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2010年9月 4日 (土)

山王信号場~白鳥配線図

今回は名古屋港線・白鳥線の山王信号場~八幡信号場~白鳥間です。

西名古屋港線が実態上は関西線からの分岐(稲沢線の延長?)であるのに対し、名古屋港線は中央線からの分岐です。
もともとは臨港線として名古屋まで独立した線路が設けられていましたが、中央線複線化の際に線路を譲って山王信号場から分岐する形態になったものです。

まずは1965年(昭和40年)2月頃。

196502
・山王信号場で中央線から名古屋港線が分岐し、八幡信号場で名古屋港線から白鳥線が分岐します。つまり、山王信号場も八幡信号場も分岐のための信号場で、交換などのための信号場ではありません。
・名古屋方への場内信号機3L、3Rが非保留なのに対し名古屋港・白鳥方への場内信号機2L、2Rが保留現示になっていますので、山王~八幡間は自動閉塞、八幡~白鳥及び八幡~名古屋港間は非自動のようです。

同じ1965年(昭和40年)2月頃の白鳥駅です。

196502_2
・もともとは木材のみの取り扱いからスタートした貨物駅で、周りには「貯水掘」や「船入場」といった文字が見えます。
・中央やや左の「市一」~「市三」あたりは白鳥駅とは別の独立した「名古屋市場駅」(1978年(昭和53年)廃止)ではないかと思うのですが、定かではありません。

続いて1983年(昭和58年)4月。

198304
・白鳥駅は前年の1982年(昭和57年)に廃止されてしまったため、八幡信号場からは分岐器は姿を消しました。
・本来であれば八幡信号場も同時に廃止されるのが普通だと思うのですが、前述のとおり八幡信号場の名古屋方は自動、名古屋港方は非自動になっていますので、通票の授受といった閉塞の取り扱いを行うためだけの分岐器がない信号場という非常に珍しい姿で生き残りました。
・通常の場合であれば分岐地点である山王信号場で通票の授受を行うのでしょうが、待避線もない山王信号場に列車を止めるわけにもいかず、その先の八幡信号場までを自動化した、といったところでしょうか。

続いて1990年(平成2年)8月。

199008
・変化はありません。

続いて1992年1月。

199201
・変化はありません。

最後に1997年3月。

199703_2
・やっぱり変化はありません。
・但しよく見ると列車停止標識が描かれています。これが???ですね。
・列車停止標識があるってことは、八幡信号場で列車は停車するのでしょうか?でも停車するのであれば出発信号機がないとおかしいですよね。
・通過するだけならば出発信号機はなくてもOKなのですが、前述の列車停止標識も必要はないはずなんですが・・・。

配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。

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コメント

八幡信号場の場内信号機2L3Rは、実施規準で「出発信号機を兼ねた場内信号機」と指定されます。本来ならば出発信号機を兼ねるので、所定停止位置は場内信号機の手前になるのですが、その位置では通票授受ができないため、出発信号機を建植するべき位置として、列車停止標識2L3Rが建植されています。また、名古屋港駅~八幡信号場間のタブレット閉塞器は特殊で、山王信号場~八幡信号場間の方向てこが上りでないと名古屋港駅~八幡信号場の上り方向の閉塞ができません。八幡信号場出発時は、下り列車は信号機の現示確認は終わっているので通票を受け取り出発合図をもらい進出し、上り列車は同じく信号機の現示確認は終わっているので、通票を渡したのち、発時刻になったら勝手に進出します。

通り掛かりの駅員さん
貴重な情報ありがとうございます。「出発信号機を兼ねた場内信号機」は、例えばスイッチバック式停車場の通過線のような、列車が停車せずに通過するだけの場合がほとんどだと思いますので、なかなか変わっていますね。「方向てこのある通票閉そく式」というのもかなり風変りだと思いますが。

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