通票鎖錠装置
以前の西名古屋港配線図の記事に対し、しげぞう@さんから通票鎖錠装置についてのコメントをいただきました。
この装置については私も実際には見たことはないので大したことは書けないのですが、文献を参考にしつつわかる範囲で記事にしてみました(汗)。
【目的】
まず通票鎖錠装置の 目的から(笑)。
目的は、やっぱり合理化でしょうね。閑散線区での人件費と設備の維持管理費の削減でしょうか(あくまで個人的見解ですが)。
例えば下のような配線の駅があったとします。通票閉そく式の閑散線区の駅です。
貨物側線の分岐があるため通常であれば場内・出発信号機を設けなければなりません。しかしながら1日に1回か2回しかない入換作業のために信号取扱者を配置したり信号設備の維持管理を行うのはもったいない・・・、ということで
このように通票鎖錠装置を設置して列車乗務員が転てつ器の取り扱いを行うようにし、地上側の要員と信号設備を省略しようとするものだと思います。
【機能】
この装置に求められる機能は、
①通常は転てつ器を定位(本線側)に鎖錠するものであること。
②入換を行う列車が到着したとき、その乗務員のみが転てつ器を解錠できるものであること。
③入換終了後に乗務員が転てつ器を鎖錠するのを失念したとしても、その列車より後の列車が当該区間に進入するのを防止できるものであること。
といったところでしょうか。
【具体的手段】
実際のメカニズムを見てみます。参考資料は原英雄著「鉄道実務受験講座運転保安装置」です。
通常はこの状態です。
鎖錠かんの一端は転てつてこに、他端は先端軌条に接続されています。
鎖錠かんの凹部が鎖錠子と係合しており、転てつ器は鎖錠されています。
入換を行う列車が到着し、乗務員が通票を通票皿にセットします。
そのまま引手を押し込みます。
引手を完全に押し込むと通票の外周に沿ってローラーが移動します。ローラーは鎖錠子に固定されていますので、ローラーと共に鎖錠子が移動することとなります。
鎖錠子が移動すると鎖錠かんとの係合が外れ、転てつ器が解錠されます。
通票をセットしていなくても引手は押し込めますが、鎖錠子が動かないため転てつ器は解錠されません。
転てつ器を反位に転換すると鎖錠子は動くことができなくなり、その結果鎖錠子の下部と係合する引手は引き出すことができなくなります。
図では省略していますがこの状態では通票はカバーの下に隠れており、通票を取り出すこともできません。通票を取り出すには引手を引き出す必要があります。
通票を取り出す手順はこれの逆になります。
入換が終了して転てつ器を定位に戻すと鎖錠子が解錠され、引手を引き出せる状態になります。
引手を引き出して通票を取り出します。
通常は定位に鎖錠されている転てつ器を必要な時だけ解錠するには、単純に転てつ器にカギをかけておけばよいわけですが、前述の通り最後にカギをかけ忘れる恐れがありますので、カギとして通票を利用するところがミソですね。運転開始時には通票の携行を確認するでしょうから、カギのかけ忘れを防止できます。
まあ、最悪は次駅に到着して初めて通票を携行していないことに気づく、なんてこともあるかもしれませんが、少なくとも他の列車がこの区間に進入することは防止できますね。その後の処理は面倒なことになりそうですが。
【その他】
・通票は通常のものとはちょっと違うという説もあるのですが、具体的にどこがどう違うのかはわかりません。通票鎖錠装置の中でローラーが通票の外周を摺動するので、そのあたり(摩耗とか?)を考慮したものでしょうか。
・言うまでもありませんが、この装置は通票閉そく式、票券閉そく式、通票式の区間でしか使用できませんし、通券では解錠できません。
・転てつ器は鎖錠されていたとしても側線から本線に車両が出てきたら事故になります。地上側に要員がいませんので車両の転動防止は必須です。
【実例】
配線図から通票鎖錠装置が確認できる例を2つ。
釜石線矢沢駅。1977年4月です。
それと、何の役にも立ちませんが、
日中線熱塩駅。1979年7月です。赤丸部がソレのはず(汗)。
お詳しい方、コメントお願いします(汗)。
配線図は3RT生さん、T.Mさんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
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駅ではそこまで行くときは、
次の駅に連絡し通票を取り出せるようにし、
取り出してから機関士に持たせその分岐まで行き、
解除し入換を行い、
終了後元に戻し、
機関士が通票をもって駅に戻り、
その通票が元駅の通票発行機にもどったことを確認し、
それから次の駅に終了報告しないと、
次の駅は列車を出せないって事でいいのでしょうか?
投稿: ゆかわあきら | 2020年5月30日 (土) 20時51分
西名古屋港線だと、
入れ替えが終わったら笹島に戻ったのか、
そのまま西名古屋港に行ったのか気になりますね。
投稿: ゆかわあきら | 2020年5月30日 (土) 21時02分
釜石線矢沢駅は、連査閉そく式の区間に設置された通票鎖錠装置ということになりますから、かなり破格ということになりますね。
東北新幹線の建設工事の資材搬入のために仮設された側線のようですから、矢沢駅を連動駅にする、そのために閉そくの境界駅になる、連査閉そく装置を新設するという一連の工程を嫌ったものと推測します。信号要員も配置しなければならなくなりますからね。東北新幹線の工事誌でも入手してみると書かれているかもしれませんね。
昭和54年(1979)10月1日改正の釜石線のダイヤでは、矢沢駅は職員無配置停車場(業務委託駅)となっています。
新日鉄釜石から鉄筋やレールなどの資材を搬入すると仮定すると、土沢駅似内駅間の閉そくの扱いをした後、土沢駅で通票を機関士に渡し、列車は出発。矢沢駅で通票を使用して入換をした後、土沢駅に戻った機関士から通票を駅に返納、土沢駅似内駅間の閉そくを解除する。といった手続きになるのかと考えられます。
投稿: NZ | 2020年5月30日 (土) 23時06分
管理人様
こんばんは。私ごときの質問の為に、わざわざ記事を作成して頂きありがとうございました。通票鎖錠装置付転てつ機の仕組みがよく理解できました。なるほど、よく考えられた仕組みだと納得感心しました。
最後の熱塩駅の写真ですが、機回しする時にポイントを操作するため、ただの鍵を使った鎖錠をせずに、通票鎖錠装置付転てつ機を使用したのでしょうか?
今回は本当にありがとうございました。
投稿: しげぞう@ | 2020年5月31日 (日) 04時00分
>ゆかわあきら様
私が読んだブログの記事では、西名古屋港から笹島に向かう列車のみ、途中の中部鋼鈑という場所で通票鎖錠装置付転てつ機を使用していたようで、入れ替え作業終了後はそのまま笹島方面に向かったと記録されていました。(逆の笹島から西名古屋港行の貨物列車でこの扱いが行われていたのかは、残念ながら記録されていませんでした。)
駄文失礼致しました。
投稿: しげぞう@ | 2020年5月31日 (日) 04時05分
ゆかわあきらさん
>次の駅に終了報告しないと列車を出せない
そう思います。
NZさん
>連査閉そく
そっかあ、釜石線は連査閉そくでしたか。スミマセン、気づいていませんでした(汗)。通票戻し忘れても閉そくを解除しちゃいそうですね。
>しげぞう@さん
結局は最後のカギのかけ忘れ防止だと思います。カギをかけ忘れると不届き者が転換してしまうかもしれませんし。
投稿: f54560zg | 2020年5月31日 (日) 19時28分
こんばんは。
熱塩駅の喜多方側のポイントに用いられていた装置の件、興味深く拝読しました。スプリングポイントでも良いのではと思いましたが、この装置の方が適切だったのでしょう。
写真を拝見して思ったのですが、雪の季節、タブレットを入れる部分に雪が入り込んで凍り付いたりすることはなかったのか、心配になりました。
投稿: やわやわとまれ | 2020年5月31日 (日) 22時51分
通票を使わない信号方式で、
途中でこのような引き込み線がある場合、
ここまで管轄する駅構内に含めているのか?
別にその専用線に接続するためだけの信号場として扱っているのか?
どちらの例が多いのでしょうかね?
投稿: ゆかわあきら | 2020年6月 3日 (水) 00時17分
やわやわとまれさん
お久しぶりです。
>スプリングポイント
確かに。スプリングポイントにして転換てこをロックしてしまってもよさそうな気がしますね。南京錠で固定している例はあちこちで見かけますし。
ゆかわあきらさん
断言はできないのですが、信号機がない以上駅構内でも独立した信号場でもないような気がします。列車ダイヤ上ではどのように表現されるのでしょうか。
投稿: f54560zg | 2020年6月 3日 (水) 19時26分
こういう場合、
A駅からB駅に向かう貨物列車で、
途中のC地点にA駅所属の引き込み線があったとすると。
列車の発車時間はA駅の時刻ではなく、
A駅所属のC地点で入換終了し出発が可能な時間だと思うんです。
つまり、A駅出発の時間と、C地点の到着並びに出発時間が機関士のスタフに書いてあるような…。
紀三井寺の駅の本州化学がこれに近いことしてるので参考なるのかも?
投稿: ゆかわあきら | 2020年6月 5日 (金) 00時06分
伯備線倉敷駅の場合は、通票を携帯するものの倉敷駅から操車掛の誘導であり、作業後はまた倉敷駅へ戻っていました。
結局は倉敷構内のような考え方ですね。通票を携帯したのは操車掛で、現場の解錠と転てつ作業は操車掛が行っていました。
列車ではないとすれば時刻設定があったのか疑問です。それにしても大きな列車間合いが必要です。
別件ですが、60年前の話。
福塩線の駅家駅は単線の棒線駅で信号機はありません。しかし貨物取扱駅であり、側線と貨物ホームがありました。
列車が停車すると通票で解錠して入換を行っていました。配線上、作業ができるのは上り列車のみです。
投稿: | 2020年6月 5日 (金) 05時32分
上記はC6217です
投稿: C6217 | 2020年6月 5日 (金) 05時33分
みなさんチェック済みだとは思いますが、紀三井寺駅の話が出てきたので、このブログの
「貨物列車ネタ8(一方向からしか入れない駅) その5 紀三井寺」
の項を読み返していたら、つ さんが投稿に引用されているブログに、中部鋼鈑分岐点について詳しく述べられています。当時の乗務員の方が書かれているので、臨場感があります。
投稿: NZ | 2020年6月 5日 (金) 19時09分
通票鎖錠装置に関する規程類
運転保安設備基準規程(昭和40年3月 運逹第3号)
(停車場外の分岐)
第28条 次の各号に掲げる条件を備える場合は、停車場外の本線から側線を分岐することができる。
(1) 連査閉そく装置、通票閉そく装置、票券閉そく式又は通票式の区間であるとき
(2) 通票鎖錠装置を設けたとき
(3) 留置車両の転動により本線を支障しない設備としたとき
2 前項第1号の規定により、連査閉そく装置を設けた区間で、分岐する場合は、連査閉そく機と通票を収容する装置との間に連鎖を附さなければならない。
(通票鎖錠装置の設置)
第193条 通票鎖錠装置は、連査閉そく装置、通票閉そく装置、票券閉そく式又は通票式の区間における停車場外の本線にある転てつ器に設けるものとする。
(通票鎖錠装置の解錠)
第194条 通票鎖錠装置は、その区間の通票でなければ、解錠できない装置のものとする。
別表第1(第2条)
(30) 「通票鎖錠装置」とは、停車場外の本線の途中から分岐する転てつ器の鎖錠を通票により行なう装置をいう。
運転保安設備基準規程の制定の主旨及び概要について
第2 概要
1 閉そく装置について
(6) 停車場外の分岐の設置及び条件
停車場外の本線から側線を分岐する場合の閉そく装置及び条件を規定した。
4 連動装置その他について
(5) 通票鎖錠装置の設置
通票鎖錠装置の設置条件及び機能を規定した。
***
通票鎖錠装置が連査閉そく区間にあるのは、例外でも特認でもなかったんですね。
運転取扱基準規程、旧規程等については別途投稿します。
投稿: NZ | 2020年6月 5日 (金) 19時39分
皆様
多くのコメントありがとうございます。
通票鎖錠装置に関しましてはこの「通票鎖錠装置」の記事と「西名古屋港配線図」の記事
http://senrohaisenzu.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-f0bc.html
に分散してしまっており、ご不便をおかけしてしまっています(汗)。
ゆかわあきらさん
駅間での分岐の場合は、時刻表上はあたかも独立した停車場であるかのように扱われているようですね。もしC地点がA駅所属であればC地点はA駅構内ということになり、連動範囲となって通票鎖錠装置が設けられることはないと思います(A駅の出発信号機で転てつ器を鎖錠するので)。紀三井寺駅の場合はまさにこのケースで、一見駅間での分岐に見えますが実は紀三井寺駅の構内のようで、紀三井寺駅の出発信号機で転てつ器を鎖錠しているようです。
投稿: f54560zg | 2020年6月 6日 (土) 18時23分
運転取扱基準規程(昭和39年12月 運逹第33号)
(通票鎖錠装置付転てつ器の取扱い)
第110条 閉そく区間に対する通票で鎖錠する装置となっている転てつ器は、駅長、車掌又は操車掛が通票により、その鎖錠を開閉しなければならない。
***
この条文について『運転取扱基準規程逐条解説』(伊多波美智夫・著 日本鉄道図書 昭和40年)による解説を抜粋します。
【要旨】 通票鎖錠装置付転てつ器の取扱いを定めたものである。
【解説】 停車場間の途中から採石を輸送するとか、鉱石を輸送するとかの場合は側線を分岐しなければならないが、本線の途中からの分岐になるので、本来ならば最寄りの停車場から専用線を敷設するかあるいは分岐箇所を停車場としなければならないが、列車の運転の閑散な線区では、経費の節約を図るために安全を保てる方法を講じて、停車場間の途中から分岐することを認められている。安全を保つ方法としては、通票鎖錠装置が設けられているものがある。この取扱いは列車運転と密接な関係があるので最も正確に取り扱わなければならない。従って、その取扱者は、駅長、車掌又は操車掛と定められている。
通票鎖錠装置付転てつ器を取り扱うときは、閉そく区間両端停車場で閉そくを行なって通票を取り出し、これを機関士が携帯して列車が所定の扱いにより出発し、現地に到着したならば、駅長、車掌又は操車掛が機関士から通票を受け取り、これによって転てつ器を解錠し、転換するものである。使用後は、転てつ器を本線に開通して通票を抜きとれば、転てつ器は再び鎖錠される。
通票鎖錠装置が最も安全な方法と考えられるのは、側線に線路を開通して車両が側線に進入するときは、通票を使用して転てつ器を転換するので、閉そくを行なったままの状態にあり、他の列車をその区間には、運転することができない。また、列車の運転のために機関士が通票を携帯している間は、転てつ器を解錠することはできないというように側線と本線とで同時に列車又は車両を運転することができないようにしているからである。
この方法は通票閉そく式を施行する区間に設けられているが、現在、通票閉そく式を連査閉そく式に設備変更している区間では、連査閉そく機と通票閉そく機とを電気的に連鎖させ、連査閉そく式による閉そくを行なった後、通票を取り出して連査閉そく機を鎖錠する方法をとることとした。
*****
釜石線矢沢駅の分岐は、東北新幹線の工事の仮設線のために設けられたものと思われます。釜石線を連査閉そく式に改修したときに撤去した通票閉そく機を、似内、土沢両駅に昭和50年頃になってどこかから持ってきたのでしょうかねぇ。
投稿: NZ | 2020年6月 6日 (土) 19時24分
管理人様
こちらにも失礼いたします。
なんだか私の質問から騒動が大きくなってしまったみたいで…。
皆様からの詳しい解説や体験談等、本当にありがとうございます。
>NZ様
通票鎖錠装置付転てつ機の詳しい資料のご提供ありがとうございます。
この通票鎖錠装置付転てつ機と併合閉塞が同時に使われる事例とかはあったのでしょうか?併合閉塞を施行すると通票の形が変わるので、やはり同時は不可能だったのでしょうか?
もしよろしければご教示ください。
いつもありがとうございます。
投稿: しげぞう@ | 2020年6月 7日 (日) 03時38分
さらに以前の規程を見てみましょう。
運転取扱心得(昭和23年8月 逹第414号)
第95条 停車場外の本線の途中から側線を分岐している転てつ器であって、その閉そく区間に対する通票により鎖錠することのできる装置になっているものは、列車又は車両を側線に出入せしめるとき、駅長、車掌又は操車掛が通票によりその鎖錠を開閉しなければならない。
問 通票鎖錠装置の開閉を駅長が行う場合を問う。
答 通票搬送の設備をした箇所では、駅長が扱う。
*****
運轉取扱心得(大正十三年十二月逹第九一三號)
第八十條 本線路ノ途中ヨリ分岐スル側線ノ轉轍器ニシテ當該區間ノ通票ニ依リ鎖錠セラルル装置ノモノハ列車ヲ側線ニ出入セシムル場合ハ該通票ヲ以テ車掌之ヲ開閉スヘシ
*****
実際に、どれくらい設置されていたのでしょうか。いささか古いですが、
運轉取扱細則(昭和二十三年九月七日 門鐡逹甲第一八二號)
第九十七條 通票鎖錠轉てつ器と管理者は、次のとおりとする。
香椎 博多港 間 4K320M 仮第1号のイロ(昭26.10.1追加)
博多 筑前高宮 間 1K781M
段駅構内 (削除)
渡 人吉 間 49K900M (削除)
小城 東多久 間 8K731M
小江駅構内
肥前吉井 祝橋 間 2K250M
南大分 大分 間 138K977M 仮第1号のイ
竹中 中判田 間 131K515M (削除)
岩崎 香月 間 2K646M
小森分岐点 (管理者 岩崎駅長)
浅野側線分岐点 (管理者 呼野駅長)
呼野 採銅所 間 16K800M 仮第1号のイ
製鉄所側線分岐点 (管理者 呼野駅長) (削除)
古宮分岐点 (管理者 採銅所駅長)
中津原側線分岐点 (管理者 香春駅長)
土工線分岐点 仮第31号 (管理者 妙見駅長) (昭27.7.4追加)
入水側線分岐点 (管理者 船尾駅長) (削除)
豊前大熊駅構内 (管理者 金田駅長) (日付不明 追加)
※元の表には、設置箇所、轉てつ器番號、鎖錠器種別、管理者が記載されている。設置箇所、轉てつ器番號(番号に仮を含むものに限る)及び管理者(設置箇所に駅名を含まないものに限る)を抜粋した。鎖錠器種別は全項目とも通票閉そく機の通票である。粁=K、米=Mと改めた。削除は手元の資料が昭和27頃までの改訂を手書きで行なっているので、その間に削除されたものと考えられる。
*****
門鉄管内には筑豊炭田があるからなのか、また時代によるものなのか、かなりの数の設置箇所ですね。
*****
大阪鉄道管理局の運転取扱基準規程を手入力したサイトがあり、それによると昭和40年頃の同局管内には4箇所設置されていたようです。
投稿: NZ | 2020年6月 7日 (日) 11時55分
いつも楽しく拝見しております。
さて、関西本線月ヶ瀬口駅は元々通票鎖錠転轍機を使う亜炭搬出用の側線があって、後から駅が出来、そののち交換設備が設置されたようです。10年程前に現地を見に行きましたが、加茂方は結構な勾配で入換作業は大変だったのではないかと思いました。
「シーナリィ・ガイド」に往年の写真と構内の絵が出ています。
参考まで
投稿: 天鉄ヲタ | 2020年6月 7日 (日) 13時13分
NZさん
詳細な情報ありがとうございます。連査閉そく装置と通票閉そく装置の連鎖をどのように行っていたのか興味深いです。
天鉄ヲタさん
月ヶ瀬口は駅が開業する前から側線がもうけられていたのですか。情報ありがとうございます。
投稿: f54560zg | 2020年6月 8日 (月) 19時07分
管理人様 皆様いつもありがとうございます。
NZ様貴重な資料ありがとうございました。
門鉄局には、沢山あったのですね。NZ様ご推察のように炭田が数多くあったことが理由のような気がします。
当時のダイヤグラムが有ったらまた楽しい発見が出来そうですね。
ありがとうございました。
投稿: しげぞう@ | 2020年6月11日 (木) 01時42分
古い資料を見てみましょう。
『新鐡中心 實用運轉法規』(二宮 成彦・著 交友社 昭和15年11月発行)
資料の説明:タイトルの新鉄中心とは、新潟鉄道局の規程を中心とするという意味です。規程の解説書はたいてい本社規程を対象とするものですが、この本は局レベルの規程を取り上げている珍しいものです。また、巻末に「新鐡中心 鐡道防空法規」が掲載されています。
※以下、漢字及び仮名遣いは現代通用のものに改めます。
108ページ
111.通票鎖錠転轍器の取扱方
通票鎖錠装置の転轍器は一般に本線路の途中から分岐する砂利線等の分岐点に設けられ、当該区間の通票を鍵としなければ之を転換することの出来ない装置を施したもので、列車を側線に出入させるには車掌又は操車掛は機関士から通票を受け取り下記に依り取扱うのである。尤も下記の取扱方中尖端軌条及外筐の施錠、解錠は停車場外では保線係員が行うのである。
(1)尖端軌条及外筐の鎖錠を解き、次に抽き出しを引き出し之に通票を納入して押入れ、転轍器を反位に転換すること。
(2)転轍器の使用を終ったときは之を定位に復し、尖端軌条を鎖錠した上抽き出しから、通票を取出して抽き出しを原の位置に押入れ、外筐を鎖錠した上通票を機関士に返付する事。
(3)鎖錠用鍵は該転轍器の管理者即ち駅長又は線路分区長に於て保管し、使用の都度、車掌、操車掛又は保線係員に交付すること。
(心得第80条、昭12.7新鉄逹甲第551号通票閉塞器式の通票に依り鎖錠せらるる装置の転轍器取扱方)
*****
鎖錠装置を外筐で覆うのは、雪国ならではなのか、というと必ずしもそうでもなく、先日ご紹介した門鉄の運転取扱細則には、
第九十七条の二 通票鎖錠転てつ器み覆のあるものはその覆にその覆のないものは尖端軌条を転てつ器鎖錠金具で締付鎖錠を施しその鍵は管理者が保管して置かなければならない。(後段省略)
とありますから、九州でも覆がついてることがあったようです。
投稿: NZ | 2020年6月11日 (木) 17時24分
NZさん
大変貴重な情報ありがとうございます。
それによれば、通票を装置に出し入れする以外にも鍵を使用して①先端軌条②外筐の解錠・鎖錠を行うということになろうかと思うのですが、そうなると通票を使用する意味合いが薄れていくような気が・・・(汗)。
投稿: f54560zg | 2020年6月11日 (木) 21時25分
f54560zg さま
私も、現物を見てるわけではないので、なんとも歯切れが悪いのですが…
外筐と尖端軌条を施錠解錠する鍵は、閉そくとは関係がありませんので、この鍵では転轍器を動かすことはできない仕組みなのだと思います。
実際に転轍器を操作して尖端軌条を動かすには、他の列車が当該分岐点に向かって運転してくることがないことを保証する通票が必要なのだと思います。
*****
門鉄局の細則 第九十七条の二 の引用中
「通票鎖錠転てつ器み覆の」は、「通票鎖錠転てつ器に覆の」の誤りです。
ところで、後段省略と書きましたが、その後段は以下のように続きます。
保存担当者が検査修繕等のため鍵を必要とする時は管理者に保守作業簿に依り連絡し鍵の交付を受けるものとする。
引用中の「保存担当者」は「保線担当者」か「保守担当者」の誤りかもしれません。この条文は後から追加されたようで、手書きで条文を書いた紙を糊付けしてあります。その際の写し間違えかもしれません。
投稿: NZ | 2020年6月12日 (金) 18時10分
すべてはここから始まった!?
通票鎖錠装置についての規程はここまで遡れるようです。
『國有鐡道建設規程 解説』(鐡道大臣官房研究所編纂 鐵道技術社・印行 昭和4年8月)
資料の解説:国有鉄道建設規程が昭和4年7月鉄道省令第2号で改定され8月1日から実施されました。
この解説は規程の「改正に際して其の精神を解説して本規程の實施に便し、併せて将来改正する場合の参考に資」するために書かれたものです。
この中で旧規程と言われているのは、大正10年10月に改定された規程をさします。
※規程本文は原文どおり漢字カタカナで、解説は現在通用の漢字仮名遣いに改めました。
第2章 線路
第11節 分岐及平面交叉
第40條 本線路ニ於ケル分岐ハ停車場内又ハ信號所ニ於テ為スコトヲ要ス但シ側線ヲ分岐スル場合又ハ貨物列車ノミヲ運轉スル本線路ニ於ケル分岐ニシテ特別ノ事由アル場合ニ限リ相當ノ保安設備ヲ為シ之ニ依ラザルコトヲ得
解説 旧規程では停車場外で本線路から本線路を分岐することを絶対に許さなかったが、本規程では信号所を設けて停車場と同様に常置信号機で防護すれば停車場外でも分岐することを許すことにしたのである。
本条但し書は砂利線、工場専用線の様な側線を分岐する場合又は貨物列車のみを運転する本線路から本線路を分岐する場合に限り、単線では通票鎖錠装置、複線では電気鎖錠装置の様な簡易な装置を分岐転轍器に設ければ必ずしも信号所を置かなくてもよいことにしたのである。
*****
前に引用した運転取扱心得は、大正13年制定ですので建設規程より古くなりますが、当初からあった条文か、追加された条文かはわかりません。
*****
通票鎖錠装置関係の規程は出発点まで遡れました。「閉塞の併合」については、項目として立てていただければ、関係する規程を載せたいと思います。
投稿: NZ | 2020年6月12日 (金) 18時29分
閉塞の併合は楽しみです。途中の停車場が無くなるのですから、運転士の携帯する時刻表はどういう表示になるのでしょう?
津山線で岡山~津山の併合を記憶しています。駅数も距離も相当のものです。
投稿: C6217 | 2020年6月12日 (金) 18時46分
NZさん
>鍵
通票と別の鍵を使用すると鍵をかけ忘れても気づかないのでは?という点が引っかかのですが、最悪かけ忘れてもその後の列車の運行には支障ないという判断なのかもしれませんね。
>閉塞の併合
難問ですね(笑)。
投稿: f54560zg | 2020年6月13日 (土) 16時49分
C6217様 併合閉塞の件
>途中の停車場が無くなるのですから、運転士の携帯する時刻表はどういう表示になるのでしょう?
私もこの件は気になってしまいました。1998年に木次線乗り歩きの際、出雲三成駅で信号機に「×」印が点灯していたことを覚えています。
当時撮った写真の中に信号機の「×」印のものはあるのですが、運転士の時刻表を撮ったはどこに行ったのやら・・・。
と思ったら、オークションサイトでこんなものを見つけました。
http://ginga21.jp/auction/item/sold/27572
敦賀第一機関区の運転士時刻表で、併合閉塞の記載のあるものが出品されていました。
基本的に通常の運転士時刻表を使用しており、一番下の記事欄に「閉そく区間併合運転」の押印があります。駅名欄には通常の「タマ」の形が書かれていますが、その左運転時分の欄に青色の矢印で併合区間と「タマ」が記入してあります。
正式な書式かどうかはわかりませんが、一例として参照下さい。
投稿: 480042 | 2020年6月21日 (日) 15時41分
480042さん
貴重な併合閉そくの実例の情報、ありがとうございます。
投稿: f54560zg | 2020年6月21日 (日) 20時42分
480042さま。ありがとうございます。実物を初めて見ました。
投稿: C6217 | 2020年6月23日 (火) 19時04分
併合閉そくの話になってきましたね(苦笑)
私も、いろいろなサイトを見ていたところ、併合閉そく区間の運転時刻表を載せているサイトを見つけましたので、ご紹介します。(当該サイトの承諾をいただいています)
その名も「運転時刻表ギャラリー」で、URLは
http://ef58.net
です。トップページから、
運転時刻表>新宮運転区>急行紀伊②
とたどってください。
津〜亀山間が併合閉そく区間で、この運転時刻表では、右側の注意事項欄に、票券閉そく式での通票の形が記載されています。また、下部の列車別注意事項欄にも記載されています。
多気駅の注意事項に、「通票三方向に付 確認方特注」というのが目を引きます。参宮線の通票と間違えて受け渡しする事故があったのでしょうね。
他のページの運転時刻表も、見どころがあります。
以上、ご紹介まで。
投稿: NZ | 2020年6月23日 (火) 22時06分
NZさん
ご紹介ありがとうございます。
このような資料は貴重ですね。
投稿: f54560zg | 2020年6月27日 (土) 19時08分
『運転取扱細則』(大阪鉄道局 昭和25年6月15日)というタイトルの冊子に記載されている「運転取扱細則」(昭和22・3 大達甲 43)に、通票鎖錠器付転てつ器の規定がありました。
*****
第74条 通票鎖錠器付転てつ器の設けてある箇所及びその管理者は、次のとおりとする。
※以下、表組みで線名、設置箇所、箇数、管理者が並んでいます。線名、設置箇所を抜粋します。原文の旧漢字を通用の漢字に改めます。
福知山線
惣川駅構内転てつ器
黒井市島間井手鉱業会社春日鉱山専用側線分岐転てつ器
神戸港線
東灘神戸港間神戸製鋼所専用鉄道分岐転てつ器
湊川駅構内中央突堤線分岐転てつ器
和田岬線
兵庫駅構内川崎車両会社専用鉄道分岐転てつ器
神戸工業株式会社専用側線分岐転てつ器
兵庫和田岬間工業組専用側線分岐転てつ器
同 鐘淵工業会社専用側線分岐転てつ器
(大甲167 25・6・30 で削除)
播但線
青倉駅構内転てつ器
山陰線
養父八鹿間上網場連絡所転てつ器
柴山駅構内転てつ器
宝木浜村間土取場側線分岐転てつ器
淀江伯耆大山間砕石場側線分岐転てつ器
伯耆大山米子間日野川砂利線分岐転てつ器
海舞鶴線
西舞鶴海舞鶴間飯野産業会社築地専用側線分岐転てつ器
中舞鶴線
東舞鶴中舞鶴間舞鶴倉庫専用鉄道分岐転てつ器
同 日本海興業専用鉄道分岐転てつ器
同 衣糧側線分岐転てつ器
宮津線
西舞鶴四所間大和紡績高野専用側線分岐転てつ器
山陰連絡線
丹波口駅構内機関区線分岐転てつ器
関西線
島ヶ原大河原間高山専用側線分岐転てつ器
片町線
祝園田辺間三山木連絡所転てつ器
*****
門司鉄道局の資料もそうでしたが、終戦後間もない時期だからでしょうか、各地に設置されていたようですね。
大阪鉄道局の管内は、米原以西、亀山以西、松尾寺以西
石見太田以東、三石以東、播州赤穂以東、姫新線上月以東、因美線那岐以東、伯備線上石見以北、木次線出雲坂根以北
です。(閉そく方式の規定から引用者が作成)
投稿: NZ | 2020年9月 6日 (日) 17時45分
管理人様 皆様 いつもありがとうございます。
NZ様
また詳しい資料をありがとうございます。
全くの素人質問で申し訳ないのですが、一つご教示頂きたいのです。構内にある通票鎖錠装置付転轍機とは、一体どのような物でどのような役割があるのでしょうか?
構内作業をする上で、当該の転轍機には通票をもって作業するという事でしょうか?
もしよろしければ宜しくお願いいたします。
投稿: しげぞう@ | 2020年9月 7日 (月) 17時07分
追記
もしかしたら、件の新日鉄みたいなものでしょうか?
スレ汚しで申し訳ないですが、宜しくお願いいたします。
投稿: しげぞう@ | 2020年9月 7日 (月) 17時12分
実際に取り扱っていた方がいらっしゃればいいのですが、
調べてみた限りでの各駅の状況です。
福知山線惣川駅
現在の宝塚駅の福知山方にある留置線です。かつては、ホッパなどもある貨物駅だったようです。こちらのブログの宝塚駅の項と、WikiPediaに詳しく載っています。
神戸港線、和田岬線
こちらのブログに配線図が載っています。
播但線青倉駅
この駅は、閉そくの境界駅ではない駅のようです。そして、駅の近くに川が流れていて、空中写真を見ると、いかにも砂利の採取をしているイメージです。運転扱い上は、停車場間から分岐する側線そのものでしょう。
山陰線柴山駅
この駅は、交換可能駅だった時期もあるようですが、現在は交換できない駅になったようです。なので、昭和20年代には、青倉駅同様閉そくの境界駅でなかったかもしれません。空中写真を見ても何のための側線かは判然としません。
関西線 島ヶ原大河原間高山専用側線
島ヶ原と大河原の間に昭和26年に月ケ瀬口駅が開業しています。月ケ瀬口駅とこの高山専用側線とは何らかの関係があるように思うのですが。
片町線 祝園田辺間三山木連絡所
田辺は現在の京田辺駅。祝園田辺間には、現在、 祝園 - 下狛 - JR三山木 - 同志社前 - 京田辺と3駅が開業している。JR三山木は以前は上田辺駅だった。この駅と、三山木連絡所は関係があるのでしょうか?
そもそも、連絡所とはなに? 養父八鹿間上網場連絡所というのもありますね。古い規則には出てくるのですが、実態はわかりません。
以上、よく分からないだらけですみません。ご教示いただければ幸いです。
投稿: NZ | 2020年9月 8日 (火) 23時41分
最初の部に戻っての疑問です。
鎖錠装置へ差しむ通票の車別確認は何処で行うのでしょう? 異なる区間の通票を拒否する機能は絶対に必要だと思います。
この説明図では、通票の外形が正確であれば解錠できる、と読めます。
投稿: C6217 | 2020年9月 9日 (水) 10時33分
他の資料の図面からの推測ですが…
通票は、真ん中にあいた穴の形(丸、四角、三角、楕円)で種別を区別しますが、もう1箇所、通票の下端の切り欠き(この項の図面では、左端に相当する)も種別によって異なるので、通票の凹部と受け皿の凸部が合致しなければ、通票を受け皿にはめ込むことができないと思います。
投稿: NZ | 2020年9月 9日 (水) 20時23分
片町線 祝園田辺間三山木連絡所
Wikipediaの片町線の記事等からすると、旧日本陸軍の祝園填薬所(弾薬庫です。現在の陸上自衛隊祝園分屯地の場所)まで、片町線から引き込み線があったようです。戦後も、米軍に引き継がれていたようですが、現在では、引き込み線は廃止されています。(橋梁の遺構がしばらく残っていたらしい) おそらく、この引き込み線の分岐点が連絡所なのだろうと思われます。
投稿: NZ | 2020年9月 9日 (水) 20時30分
NZさま、ありがとうございました。もう少し慎重に考えれば質問せずに済んだのかも。
投稿: C6217 | 2020年9月 9日 (水) 22時22分
管理人様 皆様 いつもお世話になります。
NZ様、個々の詳しい解説ありがとうございました。
また通票の切り欠きのご説明もありがとうございました。
なるほど、出す側(つまり通票)と受ける側(転轍機の受け皿)を同じ形にして安全を担保しているのですね。細かいところですがまた一つ勉強になりました。
また宜しくお願いいたします。
投稿: しげぞう@ | 2020年9月10日 (木) 00時15分
NZさん、天鉄ヲタさん情報ありがとうございます。
>片町線 祝園田辺間三山木連絡所
1980年前後、気動車時代の片町線に何度か乗った事があります。謎の側線跡があるのを見つけ、知り合いのファンの方に尋ねた事があり、その様な話しだったのを思い出しました。Web上には、「川西側線」として結構情報があり、白黒で画像検索すると、連絡所と思われる建物や分岐器の様子の写真もありました。
>関西線 島ヶ原大河原間高山専用側線
地元近くなのに、初耳で興味深々です。天鉄ヲタさんの「シーナリィ・ガイド」の情報以外見つからず。検索しても、ここのコメントに行き着くのみです。国鉄時代なら月ヶ瀬口の駅員さんに聞けば、話の一つもあったと思うのですが。
投稿: moni5187 | 2020年9月10日 (木) 18時49分
>『運転取扱細則』
詳細な情報ありがとうございます。各地に存在したのですね。大きなトラブルや事故もなく活躍したんでしょうね。
投稿: f54560zg | 2020年9月10日 (木) 19時20分
終わったばかりの飯田線に戻って恐縮ですが、かつて伊那上郷駅にホームと並行して短い専用線があり、駅裏の製材所からチップを積み出していたのを覚えています。ここは信号のない棒線駅ですから、ひょっとすると通票鎖錠装置のついた分岐器だったかもしれません。
投稿: こまがね伊那天竜 | 2020年9月11日 (金) 00時01分
こまがね伊那天竜さん
可能性大ですね。
投稿: f54560zg | 2020年9月13日 (日) 09時21分
moni5187様
高山専用側線については『関西の鉄道』誌のどの号か忘れましたが、国鉄に入って関西本線で乗務実習をしたという方の回想に〝阿山側線〟という間違った名前で出てきます。あとは先述の通り『シーナリィ・ガイド』所収の交換設備設置前の1枚の写真しか、私の知る限り今のところ資料と言えるものは無いようです。
投稿: 天鉄ヲタ | 2020年9月21日 (月) 17時57分
管理人様 皆様 こんばんは。
今月発売の鉄道ジャーナル12月号に、過去作品の再掲記事があり、日中線熱塩駅が載っていました。
写真の転轍機の事がバッチリ紹介されており、通票を使って操作をする転轍機だったようですね。
投稿: しげぞう@ | 2020年10月26日 (月) 20時27分
しげぞう@さん
ご紹介ありがとうございます。買いですね。
投稿: f54560zg | 2020年10月28日 (水) 22時22分
こちらのブログでは、西名古屋港線の通票鎖錠装置付転てつ器から、話題が発展しました。
「名古屋鉄道管理局運転保安基準規程」(昭和41年3月28日名局長達第6号)に、ドンピシャな規程がありました。
以下抜粋します。
*****
第2編 運転取扱方 第2章 運転 第5節 転てつ器の取扱方
(通票鎖錠装置付転てつ器の取扱い)
第38条 本社規程第110条に規定する通票鎖錠装置は、木製外箱でおおい外箱及びせん端軌条は、常時鎖錠しておかなければならない。この場合せん端軌条は、転てつ器鎖錠金具で鎖錠するものとする。
2 前項の鎖錠用かぎは、管理駅長が保管するものとする。
第39条 通票鎖錠装置付転てつ器の鎖錠装置の開閉は、次の各号により車掌又は操車掛が取り扱うものとする。
(1) 車掌又は操車掛は、列車の出発する前に、管理駅長から鎖錠用かぎの交付を受けること。
(2) 転てつ器を転換する場合は、車掌又は操車掛は機関士から通票を受け取り、転てつ器鎖錠装置の外箱及びせん端軌条を解錠した後、通票鎖錠装置ひきだしにその通票を納入すること。
(3) 転てつ器は、分岐側線に列車の進入から進出まで反位にしておくことができる。この場合、その転てつ器を監視することのできないときは、そのせん端軌条を鎖錠すること。
(4) 転てつ器の使用を終わつた場合、車掌又は操車掛は、直ちにそのせん端軌条を定位に鎖錠して、ひきだしから通票を取り外し外箱に鎖錠を施した後、その通票を機関士に返還すること。
第40条 停車場外本線の途中から側線に分岐する通票鎖錠装置付転てつ器まで運転した列車が、側線内で車両入換えを終わつた後再び運転を開始する場合の出発合図は、車掌又は操車掛が通票鎖錠装置付転てつ器の定位に鎖錠されたことを確かめてから行うものとする。
第41条 通票鎖錠装置付転てつ器の設けてある箇所及びその管理駅長は、次のとおりとする。
<※表組 横に設置箇所、管理駅長の順に記載されています。ここでは箇所ごとに改行して示します。>
設置箇所
管理駅長
笹島 西名古屋港間
名古屋工場烏森1番線分岐点
笹島駅長
笹島 西名古屋港間
中部鋼板株式会社専用線分岐点
西名古屋港駅長
四日市 塩浜間
三菱化成工業株式会社専用線分岐点
塩浜駅長
<※この項のみ、朱線で抹消してあります。手元の資料は昭和45年3月15日付の検印がありますので、それ以前に廃止されたものと思われます。>
*****
本社規程110条とは、運転取扱基準規程第110条のことでしょう。
第110条 閉そく区間に対する通票で鎖錠する装置となつている転てつ器は、駅長、車掌又は操車掛が通票により、その鎖錠を開閉しなければならない。
この条は、職名の改正を経て国鉄最後の日まで存続しました。
第110条 閉そく区間に対する通票で鎖錠する装置となつている転てつ器は、駅長、車掌又は運転係(操車担当)が通票により、その鎖錠を開閉しなければならない。
*****
ブログを始めました。そちらにも掲載する予定です。
中味がもう少し揃ってからお知らせします。
まだ、表紙ページしかないんです(苦笑)
投稿: NZ | 2020年12月 8日 (火) 20時07分
管理人様 皆様 ご無沙汰です。
NZ様、正にズバリの詳しい規程をご紹介頂きありがとうございました。
某乗務員様のブログ記事と全く同じです(当たり前ですが)。
一つ発見したのは名古屋工場に入る箇所にも通票鎖錠装置付転轍機があったのですね!現在は恐らく無いと思いますが大体どのような辺りに有ったのでしょうね?
機会が有れば散策でも…(汗)
貴重なお話ありがとうございました。
また宜しくお願いいたしますm(_ _)m
投稿: しげぞう@ | 2020年12月 9日 (水) 11時50分
NZさん
貴重な資料ありがとうございます。
通票鎖錠装置付転てつ器の解錠はカギと通票の2重なんですね。通票を忘れることはないとしても、カギを忘れたら悲惨ですね。
投稿: f54560zg | 2020年12月10日 (木) 19時50分
ご無沙汰しております。
ツイッターでこんな画像を見つけました。
https://twitter.com/ChangXikou/status/1273559522066366465/photo/1
撮影場所はわかりませんが、通票鎖錠装置付転てつ器の写真のようですね。
投稿: 480042 | 2021年3月 7日 (日) 19時04分
2年も前の投稿にコメント失礼します。
通票鎖錠転てつ器を扱っている動画がyoutubeにアップロードされていますので、URL貼っておきます。
https://youtu.be/o_S7tgdY2zY
7:51〜になります。
投稿: メチャくさい | 2022年8月27日 (土) 01時23分
メチャくさいさん
貴重な情報ありがとうございます!
時間は2:03~ですよね。
投稿: f54560zg | 2022年8月27日 (土) 22時58分