中央西線の単線自動閉そく
中央西線の閉そく方式は自動閉そくですが、一部に単線区間が存在し、単線区間では単線自動閉そくとなっています。そこで贄川駅~奈良井駅、宮ノ越駅~須原駅間の下り線の信号機の建植位置を整理してみました。時期は1990年頃です。
これからわかることは、閉そく区間長は単線・複線に関わらず概ね2km前後であることですね。従って木曽福島駅~上松駅間のように停車場間が長い場合は多くの閉そく信号機が設けられ、逆に木曽平沢駅~奈良井駅間のように停車場間が短い場合は閉そく信号機が設けられていません。
考察してみますと、
・閉そく区間が2km前後であるのは、おそらく軌道回路電源の関係ではないかと思っています。運転上の理由ではなく、技術的な制約のため2km前後の軌道回路に区切らざるを得なかったのではないでしょうか。
・「単線自動閉そくでは無意味な速度制限がかかる」といったお話もありましたが、単線・複線に関わらず閉そく区間が2km程度に区切られてしまうため、速度制限がかかることによる影響は複線自動閉そくでも同様であり、単線自動閉そくに限ったデメリットではないように思います。
もし単線区間に単線自動閉そく(特殊)が採用されれば、停車場間は一つの閉そく区間となり、停車場間距離によって閉そく区間長は変わることになります。たとえば木曽福島駅~上松駅間では6.6kmが一つの閉そく区間といった具合ですね。
逆に木曽平沢駅~奈良井駅間1.3kmでは単線自動閉そくでも単線自動閉そく(特殊)でも、1閉そく区間であることに変わりがありません。
余談ですが、単線自動閉そく(特殊)でもっと停車場間が短い場合ですと、伊那市駅~伊那北駅間(駅間距離0.9km)のようにそれぞれの駅の遠方信号機が背を向けた位置関係に建植されるという、ちょっと妙な状態になりますね。
何が言いたいのかと言いますと、しつこいようですが、「距離の短い川越貨物線が、何で単線自動閉そくではなくて単線自動閉そく(特殊)なの?」ってことなのですが・・・(汗)。
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管理人さま
中央西線のこの区間は20‰勾配が連続する場所です。ここでは上り線のみの表示ですが、上り勾配と下り勾配では閉塞信号機の間隔は差があって当然かと思います。下り線の信号配置はどんな様子でしょうか。
山陽本線の瀬野~八本松は片勾配のため、上り勾配の上り線は閉塞信号機が14本、下り線は7本です。(上りの1本は正確には第一場内)
揚げ足取りごめんなさい。
投稿: C6217 | 2017年5月14日 (日) 23時03分
つづき。東海道本線の京都~西明石の複々線区間は、JR西日本に移行後まもなく閉塞信号機を大増設して間隔を平均500mに詰めました。
ダイヤ構成上は楽になったと思いますが、各停の207系からEF210の牽く貨物列車まで、この区間はずっと信号機が視野にある訳です。
線路の使用方が外側・内側と実質区分されているのに同じ信号配置としているのは運転線路の変更をいつでも行える準備だと聞いています。
投稿: C6217 | 2017年5月14日 (日) 23時14分
3RT生です。再び失礼します。
単線自動閉そく式(特殊)には遠方があり、列車を進出させる時、出発はG現示にできますが、
単線自動閉そく式では、次の信号機の現示によりG現示にならないこともある。
ということでしょうか。
川越貨物線では非自動時代から遠方があったと思いますので、その設備と信号現示の制御方式を踏襲したのだと思います。
先日報告させていただいた吉備線はおそらく津山線同様に非自動時代は遠方がなく、昭和43年当時の基準で設備されたため遠方信号機がないままで今に至る更に特殊なケースと思います。
吉備線は長大軌道回路ではなく2km程の複数の軌道回路を組み合わせているようで(岡山ー大安寺間は2軌道回路)、信号電源に困らない区間なので可能であったと思われます。
なお、岡山(操)ー大元間の短絡線は正式には「山陽本線貨物支線」と申しまして、単線自動閉そく式(自動A)で閉そく信号機はなく、相互の場内信号機間309mでした。
出発は岡操がG/YY/R、大元はG/Y/Rを現示するものでした。
投稿: 3RT生 | 2017年5月14日 (日) 23時40分
すみません、1984年の配線図では閉そく信号機があるように見えますね。
訂正しますとともに、やはり謎ということで、失礼しました。
投稿: 3RT生 | 2017年5月15日 (月) 00時02分
C6217さん、下り線(名古屋→塩尻方向)の信号配置を記事にしました。方向別の複々線ですといろいろな事態を想定しなければならないんですね。
3RT生さん、単線自動閉そく式(特殊)と単線自動閉そく式での信号機現示の違いについてはおっしゃる通りと思います。
川越貨物線については、確かに非自動時代に遠方信号機があったのですが、この当時は通票閉そくで軌道回路は設けられていなかったのではないかと思います。せっかく軌道回路を設けたのに自動閉そくではなく自動閉そく(特殊)になったのが解せないんですよね。
岡山(操)ー大元間の短絡線は場内信号機間309mで閉そく信号機アリですか?ちょっと短すぎるような・・・。
投稿: f54560zg | 2017年5月17日 (水) 21時54分
すみません、説明が足りませんでした。
1984年の大宮の配線図では、川越貨物線に閉そく信号機があるように見えましたが、遠方があったのですね。
岡山(操)ー大元間には、閉そく信号機はありませんでした。
投稿: 3RT生 | 2017年5月17日 (水) 23時02分
3RT生さん、スミマセン、勝手に岡山(操)ー大元間と思い込んでしまいました。失礼しました。
投稿: f54560zg | 2017年5月21日 (日) 20時04分