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2019年7月24日 (水)

運転取扱心得 昭和32年大改正の趣旨

NZさんからいただいたコメントの、運転取扱心得 昭和32年大改正の趣旨のご紹介です。

以下コメントです。ところどころに私の個人的なコメントを追記しています(●印部)

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運転取扱心得 昭和32年大改正の趣旨

明治の鉄道国有化以降、国有鉄道で制定された運転取扱心得等は、管見する限り、次の5本があるようです。
1 明治43年 「列車運転及信号取扱心得」
2 大正13年「運転取扱心得」(大正13年12月逹第913号)
3 昭和22年「運転取扱心得」(昭和22年2月逹第60号)
4 昭和23年「運転取扱心得」(昭和23年8月5日逹第414号)
5 昭和39年「運転取扱基準規程」(昭和39年12月運逹第33号)
昭和39年規程は、改訂を繰り返しながら、昭和62年の国有鉄道最後の日まで、列車の運転を支えるルールとして、使われます。

今回ご紹介するのは、昭和23年心得が制定から約10年を経て、国有鉄道の近代化の進展とともに、従来の規定では対応しきれなくなった部分をまとめて改訂した、昭和32年大改正(昭和32年3月総裁逹第158号)の趣旨です。

出典は、『「交研」の運転取扱心得』(昭和32年4月5日発行・交通研究会 刊)です。

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改正趣旨及びその主要点
(昭和32年4月大改正について)

改正趣旨
現行の運転取扱心得は、昭和23年に制定されたものであるが、その後新らしく液圧式気動車の使用が行われ、その取扱を規定する必要が生じ、又昭和29年12月に実施された貨物列車の制動軸数割合調査の結果その保有割合の向上により、列車の組成条件、速度向上等について改正を要すること、並びに最近の修正希望意見によるものを含めて今回の改正を行ったものである。

改正要点
1.総則関係
(1) 駅務掛(特命)の適用方を定めた。
(2) 用語中車両称号規程の改正によるもの及び「制動軸割合」を加えた。

2.運転関係
(1) 小型自動連結器付気動車の回送の場合の組成条件を改めた。
(2) 停車場構内における線路閉鎖の取扱を規定した。これに伴い、線路閉鎖の全般的な取扱及び保守作業の取扱について改めた。
(3) 気動車の制動試験方を新たに定めた。
(4) 寒冷地帯における貨物列車の長時間停車時の制動取扱の緩和を認めた。
(5) 列車を場外停止させ場内信号機に接近した入換作業を行うときの時間的限界を定めた。
(6) 突放禁止の取扱を改め、連結注意の取扱方を定めた。
(7) 車両の種類別最高速度を規定した。
(8) 列車の速度について、制動軸数、組成車両の種類、標準こう配との関係を判然とさせた。
(9) 下りこう配における運転速度を向上した。
(10) 総括制御法による気動車の運転速度について追加した。
(11) 注意信号による制限速度は自動区間にのみ適用されることを判然とさせた。

●私もよく理解していなかったのですが、非自動区間における注意現示では「次の信号機が停止信号であることを予期」すればよいのですね。

3.閉そく関係
(1) 閉そく準用法又は無閉そくによる場合の区域を判然とさせた。
(2) 票券閉そく式又は指導通信式施行区間で車両を遺留した場合の通票、通券又は指導者、指導券に対する取扱を明示した。
(3) 通票式に次の取扱を新たに加えた。
イ、車両遺留と通票の処置
ロ、車両逸走と通票の処置
ハ、通票無携帯に気付いた駅長の処置
二、通票無携帯で運転した列車の処置
ホ、通票落失時の処置

●この時点でもまだ通票式は正式には認められていないようですね。

(4) 閉そく準用法による列車はすべて停止列車として取り扱うことを新たに定めた。

4.鉄道信号関係
(1) 注意信号の現示する条件を自動、非自動区間別に判然と分けた。
(2) 通過信号機の不良は予告を建前とすることとし、関係取扱を改めた。
(3) 後部補助機関車の機関士等の信号注視の取扱方を実情にそう様に改めた。
(4) 推進運転合図を車掌が行う場合の取扱条文を統一した。
(5) 代用手信号現示合図は、電話等の通告によってよいことを認めた。
(6) 移動禁止合図を行う場合の取扱を改めた。
(7) 入換合図器に「突放」の表示を追加し、これに伴う関係条文を改めた。
(8) 入換機関車標識の掲出方について条文を整理した。

5.事故の処置
(1) 第3種防護に気動車の最後部前照灯の点滅を認めた。
(2) 不時退行列車が停車場に進入する場合、あらかじめ進入すべき信号の現示について通告を受けたときは、一旦停止をしなくてもよいこととした。
(3) 乗務員が線路故障を発見したときの防護方を改めた。
(4) 濃霧運転及び吹雪運転の駅長専決を認めた。
(5) 踏切警報機が使用不能時の臨時措置方について関係条文を改めた。
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●改訂版であるせいか、どちらかと言えば細かい内容について整備されている印象です。現場からいろいろと突っ込まれたところもあったんでしょうね。

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