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2020年5月 4日 (月)

釜石線配線図 その1(似内~土沢)

釜石線の各駅の配線図のご紹介の第1回目です。

まず似内(にたない)駅です。
1977年4月(※1)
01197704
・交換設備のある、普通の駅ですね。

1987年3月(※2)
01198703
・変化はありません。

2000年7月(※2)
01200007
・上り突込線が切り離されました。

前回の釜石線の歴史の記事でも触れました通り、花巻駅~似内駅間では改軌の際に線路の付け替えが行われています。これを空中写真で見てみます。
Usar14244019480515usar19311919481011a
・国土地理院地図・空中写真閲覧サービスのUSA-R1424-40(1948年5月15日撮影)とUSA-R1931-19(1948年10月11日撮影)をもとに加工を加えてあります。
・1948年撮影ですので付け替えからまだ5年ほどしか経過しておらず、762mm時代の線路がよくわかりますね。旧線上にあった鳥谷ヶ崎(とやがさき)駅は廃止されました。
・ところで、昔の空中写真を見ていますと、改軌の際の線路の付け替えはこの花巻駅周辺や遠野駅周辺以外にも橋梁やトンネル部分を中心にいたるところで確認することができます。「改軌」ときいて奥羽線や田沢湖線のようなイメージを持っていたのですが、どちらかといえば「線増」という表現の方が近い気がします。

 

続いて矢沢駅です。
1977年4月(※1)
02197704
・最初にこの図を見た時はちょっとびっくりしました。矢沢駅の貨物扱いは1961年に廃止されているハズなのに貨物側線が。しかも変わったカタチ。通票鎖錠装置付きですし。
・これも空中写真を見て「ハハ~ン」と思いました。
Cto706c362819761002
・国土地理院地図・空中写真閲覧サービスのCTO706-C36-28(1976年10月2日撮影)です。
・矢沢駅から分岐した側線は配線図と同じようにカーブして、まるで滑走路のようなものに寄り添います。よく見るとこの滑走路のようなものの正体は新幹線の高架橋っぽいですね。すなわちこの側線は新幹線工事の資材運搬用のようです。いわば事業用ですので貨物営業としては扱われないということですね。

1987年3月(※2)
02198703
・矢沢駅は駅そのものがなくなってしまい、代わって新幹線に接続する新花巻駅が登場します。書類上は矢沢駅廃止、新花巻駅新設ということのようですが、矢沢駅の移転・改称といった方が実態に近い気がします。

2000年7月(※2)
02200007
・変化はありません。

 

続いて小山田駅と土沢(つちざわ)駅です。
1977年4月(※1)
0304197704
・小山田駅は棒線駅ですが、ホームの形を見ると昔は貨物営業を行っていたのかもしれません。
・土沢駅は交換可能駅です。

1987年3月(※2)
0304198703
・変化はありません。

2000年7月(※2)
0304200007
・同様に変化はありません。

 

配線図は
※1印・・・3RT生さん
※2印・・・KASAさん
よりご提供いただきました。
ありがとうございます。

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バックナンバーはこちらからどうぞ。

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コメント

奥羽線田沢湖線の改軌のは建築限界や車輛限界は同一で軌間を広げた改軌でしたが 釜石線での改軌は762㎜軌間の岩手軽便鐡道線を改軌するのであるから建築限界車輛限界が軽便規格で有る為特に隧道に関しては拡幅工事の手間を考えると別線を建設した方が経済的である 軽便規格の為曲線半径がきつい区間も存在しており別線を建設した方が得策であったのです

yyoshikawaさん
そうですよね、ほぼ新線ですね。

似内駅は宮沢賢治の作品中に、ニタナイとして出てきた気がします。
~ナイ、というのはアイヌ語の影響がある地名でしょうか?

bad.Ⅳh-95さん
その通りです。「ニタッナイ(谷地の沢山あるところ)」が語源と思われます。他にも東北地方にはアイヌ語が語源とみられる地名がたくさんありますよ

yyoshikawa様
見当違いかもしれませんが、近鉄湯の山線も762㍉時代のルートを放棄して新設した区間があったと思います。確か、桜駅の周辺で大幅な付け替えをしていたと思います。

平安時代頃迄白河の関から先の東北地方は蝦夷地京の朝廷とは治外法権の地でした 蝦夷であるアイヌ民族の支配も当然あったから地名にアイヌ語由来の名が有りうるのでしょう

国有化された線では有りませんが熱海軌道は鐡道省熱海線建設時完全に別線ルートで建設されました
以前岩手軽便鐡道で画像検索していた時岩手軽便鐡道花巻駅のジオラマ模型画像を見つけました花巻電鐵も乗り入れて共同駅であった事がわかり尚且つ駅構内の様子がわかる優れ物です

岩手軽便以外にもナローの買収私鉄がありましたが、同様に腹付のような形で改軌が行われたのでしょうね。

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