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2010年4月 6日 (火)

田端操車場の進入・進出ルート その1

1970年頃の田端操車場は、東北線青森方面・東北線秋葉原方面・山手貨物線池袋方面・常磐線岩沼方面・王子貨物支線と、5方面に広がる線路が接続し、なおかつ山手貨物線の取り付け方が特殊な状態になっているため、貨物列車の運転ルートがどうもよく理解できていません。T.Mさんから田端操車場の配線図をご提供いただきましたので、このあたりを少しじっくりと眺めてみたいと思います。

1969年3月の配線図が見やすく、しかもありがたいことに信号機の進路まで記載されていますので、これをもとに調べてみました。

 

まず、東北線青森方からの進入ルートです。

Photo最初にある信号機は上り第1場内信号機1A/1Bです。
1Aは東北上り本線1区に対するもので、1Bは上り到着1・2番線に対するものです。
上り到着1・2番線の先には信号機はありませんので、列車としてはここで行き止まりとなります。
おそらくハンプにかかる列車は上り到着1・2番線に進入し、それ以外は上り本線1区に向かうのではないでしょうか。

上り本線1区に進むとその先に上り第2場内信号機1A/1Bがあります。第1場内信号機と番号は同じですが信号扱所が異なります。
1Aは東北上り本線2区に対するもので、1Bは山手上り線に対するものです。
当然山手貨物線に向かう列車は山手上り線に進入します。

Photo_2東北上り本線2区を先に進むと上り第3場内信号機26A/26Bがあります。
26Aは東北本線3区に対するもので、26Bは入換待線及び山手折返線に対するものです。
この入換待線及び山手折返線が何のためにあるのかよくわからない線路ですね。そもそも線路の名前がよくわかりません。いずれも先には信号機はありませんので、列車としてはここで行き止まりとなります。

Photo_3東北本線3区をさらに先に進むと上り第4場内信号機43があります。
進路は1つのみで、東北本線2区を経由して東北本線1区に至ります。
とりあえず進入ルートはここまでですね。
第1場内で分解列車を振り分け、第2場内で山手貨物を振り分け、第3場内で何かよくわからないものを振り分けているわけですが、最終東北本線1区まで進む列車はそう多くはないような気がします。

 

次に東北線青森方への進出ルートです。Photo_4青森方へ向かう出発点では、東北本線1区、東北下り1~3番線、常磐上り1・2番線の計6線から進出が可能です。それぞれ下り第1出発信号機4A~4Fが対応し、東北本線3区に進みます。

Photo_5東北本線3区を進むとその先に下り第2出発信号機25があり、東北下り線に進みます。

Photo_6東北下り線をさらに進むとその先に下り第3出発信号機10Bがあります。山手下り線にも山手下り出発信号機10Aがあり、両者は合流して青森方に向かいます。

 

次に常磐線岩沼方からの進入ルートです。Photo_7常磐上り場内信号機1がありますが、進路は意外に少なく、常磐上り1・2番線と機回3番線の3進路のみです。

 

次に常磐線岩沼方への進出ルートです。Photo_8進入に比べて進出は多いですね。機回4番線、常磐下り3~1番線、機回3番線、東部入換線、常磐上り2番線の合計7線から進出が可能で、それぞれ常磐下り第1出発信号機2A~2Gが対応します。
それにしても機回線や入換線と名の付く線路に列車が発着するのはちょっと違和感がありますね。

 

次に東北線秋葉原方からの進入ルートです。Photo_11東北下り場内信号機2により進入しますが、進路は東北本線1区のみです。

 

次に東北線秋葉原方への進出ルートです。Photo_12東北上り出発信号機3A・3Bにより東北本線1区と東北上り出発線からの進出が可能です。
先に記したとおり東北本線1区は青森方からの進入が可能ですので、青森方から秋葉原方へは直通できます(そんな列車が存在したかどうかはわかりませんが)。
これに対し東北上り出発線へ進入するルートはありませんので、こちらは組成された列車の出発用でしょうか。

 

次に王子方からの進入ルートです。Photo_13上り場内信号機2により進入しますが、意外に進路は多く、収容4番線、上り到着1・2番線、機回8番線の4線に進入できます。

 

次に王子方への進出ルートです。Photo_14単純です。機回8番線から下り出発信号機(番号記載なし)で出発するだけです。

 

次に山手貨物線池袋方からの進入ルートです。Photo_9至って単純で、山手下り線に進入するだけです。図には記載されていませんが、当然場内信号機が存在しています。

 

次に山手貨物線池袋方への進出ルートです。Photo_10これはクセモノですね。
最終的には山手上り線から山手上り出発信号機2で池袋方に進出するわけですが、場合によってはその前段階があるようです。
山手出発1~4番線に山手第1出発信号機3A~3Dがあり、ここから山手通路線を経由して山手上り線に向かうルートがあるんです。当然、山手出発1~4番線を推進で出発し、山手上り線で向きを変えて出発すると思われます。東赤谷みたいですね。
山手出発1~4番線は、これらに進入するルートがありませんので、組成された列車の出発用ではないかと思われます。
なお、配線図では山手第1出発信号機3A~3Dには注意信号に加えて進行信号も現示するように描かれていますが、多分これは間違いですね。
1972年2月の配線図を見ますと、下のように3A~3Cは注意信号しか現示しないようになっていますが、3Dだけはあいかわらず進行信号も現示するようになっています。
また、東京寄りには3A~3Dの中継信号機が設けられており、推進運転を裏付けるものだと思います。

Image0021

続きます。

配線図はT.Mさんよりご提供いただきました。

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コメント

f54560zg さん、こんばんは。たいへん興味深いブログ記事をありがとうございます。

「山手折返線」ですが、その使用例の一つが、「鉄道ファン2003年3月号」所収の向坂唯雄さんの「田端・品川界隈 入換機関車の運転台から その1」の中に書かれています。

ただし、1961年3月現在の線路配線図をもとに解説されています。

それによれば、ハンプを使って方向別仕訳線に入れられ、その後「亘り6番線」で組成が完成した山手貨物線行きの貨物列車は、

「亘り6番線」

入換機

「東部入換線」

(入換機)推進

「山手折返線」

(入換機)

「山手出発線(1~4番線)」

と転線し、ここで本線けん引機が日暮里方に連結され、以下は、f54560zg さんが書かれていらっしゃる通りに新鶴見方面へ出発していくようです。

専用線好きさん、ありがとうございます。
次の記事で個人的な想像を書くつもりでしたのに、先に正解を出されてしまいましたね(笑)。
本日(4/8)の記事はなにしろ想像だらけですので、この件以外にも情報ありましたら是非教えてください。

f54560zg さん、こんばんは。

とんだ空気の読めていない(笑)コメントを書き込んでしまいたいへん失礼しました。その2の方へ書くべきコメントでしたね。

残念ながら、私自身は、他の情報を見つけることはできませんでしたが、当時の田端操車場の構内作業ダイヤとかがあればわかるのかもしれませんね。

しかしながら、信号機と標識、そして、線路配置から、運転ルートを推理していく知的な面白さを堪能させていただいております。ありがとうございます。

専用線好きさん、私も行き当たりばったりで記事を書いていますので、先の展開は多分どなたにも予測不能だと思います(笑)。
先のことは考えずに、どんどん気づいたことをコメントいただければありがたいと思います。

山手貨物からの進入は、図の位置では進入が終わったとはいえず、北部入換まで進入して折り返さないとハンプへ入れません。これは入換信号機9Aによれば納得できます。

C6217さん、本記事では一応列車として運転される区間に限定させてもらっています(汗)。山手貨物→ハンプについてはその2の記事で・・・。

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