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2010年4月 8日 (木)

田端操車場の進入・進出ルート その2

前回の記事では田端操車場に接続する5本の路線ごとの進入・進出ルートを説明しました。今回はこれらを組み合わせて、各路線間(たとえば青森方面→岩沼方面など)での線路のつながりがどうなっているのかを見てみたいと思います。

5路線ありますから組み合わせは全部で20通りですが、全部は無理なので、主要なものをご紹介します。
20通り中、列車として直通可能なのは以下の5通りです。
●青森方面→(山手上り線)→池袋方面
●青森方面→(東北本線1区)→秋葉原方面
●池袋方面→(山手下り線)→青森方面
●秋葉原方面→(東北本線1区)→青森方面
●岩沼方面→(常磐上り1・2番線)→青森方面

図にするとこうなります。
1逆に言うと、上記5通り以外は到着から出発までの間に入換作業(構内運転を含む)による移動が必要になるんです。
入換のルートを推定するのはちょっと難しいですが、適当に想像してみました。

 

●青森方面→岩沼方面の場合
Photo
【推定ルート】
青森方面→入換待線・山手折返線→亘り5番線→機回3番線・東入換線→岩沼方面

岩沼方面→青森方面は直通できるのに逆方向の青森方面→岩沼方面が直通できないのがとっても不思議。線路だけ見れば直通可能なんですが、信号設備がそうなっていなんです。
本日届いた43-10貨物時刻表復刻版を見ても、青森発隅田川行き「ほっかい」というような、列車としては青森方面→岩沼方面を直通する列車が掲載されています。上記推定ルートが正しいかどうかはわかりませんが、何らの入換を行なわない限り隅田川にはたどり着けません。

 

●池袋方面→岩沼方面の場合
Photo_2
Photo_3
【推定ルート】
池袋方面→山手下り線→通路3区→通路2区→通路1区→機回3番線・東入換線→岩沼方面

同様に、列車としては稲沢発隅田川行きといった直通列車が掲載されています。
着機が通路3番線に引上げ、そのまま推進で機回3番線・東入換線まで押し込むのかな、と思っています。

 

●岩沼方面→池袋方面の場合
Photo_4
【推定ルート】
岩沼方面→着線→亘り5番線→入換待線・通路1区・山手折返線→山手出発1~4番線→山手上り線→池袋方面

山手出発1~4番線に押し込むまでが着機のお仕事かな、と想像しています。

また、田端操で分解される列車がハンプの押上線に至るまでのルートについても同じですね。
青森方面及び王子方面からは直接ハンプ押上線(上り到着1・2番線等)に到着できますが、それ以外の場合には入換が必要です。

 

●池袋方面→分解の場合
Photo_5
【推定ルート】
池袋方面→山手下り線→通路3区→北部入換線→収容1~4番線ほか

山手下り線上での機関車交換は難しいでしょうから、収容線に押し込むまで着機が作業するのでは、と想像しています。

 

●秋葉原→分解の場合
Photo_6
Photo_7
Photo_8
【推定ルート】
秋葉原方面→東北本線1区→東北本線2区→東北本線3区→東北下り線→通路3区→北入換線→収容1~4番線ほか

これは怪しい。秋葉原方面からは東北本線1区にしか到着できず、ここに入ってしまうと東北本線2区~同3区~東北下り線と、本線上を走行せざるを得ないんですね。こんな長い距離の本線上を通るとは思えないのですが・・・。

 

●岩沼方面→分解の場合
Photo_9
Photo_10
Photo_11
【推定ルート】
岩沼方面→着線→亘り5番線→通路1区→通路2区→通路3区→北入換線→収容1~4番線ほか

結構長い距離を移動しますね。

 

最後にもうひとつ、組成が終わった貨車の発線への据付けです。
Photo_12
●組成→岩沼方面の場合
これに関しては直接発線に据付が可能です。

 

●組成→池袋方面の場合
専用線好きさんに先回りされてしまいました(もっとも私の場合は全くの想像ですが)。

 

●組成→青森方面の場合
池袋方面と同じように、山手折返線→東北下り1~3番線かな、と想像しています。

 

田端操車場は山手貨物線の取付方が特殊なため、場合によっては行ったり来たりが必要になります。特に岩沼(常磐線)方面から池袋(山手貨物線)方面に向かう直通列車は、想像が正しければ3回も方向を変えることになります。

 

上記のような方向を変える作業のほとんどは入換作業ですが、ただひとつだけ、山手出発線→山手上り線→池袋方面の方向変換だけは列車の作業(すなわちスイッチバック)です。
なぜこれだけが例外なのかよくわかりませんが、
・入換車両であったものを列車として扱うためにはブレーキ試験等の作業が必要であり、ある程度の時間がかかる。
・池袋方面に対しては本線が山手上り線の1線しかなく、本線をふさぐ時間は最小限にとどめたい。
といったところから、山手出発線で列車としての体裁を整えておいて、山手上り線では方向を変えてすぐ出発できるようにしているのではないか、と勝手に想像しています。

配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。

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バックナンバーはこちらからどうぞ。

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コメント

はじめまして。貴blogは昨年来存じあげていましたが、当方転勤で多忙にしている間にこんなことになっていようとは!
尾久・田端操の近辺に生まれ育ち、「この線路はどうつながってるのか」と思い続け、目の前で動いていた車両たちの動線がちっとも得心できないまま時を経てしまいましたが、今や「あしたに道を聞かば」てな気分です。
山手貨物線への推進回送は一度だけ実見したことがあり驚嘆しました。いまでもそうですが山手出発線のところははレベルではなく駒込方に3‰くらい上っています。(当然山手通路線も坂路でした。)そこらへんにも特殊な扱いの理由があるかもしれないと思います。
(goo地図のS38の航空写真を見ますと影の出方から勾配がわかります。)
当方の興味力量は尾久・田端周辺で尽きてしまうのですが、細かい点でよろしければゆっくりとコメントしたいと思います(夏頃までかかってしまいそうです…)。よろしくお願いいたします。
末筆ですがT.M.さんにこの場をお借りして深く謝意を申し上げます。

6181さん、はじめまして。私自身、予想しなかった展開になっております(笑)。T.Mさんに感謝ですね。
沼津の記事について沼津区さんからいただいたような、その地にお住まいになった方ならではのコメント、期待しています。
私も就職までは田端操車場からは決して遠くない所に住んでいたんですが、残念ながらそう何度も足を運ぶことはありませんでした。とにかく印象に残っているのは、田端大橋から見えた小ハンプですね。

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