« 過走余裕距離内の転てつ器 その1 | トップページ | 過走余裕距離内の転てつ器 その3 »

2015年3月 1日 (日)

過走余裕距離内の転てつ器 その2

前回の記事の続きです。

最初に山陰線の亀岡駅です。連動装置は第1種電気継電鎖錠てこ式です。
19790825r_2
見やすくするため関係する部分だけ抜き出します。
19790825m
・まず最初に2番線への下り場内信号機3Rの鎖錠らんを見てみましょう。○11、○12、○14と、ここまでは3Rの防護区間内の転てつ器ですね。これに続いて13が記載されていますが、これは3Rの過走余裕距離内の転てつ器です。
同様に2番線への上り場内信号機5Lの鎖錠らんにも過走余裕距離内の11が記載されています。
つまり3R、5Lに限って言えば、これらを反位に取り扱うと過走余裕距離内の転てつ器をいずれも安全側線方向に鎖錠することになっているわけです。
・3R、5Lはいずれも副本線への場内信号機ですので、列車が通過することはありません。従って場内信号機で過走余裕距離内の転てつ器を鎖錠する場合、安全側線方向の1方向だけの進路が設定できればよいため話が簡単だったわけですが、上下本線への場内信号機2R、4Lの場合は過走余裕距離内の進路が安全側線方向と列車進出方向の2方向となるため、過走余裕距離内の転てつ器を鎖錠する場合はちょっと面倒になります。
・そこで次に場内信号機2Rの鎖錠らんを見てみましょう。11、21、31、14と、防護区間内の転てつ器が続いた後に(13又は○4R)と記載されています。
これが直接的に意味するところは、
1)転てつ器13が定位であれば13を定位に鎖錠する。
または、
2)出発信号機4Rが反位であれば4Rを反位に鎖錠する。
ということなのですが、「転てつ器13が定位」ということはすなわち「出発信号機4Rは定位」なわけですから、これらを言い換えると、
1')4Rが定位であれば13を定位に鎖錠する。
2')4Rが反位であれば4Rを反位に鎖錠する。
ということになります。
つまり、2Rのてこを引く前にすでに4Rのてこが引かれているかどうか(4Rが先引きされているかどうか)によって、2Rの過走余裕距離内の進路が変わってくるわけで、4Rが先引きされていなければ安全側線方向、先引きされていれば列車進出方向ということになります。
いずれにせよ過走余裕距離内の転てつ器は、場内信号機によって直接鎖錠されるか、もしくは先引きされた出発信号機によって間接的に鎖錠されるということですね。
4Lについても同様です。

ただ、若干疑問な点がいくつか。
①上記1')で、4Rは定位なんだけど13が反位だった場合はどうなるんでしょう。鎖錠てこ式ですので転てつ器は信号てこによって総括制御されない(2Rを引いても13は定位に転換されない)んですよね。この場合、2Rは引けない、ってことでしょうか。
②前述の通り3Rまたは5Rで列車を進入させる場合には、仮に支障する列車がない場合でも過走余裕距離内の転てつ器は安全側線方向に開通しているわけですが、これは前回の記事の運取規第107条の
『出発信号機の内方にある転てつ器(総括制御の第1種継電連動装置の転てつ器を除く。)は、2以上の列車が相互に支障するおそれのある場合を除いて、列車を停車場に進入させる前に、これを列車の進出する方向に開通しておかなければならない。』
には適合しないんですよね。鎖錠てこ式だから総括制御じゃないですし。
③同じように、支障する列車がない停車列車をたとえば2Rで進入させる場合はどのような取り扱いをするんでしょう。運取規第107条に適合させるためには13反位かつ4R定位である必要があるのですがこれだと①の通り2Rは引けないような気がしますし、13定位だと上記②と同じことになりますし、4R反位だと前回の記事の運取規第314条の
『停車場に停止すべき列車を進入させるときは出発信号機に停止信号を現示すること。』
に適合しないことになりますし。
ナゾです(汗)。

次に小浜線の松尾寺駅です。
19790827rr
・松尾寺駅の場合も過走余裕距離内の進路が2方向あるのですが、たとえば上り場内信号機4Lの鎖錠らんを見ればわかるとおり過走余裕距離内の転てつ器21は記載されておらず、すなわち場内信号機では過走余裕距離内の転てつ器を鎖錠していません。出発信号機の先引きもありません。このあたりは第1種と第2種の違いでしょうか。
・なお、出発信号機が定位であるか反位であるかによって場内信号機が注意を現示するか進行を現示するかが変わってくるわけで、このあたりがたとえば4Lの信号制御らんの○2Lで表現されています。
ただし前述の通り出発信号機は場内信号機によって鎖錠されるわけではありません(先引き関係はありません)ので、たとえば通過列車を通すために場内信号機、出発信号機を反位に取り扱った後、場内信号機を反位としたままで出発信号機を定位に復すことができてしまいます(亀岡駅の場合は、いったん場内信号機を定位に戻さなければ出発信号機を定位に復すことはできません)。このあたりが本来どうあるべきなのかについてはよくわかりませんが(汗)。

今回は先引きの話でした。次回は片鎖錠の話の予定です。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
バックナンバーはこちらからどうぞ。

« 過走余裕距離内の転てつ器 その1 | トップページ | 過走余裕距離内の転てつ器 その3 »

コメント

亀岡についてですが、鎖錠てこがあるかどうかと転轍機を進路で総括制御するかどうかは一般的には直接関係ありません。
第一種継電連動は進路選別式・進路てこ式・単独てこ式に区分され、転轍機を総括制御しないのは単独てこ式になります。
亀岡も、進路てこで転轍機を総括制御していると思われます(確たることは結線図を見ないと言えませんが…)

名無し信通区さん、いやいや、それは違うと思います。鎖錠てこ式では転てつ器は単独のてこ扱いで総括制御されないハズです。
ただCTCの場合はどうなるんでしょう。駅扱いで単独でも集中では総括制御とかあるんでしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/506157/61135220

この記事へのトラックバック一覧です: 過走余裕距離内の転てつ器 その2:

« 過走余裕距離内の転てつ器 その1 | トップページ | 過走余裕距離内の転てつ器 その3 »

過去の記事

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ