姫路の列車運転ルート その1
前回の記事で姫路駅の配線図を大雑把に掲げましたが、列車の運転ルートという観点で細かいところを見るといろいろ興味深い点があります。
今回と次回の2回に分けて、そういった細かい点を見ていきたいと思います。
1.1950年(昭和25年)
1-1 山陽線の旅客列車及び通過貨物列車等
・下り列車の場合、まず第一場内信号機1A、次に第二場内信号機1Lを過ぎると第三場内信号機が現れます。
・第三場内信号機の進路はわずかに2つだけ、主本線は1RCで6番線、副本線は1RBで7番線です。すなわち6番線か7番線にしか進入できないわけで、ちょっと意外な感じを受けます。
・6番線及び7番線からはそれぞれ出発信号機36LM、36LJ(?)で門司方に進出します。
・上り列車の場合は場内信号機1RD、1RF、1RCで進路が振り分けられ、それぞれ3番線、4・7番線、2番線に対応します。下りは2進路だけでしたが上りは4進路あります。
・主本線は3番線で、2番線はホームがありませんので主に貨物列車用でしょうか。
・出発側は上記4線のほか、1番線及び裏1番線からも神戸方に進出が可能です。
・4番線が上り専用で、下り列車が進入できないことにちょっと不自然さを感じてしまいます。
1-2 山陽線の停車貨物列車関係
・下り列車の場合、第一場内信号機1Bまたは1Cにより、操1・2番線または操21番線に進入が可能です。
・操1・2番線へ向かう場合は上り本線を横切る必要があります。
・操21番線は機関車交換のみを行うような列車用でしょうか。
・出発側は操1、操2番線のほか操3番線からも進出が可能ですが、出発信号機2RA、2RB、2RCの進路は6番線のみです。出発後、旅客駅手前で再度上り本線を横切って6番線に至ります。
・上り列車の場合、ホームのない2番線を経由して(第二?)場内信号機38Lで操9・10番線に振り分けられます。
・以上のように、貨物駅~旅客駅間は、言ってみれば客貨が分離された複々線のような形態をしています。
1-3 播但線
・下り列車は裏2~4番線から進出ができます。
・裏4番線はホームがありませんので貨物列車用でしょうか。
・裏1番線から播但線に進出できないのが?ですね。
・上り列車は裏1~3番線のほか、7番線に到着が可能です。
・従って、裏1番線または7番線を経由すれば和田山方面→大阪方面への直通列車が運転できますが、大阪方面→和田山方面の直通列車は乗客を乗せたままの入換作業でもしない限り直通はできません。
・貨物列車もどうしていたのかが不思議ですね。下り貨物列車の場合は貨物駅から入換で裏2~4番線に据付けたのちに出発、上り貨物列車の場合は裏1~3番線に到着後入換で貨物駅に移動、といった方法でしょうか。
1-4 姫新線
・下り列車は西1番線、1番線、7番線から出発が可能です。
・上り列車は西1番線及び1番線にのみ到着が可能です。
・大阪方面との直通は、下りは7番線を、上りは1番線を経由すればいずれも運転可能です。
・貨物列車はどうしていたんでしょうか。貨物駅~1番線間を入換、といったところでしょうか。
1-5 飾磨港支線
・上り・下りとも7番線、8番線及び切欠きの西4番線からの着発となります。
・貨物列車が不思議です。入換で貨物駅~5番線あたり~飾磨港方~8番線? それとも貨物駅~神戸方~操21番線~8番線?
2.1958年(昭和33年)
変更された部分のみの説明とします。
2-1 山陽線の旅客列車及び通過貨物列車等
・場内信号機5LA4により、新たに4番線にも進入ができるようになりました。ただし門司方には進出できませんので、4番線は到着専用です。電化に伴う電車の折り返し用?
2-2 山陽線の停車貨物列車関係
・貨物駅関係は大きく変化しています。
・上下本線間が開き、下り着発線はその間に入りました。これにより到着及び出発時の上り線との競合が解消されています。
・下り着発線は出発後すぐに下り本線に合流する形となり、貨物駅~旅客駅間は下り1線、上り2線の3線区間のようになりました。
2-3 播但線
・裏1番線及び7番線から播但線に進出できるようになりました。これで上り・下りとも大阪方面~和田山方面の直通列車が設定可能になりました。
2-4 姫新線
・特に変化はありません
2-5 飾磨港支線
・特に変化はありません。
次回は1966年(昭和41年)以降の変化について見てみたいと思います。
配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。
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