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2009年11月26日 (木)

宇都宮配線図

このブログにしばしばコメントを下さっている方で、T.Mさんという方がいらっしゃいます。
コメントの内容から察するに、T.Mさんは線路配線に関する資料をかなりお持ちのように思われ、内心、「う~~、是非拝見したい!」と常々思っていました。

そんな折、なんとT.Mさんから「どこか見たい駅はありますか?」という、夢のようなお言葉をいただき、思わず「宇都宮と高崎!」と申し上げてしまいました。

わがままなお願いにもかかわらずT.Mさんから早々に資料をいただきましたので、早速宇都宮を掲示させていただくことにします。

本来であればT.Mさんご自身の手でブログ等で公開していただくのがベストだと思っているのですが、ご本人にはその意思がないとのことでしたので、いわばf54560zgが代行して公開させていただくようなものです。とにかく、眠らせておくのはもったいない、大変価値のある資料だと思っています。

一口に宇都宮といっても、1958年、1969年、1972年、1980年、1985年頃(?)の5つがあります。時代の流れを実感できる貴重なものです。

それでは早速、まずは1958年3月です。

1958031

1958032

・1958年4月の宇都宮電化への対応がなされた頃でしょうか、「電車1」などの線路名称が見られます。小山電車区が開設されるまでは宇都宮に電車が配置されていました。
・青森方はまだ単線です。岡本までの複線化は翌1959年です。
・東北線のホームは2面3線、日光線ホームはなんと機回り線付きの頭端です。
・宇都宮運転所の発足は翌1959年ですので、この時点ではまだ宇都宮機関区でしょうか。転車台に扇形庫もありますが、扇形庫は4線だけになっています。

続いて1969年3月。

1969031

1969032

1969033

・「よんさんとお」改正の頃です。
・1958年に比べホームが1面増え、本線関係はほぼ現在に近い状況になりました。
・3枚目の配線図の左上部には多数の貨物側線群が設けられています。

次は1972年2月。

1972021

1972022

・配線図上は1969年と比べて大きな変化はありません。
・但し、前年の1971年に宇都宮貨物ターミナル駅が開業していますので、貨物側線群が使用されていたかどうかはちょっと怪しいです。

続いて1980年3月。

1980031

1980032

・貨物側線群はきれいさっぱりなくなってしまいました。
・下り1・2番線は本線で、現在でも下り1番線だけが本線として残っています
・今でも残るこの下り1番線の存在理由がよくわからなかったのですが、歴史的に見れば貨物側線群に対しての貨物列車の着発線だったということなんですね。

最後に1985年頃(?)。

19851

19852

・1980年と比べて大きな変化はありませんが、とうとう転車台が消滅してしまいました。
・1980年~1983年の間、宇都宮運転所にはEF65とEF58が合わせて70両前後配置されていたのですが、1984年にはEF58のみが13両配置、そして1985年にはとうとう電気機関車の配置がなくなってしまいました。
・従ってそれら電気機関車関係の設備などが撤去されて現在に至っています。

どうですか、皆さん。すごいでしょ。

T.Mさんには重ねて御礼申し上げます。

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コメント

早速、拝見しました。
ものすごい貴重な鉄道史史料ですね。
私など、在職時に三木鉄道の路線図(退職時に返納)しか持った事がない身分としては、すごいですね。
今後も大切に保存して下さいね!

でも、配線図って、そうそう簡単に入手できるものではないですよね。内部資料ですし。

すみもとさん、本当にすごい資料ですよね。
私も過去の記事でずいぶんと配線図を公開してきましたが、私の場合は「当時の国鉄職員の方の絶大なるご協力」とだけ申し上げておきます。今では考えられないほど当時はまだのんびりしていたんだと思います。

ありがとうございます。
ご事情など、私も元鉄道マンで国鉄OBの先輩方を持つ身ですから、なんとなくお察できます。
今後とも、貴重な資料、ぜひぜひ拝見させて下さい。

すみもとさん、お察しいただきありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

わあ、の一言です。配線に有効長も付され、変遷も追求できて、“T.M”さんと“f54560zg”さんお二方に深謝してもつきません。自身にとっては垂涎モノという野卑な表現をとってしまう自分がしれます。レールマップ・小学館に続いて精緻な図面を拝し万謝申し上げます。

SYさん、引き続きがんばります!

f54560zgさん、そして、T.M.さん、

たいへん貴重な資料の公開をありがとうございます!

時系列でこれだけ揃ったものを一ヶ所で拝見できるなんて夢のようです。

それにしても手描きの線路図を拝見していると、当時の国鉄の方々の職人魂のようなものがひしひしと感じられますね。もちろん、CADで描かれた線路図にも、また、一味違った美しさが感じられ、どちらも、思わず見入って「鑑賞」したくなる魅力にあふれていると思います。

本当に公開ありがとうございました。

専用線好きさん、書かれている細かいことは抜きにして、ただじっと見ているだけでも楽しいですよね。
何故だかわからないのですが・・・・。

宇都宮出身の僕は幼い頃転車台のある宇都宮駅の風景を懐かしく思い出しますが、宇都宮の電化が昭和34年に完了していて、不思議に思っていました。でも転車台があったことがわかりとても感慨深く思います。
f54560zgさん、ありがとうございました。

大森さん、電化後もずいぶんと長い間転車台が残っていたのは確かに不思議ですね。
電化後はEF58やEF65PFなどが大量に配置されていたのですが、遠い昔の話になってしまいました。

これだけの大駅で配線の歴史を詳しく辿ることができるのは貴重ですね。
東北本線の電化後も転車台が長く残っていたのは、烏山線用の気動車が配置されていたためではないでしょうか?むかし気動車は車輪の片減り防止のため頻繁に方転したと聞きますから。

はじめまして。
国鉄職員だった亡き祖父が宇都宮機関区で転車台の操作員をやっておりました。
白黒写真でハッキリしませんが、祖父の後ろに蒸気機関車があるところをみると、昭和30年頃かと思います。

関西人さん、はじめまして。
お爺様は活気のある時代の宇都宮でご活躍されていたのでしょうね。今は随分と寂しくなってしまいました。

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