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2015年3月 7日 (土)

過走余裕距離内の転てつ器 その3

前回の記事の続きです。

新湊線の新湊駅です。連動装置は第2種継電乙です。
19790930r

見やすくするため関係する部分だけ抜き出します。

19790930m_2
・場内信号機1Rの鎖錠らんを見てみます。21、22、23、24、27と、ここまでは1Rの防護区間内の転てつ器です。続いて54、(53)、(52) (正しくは上下方向のカッコですが)は過走余裕距離内の転てつ器です。すなわち第2種連動の駅ですが、場内信号機で過走余裕距離内の転てつ器を鎖錠しています。
・上下方向のカッコは片鎖錠で、この場合は定位の片鎖錠です。その具体的な意味は、
1)53、52の両方が定位の状態で1Rを引くと、53、52はいずれも定位に鎖錠され、1Rには注意信号が現示される。
2)53、52のいずれかもしくは両方が反位の状態で1Rを引くと、定位の転てつ器は定位に鎖錠されるが反位の転てつ器は鎖錠されない。そして1Rには警戒信号が現示される。
この後反位の転てつ器を定位に転換すると定位に鎖錠され、仮に53、52の両方が定位に転換されたとすると1Rは注意現示となる。

つまり、定位の片鎖錠とは、定位の位置では鎖錠される(定位から反位には転換できない)が、反位の位置では鎖錠されない(反位から定位には転換できる)ということですね。
反位の片鎖錠の場合はこの逆になります。

新湊駅の場合、安全側線が設けられていませんので、列車の進入と転てつ器53、52付近での入換作業が競合する場合には何らかの防護手段を設けておく必要があります。

まず考えられるのは、
●1Rによって53、52を定位鎖錠する。
ということです。
これによって、入換作業中は列車は進入できませんし、また列車を進入させる場合は入換作業ができなくなります。

ただしこれでは列車の運転や入換作業に支障が発生することが考えられます。

これの対策として、
●1Rは警戒信号と停止信号のみの現示とし、1Rと53、52に連鎖を設けない。
という方法も考えられます。
これであれば入換作業中であっても列車を進入させることができるようになります。

ただ、入換作業は常に行われているわけではないでしょうから、支障がない場合でも列車が25km/hでしか進入できないのはちょっとツライかも。

そこで、次なる手として、
●1Rによって53、52を定反位鎖錠する。
という方法があります。
つまり53、52は定位であれ反位であれ、1Rによってその状態で鎖錠され、53、52がともに定位であれば1Rには注意信号が、それ以外であれば警戒信号が現示されるようにするわけです。これであれば入換作業が行われているか否かに応じて適正な速度で進入ができるようになります。

しかしながらこれにも問題があるんです。
1Rによって進路を構成した時点ではまだ入換作業が行われていたものの(つまり1Rは警戒現示)、列車が接近する頃には入換作業が終わってしまい、1Rに注意信号を現示させたい状況が発生したとします。この場合、1Rに注意信号を現示させるためには、いったん1Rを定位に復し、53、52を定位に転換した後に再度1Rを引くという手順を踏まなくてはなりません。1Rには120秒の保留鎖錠がかけられるでしょうから(1Rを定位に復しても120秒間は53、52が解錠されない)、これはちょっとイラッとする作業になります。

そこで登場するのが今回のテーマ、
●1Rによって53、52を定位に片鎖錠する。
という方法です。
これにより、入換作業が行われている最中に1Rで進路構成を行った場合(1Rは警戒現示)でも、入換作業が終了して53、52が定位に転換されれば1Rには自動的に注意信号が現示されるようになります。
信号機を反位から定位に復した場合、列車がその信号機の直前まで接近している場合を考慮して、前述の保留鎖錠などを設けて一定時間は関係転てつ器等を解錠しないようにしています。しかしながら逆に現示がアップする方向(警戒現示から注意現示へなど)の場合はそのような考慮をする必要がありませんので、片鎖錠を設けることにより円滑な作業が行えるようになるわけですね。

まあ、片鎖錠の存在意義というのは、おおむね上記のようなものではないかと考えています。

ついでに実例をもう一つ、北陸線の青海駅です。連動装置は第2種継電甲です。

19790929r_2

・このクラスの駅で第2種というのもちょっと意外な感じがします。
・細かいところがよくわからないのですが、連動表には場内信号機の警戒現示と、関係する転てつ器が片鎖錠であることが見て取れるかと思います。

今回は片鎖錠の話でした。次回は開通てこの話の予定です。

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