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2017年4月26日 (水)

川越線(貨物線)の単線自動閉塞(特殊)

大宮駅の川越線(貨物線)の記事で、

・さほど長い閉そく区間ではないのに単線自動閉そくではないのはなぜ?
・自動閉そくの駅の構内に自動閉そく以外の線路があるってのはどういうこと?
といった疑問を書きました。

その後名無し信通区さんより、この線は大宮駅と日進駅を結ぶ路線であることを教えていただきましたので、後者の疑問については解消しました。ありがとうございます。

但し、前者の疑問については未だくすぶっています。

理由その1。

吉武勇さん/明本昭義さん著の「運転保安設備の解説」の5ページに単線自動閉そく(特殊)についての記述があります。要点を記しますと、

・単線自動閉そく(特殊)が初めて採用されたのは昭和46年12月の七尾線津幡・穴水間である。
・それ以前の単線自動閉そくは列車本数の多い線区で使用され、停車場間に1~2kmの閉そく区間を数個設けていた。このため軌道回路電源の到達距離は2km以内であった。
・ところが停車場間がひとつの閉そく区間で十分なくらいな列車本数の少ない線区を自動化しようとすると、軌道回路電源の関係で停車場間を数個の軌道回路に分割せねばならず、軌道回路ごとに電源設備等が必要となって高コストとなる問題があった。
・このため技術開発が行われ、5~6kmの長大軌道回路が実用化されて上記の七尾線での採用に至った。

といったことになろうかと思います。

つまり単線自動閉そく(特殊)は、長大軌道回路を前提としたものだと思うんですよね。停車場間の距離が短く、停車場間が1つの閉そく区間となっているような場合では単線自動閉そくも単線自動閉そく(特殊)も実質変わりがないように思うのです。単線自動閉そくなんだからといって無理やり閉そく区間を区切らなければならないことはないと思いますので。そうであればわざわざ遠方信号機を建てなければならない単線自動閉そく(特殊)を採用する理由がわからないんです・・・。

理由その2

「他にもこんな例ってあるの?」

この川越線(貨物線)と似たような、
①2つの停車場間を結ぶ本線で、
②単線で、
③停車場間の距離が短い
路線を探して調べてみました。

一つ目。東仙台駅~東仙台信号場間の貨物線。
それぞれの場内信号機の間隔は300mくらいでしょうか。

二つ目。三河島駅~隅田川駅間の貨物線。
それぞれの場内信号機の間隔は600mくらいでしょうか。

三つ目。新鶴見信号場~尻手駅間の貨物線。
それぞれの場内信号機の間隔は800mくらいでしょうか。

四つ目。武蔵白石駅~大川駅間。
それぞれの場内信号機の間隔は800mくらいでしょうか。

五つ目。廃止されてしまいましたが、梅小路駅~丹波口駅間の貨物線。
それぞれの場内信号機の間隔は800mくらいでしょうか。

上記5つの例ではいずれも遠方信号機は設けられていません。遠方信号機が省略されている可能性もないとは言い切れませんが、まあ単線自動閉そくと考えてよいのではないかと思います。

ですので、川越線(貨物線)の単線自動閉そく(特殊)ってかなり特殊な例ではないかと思われるわけで、個人的にはものすごく違和感を感じてしまうわけです。

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コメント

自動閉そく式(特殊)は、特殊自動閉そく式が登場してから区別するためか「自動のB」などと呼ばれていましたね。
規程に謳われたのは50年代後半ではなかったかと思いますが、思い違いかもしれません。ご教示願えれば幸いです。
昭和59年に廃止されましたが、岡山(操)−大元間の短絡線も遠方はありませんでした。

 どうもご無沙汰しております。

 記事を拝見しまして、線路図や関係規程などとにらめっこしつつ、私見を開陳させていただきたく存じます。


>・さほど長い閉そく区間ではないのに単線自動閉そくではないのはなぜ?

 これはおそらく、長大軌道回路等の技術的な面よりも、単線自動閉そく式(以下「自動A」)の現示方式のためかと思います。

 自動Aは、続行列車を運転させるために駅間に閉そく信号機を設置することを前提とした信号の現示方式、すなわち誘導・入換以外の主信号機を進行・注意・停止の3現示とすることが定められています(信号設備施設基準規程第25条)。

 そのため、大宮の下り出発信号機を進行現示として列車を進出させるためには、大宮(地下)~日進間を支障する進路である日進の下り地平第一場内信号機を反位にして必ず注意以上の現示にせねばならない現示系統となります。

 従って、例えば大宮(地下)~日進を通る列車を優先して運転させるために地平第一場内信号機を先行列車通過後に反位にすることとした場合、大宮(地平)の下り出発は注意現示で進出させることとなって当該列車に無意味な速度制限をかけることとなります。

 また、このように運行上必要がないのに、大宮の出発信号機に注意信号を現示する設備を前述の規程上から設けなければならないのも、不経済かつ非合理的であります。

 そのような理由から、川越線の自動信号化にあたっては、単線自動閉そく式(特殊)(以下「自動B」)を採用することで、出発信号機は進行・停止の2現示(自動閉そく式は連続した軌道回路で在線検知するので非保留現示)となり、着駅側場内が停止現示であっても所定速度で運転ができる、最も運行上効率が良い設備であると判断して採用したのではないかと推察いたします。

 また、自動Bでは駅間に閉そく信号機を設けないので、場内信号機の現示を予告するために遠方信号機が建植されます。

 この自動Bに関する規程上の処置は、昭和45年9月30日運保第1108号により達示されておりますが、その後信号設備施設基準規程に盛り込まれたかもしれません。

 ちなみに、川越線の自動信号化の使用開始は昭和60年の
7月23日 大宮(地平)~日進
7月31日 日進~指扇
8月4日 指扇~川越(除く電車区)
8月7日 川越~高麗川
8月9日 大宮(地下)~日進
8月13日 赤羽~大宮ATC
です。
(月日の出典は「鉄道電気」昭和60年10月号)


詳しい解説を頂きありがとうございました。大変勉強になります。
手元にある、信号設備施設基準規程は昭和50年12月のもので、自動Bの信号現示の制御方式ついてはまだ盛り込まれていませんでした。
自動Bの利点として、列車の運転方向によって軌道回路電源の送りを変える必要がなくなるので、設備費が安くなることもあるそうです。

4/28のてつ様の説明のとおり、出発信号機の注意で出発させる弊害は大きいと思います。
 同じ現象が単線自動閉塞にもあります。私の知る範囲では、自動閉塞の採用にあたり駅間の閉塞信号機が1本という箇所が多くあります。正直なところシステムの定めに止むをえず従ったという感があります。
 このとき行先駅の場内信号機が停止現示であれば数km手前の閉塞信号機が注意となり、えんえんと45km/h制限を受けて走行することになります。大変な無駄です。
 自動(特殊)はシステムの簡素化のみでなく、この短所を無くするために設定されたのではないかと勘繰っています。
 現行の単線自動区間で閉塞信号機が必要な線区はほとんどありません。早急に自動(特殊)に変更して簡素化とダイヤ構成を有利にすべきだと考えます。保安度の低下はありませんから。

 往時の宇野線ではこの1本の閉塞信号機が場内信号機の少し手前にありました。上りと下りで位置が全く異なります。ご想像のとおり遠方信号機の役割を担わせた訳です。
 でも出発が注意で発車すれば駅間のほとんどを注意の制限で走ることになります。


みなさまのコメントを拝読して、なるほど!と思っています。
川越線(貨物線)の設置された時期と閉塞方式が、うまい具合にマッチしたのだと感じました。

話題から離れますが、自動閉塞の良いところは、信号の回路で列車の在線位置が分かるところでしょう。列車回数や同方向への続行を勘案して、単線自動閉塞が必要な線区はあまりないのではと思います。
朝の混雑時間帯でもう増やせないところまでに至っている仙山線仙台~愛子間も単線自動閉塞をとっても、利点はないように感じます。

単線自動閉そく式で中間閉そく信号機を設置するメリットの一つは、先行列車が先の交換駅に到着する前に続行列車を出発させられることですね。
なので、亜幹線の急行列車や貨物列車がほぼ絶滅した現在となっては、一部線区を除いて存在意義が薄れているのかもしれません。

3RT生さん、てつさん、C6217さん、やわやわとまれさん、名無しさん、ありがとうございます。
注意現示による無意味な速度制限については理解できるのですが、
・ここって速度制限の影響を大きく受けるほど頻繁に列車が走るところ?(実際動画を拝見しても、さほど速度を出していないようですし・・・)
・他の事例が見当たらない
という点でスッキリしないところは残ります。
但し、単線自動閉そく式(特殊)を採用することのデメリットは思い浮かびませんので、皆さんのおっしゃるような理由により採用されているのであろうと思います。

 再びお邪魔します.
 自動Bのちょっと気になった線区があったので,この連休に寄ってきました.吉備線(桃太郎線、というそうです)の岡山ー総社間です.
 この線は,昭和43年にCTC化され,単線自動閉そく式(特殊)が施行されていました.在来線では,伊東線,土讃線に次いでCTC(当時,CTC3型)が導入された区間です.
 気になる,と申しましたのは,岡山駅を除き「遠方信号機のない」単線自動閉そく式(特殊)区間だったためです.
 ところが最近,規程に添って遠方信号機が建植されたようで、遠方がないのは備中高松のみとなっていました.場内は3位式,出発はG/R現示のみ(Yの穴は塞がれていませんが)のようでした.


素朴な疑問が湧いてきました。

はたして「(特殊)」のつかない通常の単線自動閉そく式を施行する区間で駅間に閉そく信号機の置かれていない区間ってどれほどあるものなのでしょうね。

3RTさま 
 私も吉備線の前面展望でびっくりしました。出発は進行現示で発車したのに次駅の場内は停止現示でした。何の予告もありません。速度や見通しなどを考えれば不安はありませんが、システムとしてこれでよいのか? と疑問はふくらんでいます。

名無しさま
 単線自動閉塞では必ず閉塞信号機があります(と思います)。そうしないと着駅の場内が停止現示のとき、出発は注意現示となって全線で速度制限を受けます。
 自動(特殊)はこの欠点を無くすために考案されたのではありませんか? どなたか解説をいただければ有り難いです。

名無しさま
手元の線路図で確認したところ、「(特殊)」のつかない単線自動閉塞式の停車場間で閉塞信号機のない区間はあまりないですが、存在するようですので、例を挙げてみます。

○長崎本線(S51.3)・肥前七浦-肥前飯田(下りのみ・2.1km)、浦上-長崎(1.6km)
○高山本線(S63.4)・上麻生-飛水峡(2.7km)、少ヶ野-下呂(1.7km)
○関西本線(S58.4)・桑名-朝明(1.4km=S60.1の朝明移転後。移転前は下りのみ閉塞信号あり)、富田-富田浜(1.4km)
○中央本線(平成)・木曽平沢-奈良井(1.8km)

やはり停車場間距離の短い所ばかりですね。
ちなみにこの中で一番距離の長い上麻生-飛水峡でも、出発信号-場内信号の距離では下り1km552m、上り2km156mです。

どんべえ さま

2kmなら注意現示で出発しても40km/hで3分で走れますし、次の駅に進入できない状態で列車を出発させること自体が異例でしょうから、(特殊)じゃない単線自動閉そくでも問題ないのでしょうね。

じゃあ、ぐるっと一周して、川越貨物線はなぜ(特殊)を採用したのかという疑問は残りますが。

皆様、やっぱり納得がいかないので、また関連する記事を書いてしまいました(汗)。

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