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2009年5月22日 (金)

2009三線軌の分岐器

今回の訪問で、大曲~峰吉川間で本線・側線を合わせて10か所の三線軌の分岐器を見つけました。他にもあるんでしょうが、とりあえず見つけた分をご紹介します。

一口に「三線軌の分岐器」といっても、みんな同じものではありません。よく見ると4つの種類に分類できるようです。

便宜上、この4つの種類をAタイプ~Dタイプとしますと以下のようになります。

Photo_2

Aタイプが5か所、Bタイプが2か所、Cタイプが2か所、Dタイプが1か所、合計10か所です。

まずAタイプ。
A

三線軌から狭軌のみが分岐するタイプです。通常の狭軌の分岐器の外側に標準軌用のレールが1本追加されただけのシンプルな形態です。
神宮寺及び刈和野に2か所づつ、大曲に1か所あります。但し大曲のものは側線ですので現場扱いです。

現物はこれ。

A01p1010323
刈和野駅の福島方です。

A03p1010315
同じく刈和野駅の青森方です。

Ap1010346
大曲駅の側線のものです。(大曲駅の記事の写真の再掲ですが。)

次にBタイプ。

B

三線軌から狭軌のみが分岐するという点ではAタイプと同じですが、Aタイプが1本レール側に分岐していたのに対し、このBタイプは2本レール側に分岐する点が異なります。
この場合、図の上側の狭軌のレールが標準軌のレールを横切る際、その交差角度が小さいためだと思うのですが、てっさが可動になっています。
従って、Aタイプは電気転てつ器が1個で済んだものが、このBタイプでは3個も使わなければなりません。
神宮寺及び刈和野に1か所づつ、いずれも安全側線の分岐です。

現物はこれ。

B02p1010316
刈和野駅の青森方です。

次にCタイプ。

C

狭軌も標準軌も進路は1つしかありませんので、これを分岐器と呼んでよいものかどうか若干悩ましいところです。
その割にはBタイプと同様の理由で電気転てつ器を3個も必要とします。
神宮寺と峰吉川にあり、三線軌の始点・終点となる分岐器です。

いずれも間近で写真を撮るのにはちょっと難しい場所にあり、この程度でご勘弁を。

C01p1010336
神宮寺駅の福島方です。手前側は狭軌・標準軌の単線並列で、分岐器より向こうは左側の線路が三線軌になっているのですが、よくわかりませんね・・・。

Cp1010301
峰吉川駅の福島方です。これも今ひとつです。
地面に突き刺さる銀色のパイプの中は何が通るのでしょう。雪対策の設備のように思うのですが・・・。

Cp1010298
別の角度から。電柱が邪魔でこれももうひとつ。

最後にDタイプ。

D

標準軌のみが分岐するタイプです。大曲駅にあります。
実は、このDタイプについては、家に戻って写真を整理していて気づきました。
Bタイプ、Cタイプと同様の理由でてっさが可動になっているはずですし、側線上ですので転てつ器は現場扱いです。従って1本の転てつてこで3つの部分を同時に転換できる構造になっていると思うのですが、そこには注目していなかったため詳細は不明です。

Dp1010352
写真もこんなものしかありません。右端がそうなのですが、肝心の部分が写っていません。
どなたか、もし大曲に行く機会がありましたら、是非見てきて下さい!

以下はオマケ。

三線軌ということで、以前の郡山駅の記事をもう一度。

20020707c63
郡山駅の青森方の新幹線の保守基地です。
一番左側の線路が狭軌で、それ以外は標準軌です。
狭軌の線路が標準軌の線路に向かって分岐しています。
振り返ると・・・・

20020707c65
すでに三線軌になっています。肝心の分岐器部分の写真がないのがサイテーです。

こういった新幹線の保守基地には三線軌の分岐器がけっこうあるかも知れませんね。

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コメント

図面や写真を拝しながら、意外と単純化されているなというのが印象でした。まあ複雑になれば管理・運用が厳格には確かに成るでしょう。先の印象に加え、狭軌を外側から広軌で包んでいる、そんな構造なんだと妙な納得した次第。ただタイプB・Dの分岐器は保守が大変そう。あと加筆すれば、架線吊架設備が亜鉛系のより簡略化された形のような気がしました、直吊式以来の進展の成果をうけているのでしょうな。秋田駅に進入する際、軌間差を感じうる人間として、目眩に似たときめきをきっと覚えられたこととお察し致します。

架線はノーマークでした。いつも下(線路)のほうばっかり見ているもので・・・。

三線同士の分岐も右左分岐で計四種類存在してますね 国内では嘗て箱根登山の小田原箱根湯本間に右分岐の右寄り右分岐の左寄りが存在してました 模型では篠原が16.5㎜と10.5㎜のデュアルゲージ用に左右分岐でナローゲージの右位置左位置計四種製品化されております

yyoshikawaさん、そんなマニアックな分岐器が製品化されているんですね、ちょっとびっくり。
さすがにてっさ部は固定ですね。

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