« 大越 1988/8/1 動画 | トップページ | 川島 1987/10/11 動画 »

2016年9月17日 (土)

方向てこ

突然ではありますが、以前ご紹介した亀岡駅の連動図表をもとに、自動区間の方向てこの連鎖関係を紐解いてみたいと思います。

(連査閉そく区間における閉そくてこにも同様の連鎖関係が設けられています。こちらを参照下さい。)

19790825r

見づらいので関係するところだけを抜き出します。

19790825p2r

とりあえず京都方の隣の駅、馬堀駅との関係を見てみることにします。

連動表の名称~番号欄を見ると、当駅(亀岡駅)→馬堀駅方向(つまり上り)の方向てこに1L、馬堀駅→当駅(亀岡駅)方向(つまり下り)の方向てこに1Rが割り振られていることが分かります。

次に1Lの鎖錠欄を見てみます。
1Lの鎖錠欄には「〔○408L〕 2LT 〔404RT〕」と記載されています。

まずは「〔○408L〕」の意味を考えてみます。 
下の備考に記載されているとおり、「〔 〕」は馬堀駅に所属するてこであることを表しており、「408L」という番号は亀岡駅→馬堀駅方向(つまり上り)の方向てこです。「○」は反位に鎖錠する、という意味ですから、これらを整理すると、
「1をL方向反位にするためには馬堀駅の上りの方向てこ408がL側反位になっていなければならず、また1をL側反位にすると408はL側反位の状態に鎖錠される」
ということを表しています。
つまり、亀岡駅から馬堀駅に向けて上り列車を出発させようとした場合には亀岡駅の方向てこを取り扱うわけですが、その前に列車の受け手側である馬堀駅の方向てこを取り扱うという手順を踏まなければなければならない、ということです。列車を出す側での取り扱いだけでは列車を出せないような機械的なしくみ(連動装置)が設けられているってことですね。

次に「2LT」ですが、これは1をL側反位にするための条件として「軌道回路2LTが車軸によって短絡されていないこと」、つまり2LTに列車や車両がいないことが必要である、ということを表現しています。

最後に「〔404RT〕」ですが、前述の通り、「〔 〕」は馬堀駅所属を表しており、404RTは図の通り馬堀駅の下り出発信号機404Rの内方の起動回路のようです。従って上記と同様に1をL側反位にするための条件として「馬堀駅構内の起動回路404RTが車軸によって短絡されていないこと」、つまり404RTに列車や車両がいないことが必要である、ということを表現しています。

次に1Lの信号制御又はてっ査鎖錠らんですが、「(◎2L 又は ◎3L 但 51N)」と記載されています。51は解放てこという名称で、駅扱いとCTCとを切り替えるてこのようですが、スミマセン、このあたりはよくわからないので割愛させていただきます(汗)。

また上り出発信号機2L、3Lを見てみますと、鎖錠欄にはいずれも「○1L」と記載されており、2L、3Lを反位にするためにはあらかじめ1をL側反位にしておく必要があることがわかります。また、2L、3Lを反位にすると1はL側反位に鎖錠されます。

もう一度整理します。
亀岡駅上り本線から馬堀駅に向けて列車を出発させるためには、
1)馬堀駅で方向てこ408をL側反位にする
2)亀岡駅方向てこ1をL側反位にする
3)亀岡駅で出発信号機2Lを反位にする
という手順を踏む必要があることが連動図表から見て取れるわけですね。

次に下りの方向てこ1Rについて見てみます。

1Rの鎖錠欄には「〔□408R〕 〔404RT〕 2LT」と記載されています。

まずは「〔□408R〕」の意味ですが、「〔 〕」が馬堀駅に所属するてこであることを表しているのは前述の通りです。
「□408R」の意味は、「1をR側反位にすると408Rが解錠される」ということを表しています。つまり、亀岡駅で1を取り扱わない限り馬堀駅の408は定位に鎖錠されており、亀岡駅で1をR側反位に取り扱うことにより408がR側反位に転換できるようになる、ということです。
先の1Lも馬堀駅の408Lが取り扱われない限り定位に鎖錠されているわけですね。

その後の「〔404RT〕 2LT」は前述の通りです。

千代川駅方の方向てこ8L、8Rについても同様です。

実際の方向てこは下図のようです。

32
通常は定位「N」の状態になっており、列車を受ける場合は

31
のようにR側に転換します。列車を出す場合はL側にてこを倒します。

なお、方向てこの取り扱い時は相手駅との連絡や各種表示灯の確認も必要ですが、ここでは省略しました。
また、CTCではなく駅扱いの場合を前提にしています。

ところでよくわからないこともあります。

1)閉塞信号機はどうなんでしょう。おそらく方向てこにより制御される(たとえば1がL方向反位の時は下り1は停止を現示する)と思うのですが、連動図表にはそのような記述はありません。方向てこにより制御されるのであれば自動の信号機ではなく半自動の信号機のような気も・・・。

2)1Lの鎖錠欄に「AT」がないのはなぜ? ATは亀岡駅の構内なので、ATに列車や車両がいるかいないかは駅長が目視で確認する、ということなのでしょうか。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
バックナンバーはこちらからどうぞ。

« 大越 1988/8/1 動画 | トップページ | 川島 1987/10/11 動画 »

コメント

f54560zg さん、こんばんは。

「方向てこ」の記事をありがとうございます。三田駅の「閉そくてこ」の記事も再読させていただきました。

私の場合、連動表の方の理解がまだまだであるなぁと思った次第です。

最後に書かれている1)の方なのですが、「運転保安設備の解説」(吉武 勇 明本昭義著)を読みますと、「方向てこは、あくまで運転方向の設定であつて閉そくを行うものではない。閉そくは自動閉塞装置により自動的に行われる。」とあります。

同書では軌道回路の図のみで、詳細な説明はないのですが、

方向てこ設定→軌道回路に一定方向の電流が流れる→閉そく信号が制御される

という仕組みになっているようです。

ですので、軌道回路によってのみ制御されるという意味では、単線区間にある閉そく信号機は自動信号機なのだと思います。

ただ、同書では、「単線自動閉そく装置には、停車場間に一対の『方向てこ』を設け、・・・」と書かれています。だとすると、結局、方向てこによって制御しているのと同じではないかとも考えられるわけで・・・。やや解せない感じが残ります。

 方向てこにNがあるとは知りませんでした。しかし何のために設けたのでしょう。方向を決めるだけならばLとRで十分と思います。

 方向を決めた段階で反対方向の信号機はすべて機能を失う筈ですが、現実には消灯せず点灯のまま(停止)となっています。これでいいのですか?

 これらは駅の連動装置と別と考えて、連動表に載せないのでしょうか?

こんにちは
(1)の方向てこによって閉塞信号機を
鎖錠していない理由は方向てこによって
直接鎖錠されるのではありません。
下記は信号改訂16版からの引用です。

方向リレーはに方向てこにより制御され、
駅間の自動信号機及び軌道回路の機器を
列車運転方向に合致させるために設けられる。
このリレーの動作方向により軌道回路の
軌道変圧器を切り換えて送電し、
また軌道リレーも切り換えられ、
従って信号機も列車運転方向のものが、
自動閉塞信号機として作用し、
反対方向のものは停止信号のみを現示する。

(2)の方向てこ1Lの鎖錠欄にATがない理由は
駅間に列車がいない事を条件としている上
車両入換えの際に構内配線の関係で
本線引上げを行うからです。

本線引上げによる入換えを行う必要のある
停車場では、場内信号機と最外方の転てつ器と
の間に軌道回路(AT又はBT及び進路選別式の
連動装置の場合は着点名の軌道回路)が
設けられます。
ちなみに方向てこは閉塞てこと違い
定位(N)位置は存在しません。
常時R又はLの反位に置かれます。
従いまして方向てこの鎖錠条件にAT,BTを
入れると入換え(構内)作業をする場合でも
方向てこを扱う事になります。
尚、本線引上げによる入換えが
停車場外(場内信号機の外方)に及ぶ場合は
当然方向てこを扱います。
CTCの被制御駅で集中扱いの場合は
出発信号機以外にも入換え信号機によって
方向てこが制御されます。

信号制御又はてっ査鎖錠欄の「(◎2L 又は ◎3L 但 51N)」は、CTC扱い中は方向てこ1Lは馬堀方の出発信号機2Lまたは3Lによって総括制御されるという意味ですね。両側の駅が同一制御所に属している場合はCTC側には方向てこの実物は設置されず、出発信号機のてこを反位に操作することで、方向てこの条件チェック→(仮想的に)方向てこを反位にして駅間の方向設定→出発信号機の現示までが一括して行われるのです。

私は単線自動閉塞の駅で信号扱いをしておりますが、はぐれ鉄非電化派様が書いております通り、方向テコは「LRのみ」です。

こんばんは
昨日の書き込みに誤りがありましたので訂正します。

(2)の方向てこの鎖錠欄にATがない理由は
方向てこは単線自動区間で停車場間の列車の
運転方向を設定するものであるからです。
ちなみに停車場に設置される制御盤の方向てこは
閉塞てこと違い定位(N)位置は存在しません。
常時R又はLの反位に置かれます。

又軌道回路ATは本線引上げによる入換えを
行う必要のある停車場で場内信号機と最外方の
転てつ器との間に設けられる軌道回路
(AT又はBT及び進路選別式の連動装置の
場合は着点名の軌道回路)があります。

前回に「本線引上げによる入換えが停車場外
(場内信号機の外方)に及ぶ場合は当然
方向てこを扱います。」と書きましたが、
これは誤りで本日見た資料を見ると
「入換え標識等のてこにより入換え進路を構成する
(図で説明してありましたが、構内から場内信号機方向の事です)場合、
方向てこは進出する方向とする。」とありました。
入換えに鎖錠てこを使用している亀岡駅の場合は
連動図表には記入されていませんがAT方に
引き上げる際は方向てこを扱っていたのでは
ないのでしょうか。

KASAさん、C6217さん、はぐれ鉄非電化派さん、名無しさん、中の人さん、大変ありがたいコメントをいただきありがとうございます。

>方向てこのN位置
スミマセン、間違いです。表示灯が3つあるので勘違いしてしまいました。方向てこにはLとRしかありません。

>単線自動区間の閉そく信号機
これが自動の信号機であるといことは感覚的には理解できるのですが、よくよく考えると「?」という部分が出てきてしまいましたので疑問を書いてしまいました。まあ、重箱の隅感は否めませんが(汗)。

>軌道回路AT
入換の際にも方向てこを取り扱うんですね。勉強になります(汗)。

>総括制御
集中の場合は方向てこがないんですね。確かに異なる停車場間で共同作業をするわけではありませんからそのほうが合理的ですね。

皆さんのコメントを拝読させていただき、たいへん勉強になりました。ご教示ありがとうございました。

場内信号機を越えない範囲(本例馬堀方ではATまでの範囲)での入換には方向てこは関係しません。
方向てこと入換とを関係させてしまうと、入換作業が終了するまで列車を隣駅(本例では馬堀)を出発させることができず、列車頻度/入換頻度の高い線区では運転効率が極端に低下します。
入換作業が終了し関係する鎖錠てこを復位するまで場内信号機は定位に鎖錠されますので、入換範囲に列車が進入することはありません。
もちろん、入換範囲が場内信号機を越えて駅間の本線に及ぶ場合は、方向てこを進出側に倒して隣駅からの列車の進出を抑止する必要があるのですが、そもそも駅間の本線を使用しての入換作業自体がかなりイレギュラーな事態だと思います。

名無しさん、ありがとうございます。
ATまでの範囲での入換には方向てこは関係しない件、理解しました。
一点疑問があるのですが、下り列車が過走して場内信号機内方に進入してしまうことへの対応策って取られているのでしょうか?

入換作業の有無に関係なく、過走対策は基本的には「場内信号が赤」という以外にはありませんね。
まあ、数多の事故を通じて、さすがにそれだけじゃ不十分ということがわかってきたので、ATSとかの保安装置の高度化が図られてきたわけですが。

 過走の対策として完全なものは安全側線ということになります。
 出発信号機に対するものは珍しくありませんが、場内信号機に対して設置したものもあります。少し前(50年ほど)まで大宮北部で東北下りと高崎上りが平面交差していたため、高崎上り場内に安全側線がありました。
 貨物列車が冒進して脱線事故となったことがあります。安全側線が役目を果たしたのは残念なことですが、そのまま進入していたら大変な事故に・・・・・。

C6217さま

ここのサイトの「大宮配線図」の項
http://senrohaisenzu.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-7ac0.html
に1958年の配線図が掲載されていますが、これを見ると、高崎線上り場内付近の安全側線は、配線図右下から合流してくる側線(現在の東大宮車両センター?)との合流点を防護しているようにも見えますね。
いずれにしろ、場内信号・出発信号のすべてに安全側線を設置するわけにもいきませんし、そこら辺は重要度というか事故が発生した際の重大度を勘案してということになるのでしょうね。

上のコメントのリンクがおかしくなってしましました。修正いただければ幸いです。

C6217さん、名無しさん
場内信号機についても過走による衝突の可能性は否定できないわけですが、出発信号機に比べればそのリスクは低いと考えられている、ということなんですね。

大変ご無沙汰してます。

収束した話題を蒸し返すようで恐縮ですが、場内信号機に対する過走対策として、場内信号機から最初の転轍機まで(対向ならトングレール先端まで、背向ならクリアランスポストまで)、100m以上確保することが省令で定められてます(昔の基準だと150m以上)
これが守れないときは、一つ手前の第1閉塞信号機にYY現示が出るようにして、過走を防ぐというのが基本です。
とはいっても、地形的な問題で信号機が建てられなかったり、運転上YY現示では時隔が確保できず都合が悪い等の場合には、大宮の例のように安全側線で対処する場合もあります。(が、できれば避けたい。設備がスリムなことに越したことはないので)

「でも亀岡駅の場合、場内信号機から転轍機まで距離が確保されていても、場内信号機の手前まで入換車両が来るんだから結局意味ないのでは?」と思われるかもしれません。
おっしゃる通りで、連動の過走防護は、そもそも「転換中の転轍機に過走した列車が突っ込み脱線するのを防ぐ」ことを目的にしています。なので、過走したことによって他の列車/車両と衝突することは、過走防護では防ぐことができません。

出発信号機に対する過走防護として、ホームトラックより先の転轍機を鎖錠するようなケースで、過走防護区間の軌道回路に列車/車両が在線していても、転轍機さえ鎖錠できれば場内信号機にはY現示が出る(場内信号機の信号制御欄には、過走防護区間の軌道回路は入っていません)こととあわせて考えていただくと、なんとなくわかるかと思います。
とはいっても、ほんとにそれでいいの、という気がしないわけでもないですが。。。

#亀岡駅の連動図表、3Rのシンボルが間違ってますね。「GとRを現示する信号機」になってしまってる・・・

名無し信通区さま
 過走余裕距離の150m→100mは法令の変更と聞いて納得しました。昔の150mしか知らず、最近の資料の100mを不審に思っておりました。これはブレーキや保安機器のレベル向上によるものでしょうか。
 出発信号機に適用できるのなら、有効長が長くて短小編成ばかりの線区では出発信号機を100m手前に寄せられる線区があります。安側の廃止ができて合理化と経費節減になりますが・・・・・。
 3RのYマークは線路を横位置としたまま描くと間違えやすいですね。特に上りと下りを同時に作業しているとてきめんです。

無名さま
 9/27に大宮車両センターの側線?とありますが1958年はまだ基地の計画すらありません。何かの専用線でしょうか? 揚げ足取りごめんなさい。

名無し信通区さん、お久しぶりです。
私も誤解していましたがおっしゃる通りですね。ありがとうございます。極端な話、閉そく信号機のすぐ内方に先行列車が停車している場合だってあるでしょうし。
C6217さん、かつての長大編成貨物列車対応の有効長に短編成の旅客列車しか停車しなくなったところっていっぱいありそうですよね。

お久しぶりです。
以前閉路鎖錠について記載した『ち』です。
みなさんめっちゃ詳しく書いていますね。
楽しくなってきました。

参考ですが。YY現示であれば過走しないというのも、そのほかの現示である時に過走距離が100mより少なくなるというのも実際は怪しいものですが・・・。
とはいいつつも、やはり設備を設計するうえで基準は必要で、止まる意思のある列車の100mを超える過走は起きていないという判断のものなのでしょうか、いずれにしても割り切りは必要ですよね。

たとえば上り方向に入換で停車場間に出ていく方向に分岐が開通する場合、下り場内信号機からの過走を考慮すると、上り向き入換の車両停止位置標識は、場内信号機から100m以上離すことで、方向てこの条件は不要と考えています。
場内信号機がYY現示の時は、上記の方の記載の通りですね。
また、入換で駅間に出る場合、場所によっては下1、上1閉そく信号機などにYY現示を出すようなてこが設けられている駅もあります。(国鉄では)

余談ですが、最初に100m前提と書きましたが、場内信号機の接近速度により80mや60mになる場合もあります。
ですが、今後の改良のことも考え基本は100mで設計しています。

ちさん、お久しぶりです。
あらゆる可能性を想定するととても現実的ではない世界になってしまいますよね。どこかで線を引かざるを得ないのが実情かと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/506157/64215247

この記事へのトラックバック一覧です: 方向てこ:

« 大越 1988/8/1 動画 | トップページ | 川島 1987/10/11 動画 »

過去の記事

2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
無料ブログはココログ