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2017年7月19日 (水)

貨物列車ネタ2(向きを変える列車) その2(高崎・仙台・陸前山王・本郷台)

前回の続きで「向きを変える列車」、その2です。

 

1.高崎駅と安中貨物
俗に安中貨物と呼ばれている泉駅~安中駅間の鉱石輸送貨物列車。現在は常磐線~高崎線経由ですが、昔は水戸線~両毛線経由で(その頃の動画はこちら)、このため高崎駅以南のどこかで向きを変えなければなりませんでした。
フツーに考えると高崎操で向きを変えるのが自然な気がしますが、前回の記事の長岡操・大宮操と同様高崎操の配線では列車の折り返しが不可能なため高崎駅で向きを変えていました。
'92貨物時刻表では水戸線~両毛線経由で掲載されていたものが2002貨物時刻表では常磐線~高崎線経由に変わってしまい、高崎駅での折り返しはなくなってしまいました。しかしながら泉発安中行きは田端操経由、安中発泉行きは武蔵野線経由という、妙なナゾが残されています。

 

2.仙台駅
1961年(昭和36年)に長町~東仙台間の貨物支線およびその貨物支線上に宮城野駅が開業し、これを機に仙台駅は貨物列車とは疎遠になりました。しかしながら専用線での貨物取り扱いはその後も続いており、また仙山線の貨物列車も顔を出していました。仙山線の貨物列車は塩釜港方面を発着としていたため、仙台駅で方向転換が行われていました。
'92貨物時刻表では5往復の仙山線貨物列車が仙台駅で向きを変えていましたが、2002貨物時刻表ではすべて廃止となっており、仙台駅での折り返しは消滅しています。

 

3.奥羽線改軌と陸前山王駅
山形新幹線開業に伴う福島~山形間の改軌により、それまで宮城野~福島~山形間に運転されていたコンテナ列車が運転できなくなってしまいました。このため仙山線に運転経路を変更して貨物輸送自体は存続させることになったわけですが、この結果として陸前山王駅での折り返しが生じることとなりました。つまり、宮城野~陸前山王~仙台~山形という経路で貨物列車が運転されたわけです。
'89貨物時刻表では福島経由で2往復の貨物列車が掲載されていましたが、'90貨物時刻表では2往復のまま仙山線経由となり、2002貨物時刻表では消滅してしまいました。

 

4.本郷台駅
スミマセン、これはちょっと自信がありません。かすかに、「湘南貨物駅が開業した際、横須賀線貨物列車を湘南貨物駅に入れるために大船駅の東京寄りに立体交差を設けて横須賀線~大船~本郷台~大船~湘南貨物というルートを確保した」という記憶がありました。つまり本郷台駅で貨物列車の向きを変える、ということです。
しかしながら手持ちの時刻表を見る限りは横須賀線と湘南貨物駅を結ぶ貨物列車は確認できませんでした。
しかしながら'80貨物時刻表では、大船~本郷台~大船~湘南貨物という妙な列車が1往復掲載されています。この貨物列車、大船駅の根岸線ホームに発着していたということでしょうか???

 

 

 

貨物時刻表を見ていますと上記以外にも金町駅新小岩操田端操、桐生駅、塚口駅、岡崎駅東成岩駅国府津駅などで貨物列車の方向転換が確認できますが、これらについては省略させていただきます(汗)。
ただ東成岩駅と、一時的ではありますが国府津駅では貨物列車が折り返すためだけの発着線が設けられており、特異な例と言えるのではないでしょうか。

 

以上、要するに、「意外なところで貨物列車が折り返す」ところの一例のご紹介でした。

 

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バックナンバーはこちらからどうぞ。

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コメント

興味深い記事をありがとうございます。

横須賀線と湘南貨物駅を結ぶ貨物列車ですが、昭和47年10月2日改正、昭和50年3月10日改正の列車運転時刻表をみますと設定されていて、

昭和47年10月2日改正では、大船折り返しで、大船の着発線は、上り1番線か上り2番線でした。たしか、この当時は、東海道旅客線との鈍角の平面交差がまだあった時代でしょうか。

一方、昭和50年3月10日改正の方では、本郷台経由となっており、大船の着発線は10番線となっています。

さらに5年ほど飛んでしまうのですが(汗)、昭和55年10月1日改正の時刻表では、横須賀線の貨物列車は、根岸・高島線経由で、高島または新鶴見行が設定されています。大船の着発線は、引き続き10番線だったようです。

あと、「大船~本郷台~大船~湘南貨物という妙な列車」ですが、やはり10番線発着だったようです。

昭和56年10月1日での設定ですと、すべて休日運休で

普貨990~991 大船行
 
湘南貨物9:22(上1)→大船9:25→本郷台9:35(1) 
本郷台9:54(1)→大船10:00

普貨992~993 湘南貨物行き

大船10:37(10)→本郷台10:44(2) 
本郷台10:55:30(2)→大船10:59:45→湘南貨物11:04(中)

「横須賀線の」大船発着の貨物列車って、いったい何を運んでいたんでしょうねぇ?
大船駅で最後まで残っていた専用線(湘南貨物駅扱い)は東海道線側からの分岐ですから、これとは関係ないですし。

先回り、すみません(^_^;)
完全にネタバレしてましたね…。

安中貨物、田端(操)経由だった時は
田端運転所の機関車交換をしていたからかと。
EH500になった直後も田端(操)経由でしたけど。

貨物列車ネタ(向きを変える列車)として,以前 東海道本線から神戸港駅を経由する列車.
下り列車は,東灘操車場から神戸臨港線を通り,神戸港駅へ.神戸港駅で折り返し,東灘に戻り,下っていきました.
上り列車は,東灘操車場で折り返し,神戸臨港線を通り神戸港駅へ.神戸港駅で折り返し東灘を経由して,上り線に入り,上っていきました.

残念ながら,鷹取に新しいターミナルができ,神戸港駅が廃止されて,神戸港,東灘で折り返す列車はなくなりました.

私が新杉田へ通勤していた頃夕方の18時か19時頃新杉田の高架上を大船方向から貨物の定期列車が通過するのを毎日見てました 根岸線が大船迄全通した当時の実物誌に東海道貨物上り方向から横須賀方面の貨物列車は根岸線経由本郷台折り返しで運行との記事が掲載されていたと記憶してますその関係で当時本郷台には貨物折り返し用の側線を態々設けたと記憶してます
あと本郷台の折り返し側線は大船工場への入出にも利用されていた筈です 
当初大船駅の有名な平面交差解消の為に大船本郷台間高架貨物別線を建設し須賀線方面の貨物及び大船工場入出車を其方へシフトさせ平面交差廃止させたのです
以前横須賀線の主な貨物は久里浜駅での一般貨物と久里浜港の貨物 横須賀駅での米軍横須賀基地関係及び自衛隊横須賀基地向けの貨物と一般貨物 田浦駅発送の米軍向け航空燃料と長浦港の一般貨物 逗子駅での東急車輛発送甲種貨物米軍池子弾薬庫からの弾薬輸送と一般貨物 鎌倉駅一般貨物でした 
後に米軍及び自衛隊横須賀基地関係の貨物は引き込み線の廃止で消滅 久里浜関係も早い頃貨物営業廃止側線のみかなり後迄残された(首都圏の旧形国電を地方に配置転換する折一時的に久里浜に疎開していたが豪雨で傍の川が氾濫水没して疎開車輛全車廃車の憂き目に合いました余談ですが)逗子鎌倉の一般貨物も早い時期に廃止池子弾薬庫は施設其の物が廃止され消滅あと迄残ったのは田浦駅関係の貨物(後に田浦関係の貨物も廃止) 現在も健在な逗子からの甲種貨物位になり大船本郷台間の貨物連絡線の利用も減少したのではと思います

こんばんは
根岸線沿線に40年近く住みましたが、大船〜本郷台間の連絡用高架線を列車が走っているのは見たことがないです。
使用頻度が低いのに上下ともに閉そく信号機があるのです。東海道線を跨ぎ根岸線の上下線に挟まれた辺りです。無駄な設置にも思えますね。

KASAさん、 名無しさん
>大船~本郷台~大船~湘南貨物
大船駅の横須賀線沿いにあるモノといえば大船工場への入出場線の分岐ですよね。このあたりに何かあったのでしょうか。

貨物好きさん
容易に推測できそうな展開でスミマセン・・・。

EF65-1111さん
またまた先回りされてしまいました(汗)。神戸港については次の記事で。

yyoshikawaさん、十兵衛さん
最晩年の横須賀線貨物列車は高島・新鶴見方面と結ばれていて、もうすでに高架橋とは無縁になっていたのかもしれませんね。浜川崎の高架橋とともに、もったいない施設だったように思います。

向きを変える貨物列車と云えば嘗て新鶴見操車場発品川経由東海道本線大森蒲田川崎各駅扱い鶴見経由新鶴見操車場行き京浜貨物線列車は品川と鶴見で二回向きを変えてました

yyoshikawaさん、大森駅と蒲田駅の貨物扱いと変則的な運転については今後記事にしていきますね。

鶴見線の鶴見川口支線に入るのには浅野のヤードより一旦バックで鶴見小野駅脇の引き上げ線に入り向きを変え鶴見川口へ向かいましたね
今は如何か知りませんが可也昔海芝浦の東芝から発送の括大貨物(変圧器)発送するのには浅野で向きを変え浜川崎で再び向きを変え川崎で再度向きが変り鶴見で又向きが変わり新鶴見へ西へ向かう場合再び向きが変わってました 浜川崎支線から新鶴見への連絡線が開通後は新鶴見にダイレクトに向いました
金沢八景に有る東急車輛(現在はJR東日本の管轄になりました)から東急線への新車甲種輸送も八王子で向きが変り更に大岡山で向きが変ります(田園都市線と東横線間は大井町線及び目黒線を介せねば車輛搬入出来ない為です
豊川の日車から名鉄への甲種貨物は更に複雑で都合6回方向が変ります

yyoshikawaさん、旅客列車と違って貨物列車の場合は予想外のスイッチバックを繰り返す例がありますね。

図書館で昭和45年10月当時の貨物時刻表を借りました。成田空港建設工事用の砕石運搬で葛生から成田に専用列車が3本設定されていました。時刻表では成田から葛生への返空列車が確認できました。成田線から常磐線へは、我孫子ではなく北柏(貨物駅)で向きを変えていました。さらに常磐線友部駅で水戸線小山方向に向きを変えていました。葛生から成田への積載列車も同様の経路だったと思いますが、この時刻表では記載を見つけられませんでした。

コスモスさん、情報ありがとうございます。
図書館に貨物時刻表ってあるんですね、知りませんでした。
45-10ではまだ武蔵野線が開通していませんので水戸線経由なんでしょうか。北柏でスイッチバックなんですね。

水戸市にある茨城県立図書館で借りました。国立国会図書館が昭和60年12月に寄贈したもので、茨城県だけでなく各県の図書館にも寄贈されているかもしれません。同図書館には、2007年以降2017年までの各年版の貨物時刻表が備わっています。
砕石の貨車返空は水戸線経由でした。
我孫子駅も、機関車の機回しや付け替えを想定した配線になっていますが、時刻表で見る限りは北柏での折返しになっていました。他に金島駅(群馬県)・箱根ヶ崎駅(東京都)・初狩駅(山梨県)からも砕石運搬列車が1往復づつ設定されていたそうです。

両毛線~水戸線の安中貨物
泉【EF80(内郷)】小山【EF65(高崎区)】高崎【EF62(高崎区)】安中

水戸鉄道管理局内の収入増加目的。EF80の老朽化と内郷区の廃止。EF81の投入。
泉【EF81(田端)】小山【EF65(高崎区)】高崎【EF65(高崎区)】安中

両毛線の重軌道化(交換設備駅の減少)及び小山の短絡線廃止。国鉄民営化に伴う旅客列車の増加が負担。


大船は戦前と戦中は帝国海軍と帝国陸軍の基地の町で大船駅の配線図も軍の司令で大部分は消されています。軍指定の東洋高圧工業(濃硝酸の製造工場)などの弾薬輸送が頻繁に行われていました。戦後の軍都解体により基地は新杉田駅に移転しました。大船駅の横須賀線のアサノセメントは根岸線の開通により東海道貨物線に移転しましたけどセメント共販により住友セメントに転換されましたので横須賀線の大船駅の扱いが廃止まで保持されました。

東海道貨物線と根岸線の開通理由は。
東急車両製造と相模鉄道と関連が深いです。新車回送〔甲種回送〕は相模鉄道西横浜駅の連絡線が東海道貨物線側にあるため逗子→大船→本郷台→大船→湘南貨物→西横浜で引渡し牽引はDE10でした。昭和59年に貨物列車の大幅削減に大船駅と相模鉄道西横浜駅の連絡線の廃止されました。
小田急と東急と伊豆箱根と伊豆急の甲種回送があれば見れる可能性があります。


コスモスさん、ありがとうございます。私もちょっと図書館をのぞいてみようと思います。

両毛線~水戸線さん、情報ありがとうございます。昔は安中まででも律儀にEF62が引いていたんですね。

軍都の大船さん、ありがとうございます。一般的な貨物輸送だけでなく甲種輸送も線路配線に影響を及ぼすわけですね。

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