ですが272列車は下本到着後下1または下2にバックして待避では? 但し273列車は上本通過が前提ですが(汗)。
似たようなケースで拙ブログの「沢渡 1988/8/2 動画」のような例があるもので・・・。
投稿: f54560zg | 2020年8月19日 (水) 19時30分
飯田線は元買収私鉄であった関係から飯田市内だけで毛賀から市田迄11駅存在するのは異常な雰囲気ですね 線路がうねるのは等高線沿いに線路を敷設してるのっでしょう
投稿: yyoshikawa | 2020年8月20日 (木) 13時14分
>市田駅の貨物待避
272は通過する273と交換の形で6:36に出発していますので、必然的に80mに収まる編成長のはずです。それを下本へ入れてしまうと、6:12に交換する2501M(急行天竜)を本屋と反対側の上本に入れねばならず、乗客には不便です。突込線はさらに短いので、機関車+ワフ程度なら突込線に入れ、それより長ければ2501M発車後飯田方引き上げ~下1へ退避かと思います。そのあとの273が運転停車せず通過ならば下本を通過(通票授受)するしかないので、272を下1に入れると、再度飯田方へ引き上げ、上本へ入れる必要があります。地元ですけど見たことがないので推測です。
>飯田市内の駅
今飯田市内の駅は金野から元善光寺までの15駅で、そのうち本当の旧市内にあるのは飯田と桜町、あとは昭和から平成にかけて合併した旧村・町の駅です。旧市内を通すために下山村あたりから25‰を連ね、Ωカーブも入れてやっと登り切って飯田駅、という線形ですね。
なお下市田・市田は飯田市ではなく高森町ですので、訂正させていただきます。
投稿: こまがね伊那天竜 | 2020年8月20日 (木) 23時49分
>市田駅の貨物待避
そうですね、その可能性もありますよね。飯田線のの貨物列車の入換作業はとても興味深いと思います。
投稿: f54560zg | 2020年8月23日 (日) 10時32分