行き先が違う車両を併結しているのに分割後も同じ愛称名で運転される列車 その3
前回の続きです。
最初に1990年8月時点です。
・DC急行の廃止が一気に加速し、同一愛称の多層建て列車は、系統としては上記だけになってしまいました。
・但し「踊り子」は上記を含め下りでは計3本が併結列車で、「丹後」も下りでは上記を含め計3本が併結列車です。
・舞鶴・宮津線関係は福知山線の電化により「丹波」が消滅してしまいましたが、全国で唯一、「丹後」だけが昔ながらのDC多層建て急行として頑張っています。
別の愛称を持つ多層建て列車も激減しました。すべてを列挙しても以下の系統しかありません。
・但し系統ごとの本数はそこそこあり、「かもめ」と「みどり」の併結列車は下りで7本です。「かもめ」は全部で下り21本、「みどり」は14本ですので、併結列車以外にそれぞれの単独列車もあります。
・宇多津周辺では岡山、高松、松山、高知、徳島の各方面を結ぶ特急が入り乱れているのですが、そのうちなぜか下りでは「しおかぜ3号・いしづち9号」のみが併結となっています。
・「谷川」は片道5本、草津は4本、あかぎは4本です。「谷川」と「草津」の併結は3本、「谷川」と「あかぎ」の併結は1本ですので、それぞれの単独列車もあります。
・このほか上りだけなので表には記載しませんでしたが、豊岡発宮津線経由京都行きの「丹後6号」と敦賀発小浜線経由京都行きの「わかさ」が西舞鶴~京都間で併結されます。この「わかさ」、下りは福知山発小浜行き(福知山~東舞鶴間普通列車)となっていて京都駅には顔を出しません。
続いて2014年4月。
・「踊り子」の併結列車は上記も含め下りは2本です。
・成田エクスプレスは全部で下り27本で、うち8本が単独、19本が併結です。終点はすべて成田空港ですが、始発は東海道線方面が大船、横浜、山手線方面が新宿、池袋、高尾、大宮と多岐に渡ります。
・「ひだ」に大阪編成が追加されたのはちょっとびっくりでした。
別の愛称を持つ併結列車は以下の通りです。
・長崎線関係は、「かもめ」が単独となり、「みどり」と新設の「ハウステンボス」がペアを組むこととなりました。「みどり」は下り16本、ハウステンボスは4本(定期のみ)で、「ハウステンボス」はすべて「みどり」との併結になります。これにより肥前山口での分割併合作業はほとんどなくなりました。
・山陰線の電化によりとうとう「丹後」が消滅してしまいましたが、福知山線電化により併結がなくなった「北近畿」(→「こうのとり」)に比べるとこちらは複雑さが残ります。「きのさき」は下り10本、「まいづる」が8本、「はしだて」が5本で、「きのさき+まいづる」が5本、「はしだて+まいづる」が3本です。従って「きのさき」、「はしだて」の単独はありますが、「まいづる」の単独はありません。また、「はしだて+まいづる」3本のうち2本はDCです。
・宇多津周辺も一気に複雑になりました。
「しおかぜ」「いしづち」はいずれも下り15本で、全列車併結です。但し宇多津での併合が11本、多度津での併合が4本なのがややこしい・・・。
「南風」は下り14本、「しまんと」は10本で、このうち3本が併結です。併合は宇多津が2本、多度津が1本です。
「うずしお」は下り17本で、このうち岡山始発の2本が岡山~宇多津間で「南風」と併結になります。
成田エクスプレスと昔の多層建て列車を同列に扱っていいものかどうかは悩みますが、一つの愛称の多層建て列車と複数の愛称の多層建て列車の違いは、うまく言葉では定義づけができないのですが、なんとなくわかるような気がします(汗)。
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コメント
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NEXこと成田エクスプレスは線路容量の関係かなとおもわれます。
単独のほうがJRとしては都合がいいのだけど、
成田~成田空港間や、
東京~千葉間は実質市川しか追い抜く駅がない。
(津田沼が可能なのかは知らないです。)
あれ?
かもめ+みどり+ハウステンボスってなかったでしたっけ?
記憶違いならいいのですが…。
電光掲示板がむっちゃ見にくい博多駅の表示の記憶があるのですが…。
投稿: ゆかわあきら | 2020年4月21日 (火) 00時16分
> 津田沼
快速が特急を退避していますよ。
> かもめ+みどり+ハウステンボス
あったと思います。但しf54560zgさんが紹介された時期とは異なるのでしょう。
投稿: クモイ103 | 2020年4月21日 (火) 07時18分
「ハウステンボス」の運転開始は1992年で、このときから3層建て「かもめ・みどり・ハウステンボス」が走り始めました。これは、2011年の新幹線の博多-新八代開業で鹿児島本線の線路容量が空いて「かもめ」「みどり」が単独運転できるようになるまで続いたので、ご紹介してくださった1990年・2014年の2つの時点の間に起きた出来事です。
> 「ひだ」に大阪編成が追加されたのはちょっとびっくりでした。
大阪-高山本線方面には、元は急行「たかやま」が走っていましたが、キハ85系導入後に臨時列車として特急「ひだ」が追加され、「たかやま」廃止時に「ひだ」の大阪編成が定期化されました。臨時時代の大阪発「ひだ」は「北アルプス」との併結になっていて、日によっては大阪発・名古屋発「ひだ」・新名古屋発「北アルプス」の3層建て列車になっていたようです(大阪「ひだ」定期化後の「北アルプス」は、名古屋「ひだ」と併結になり、2001年に廃止)。こちらも1990年より後、2014年より前に起きた変化です。
投稿: 旅の途中のとおりすがり | 2020年4月22日 (水) 20時28分
補足説明ありがとうございます。
NEX,京都発特急、長崎県関係に言えることは、
線路容量の関係で説明できそうです。
京都発の場合30分に一本にしてもよさそうに思えますけど、需要的に1時間に1本で足りると言っちゃ足りるんですけど、
なにより京都駅~大宮陸橋までの単線区間が相当なネックになっています。
この区間は嵯峨野山陰線とはるかも使いますからこれ以上増やしようがないんですよね。
線路も増やしようがないし。
投稿: ゆかわあきら | 2020年4月24日 (金) 00時02分
ゆかわあきら さま
車内からの観察では、山陰本線の京都の単線部分(正確には京都構内)は南側に側線が遊んで(?)います。これを利用して全体を南へ1線ほど移設すれば複線化は可能と思います。
JR西が落ち着いているのは、イザとなればいつでも出来るからという理由かと邪推しています。
投稿: | 2020年4月24日 (金) 10時16分
上はC6217です。
投稿: C6217 | 2020年4月24日 (金) 14時16分
皆様
>かもめ+みどり+ハウステンボス
時代の変化を追いかけるにはちょっと間隔が広すぎました。申し訳ありません(汗)。
投稿: f54560zg | 2020年4月25日 (土) 18時03分