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2009年2月18日 (水)

脇道14(第1種継電鎖錠てこ式)

日出谷駅の続きです。

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それでは連動表を見ていきましょう。

まず鎖錠らんです。

2Rの行ですが、今までの例から考えると記載されるであろうと思われるのは7、8までですが、実際にはそのあとに12、{51}、(11又は○4R)、101L、102Rと続いています。
({ }で囲まれた転てつ器は現場扱いを現します。番号らんでは「 」だったのに鎖錠らんでは{ }と、不統一ですね)

12以降は何を意味しているのでしょうか。
そういう規則があるのかどうか知りませんが、第1種継電連動では過走余裕距離内の転てつ器も鎖錠しることになっています。つまり、2Rによって場内に進入し出発信号機4Rの手前で停止しなければならない列車が制動時期を誤って停止できなかった場合を想定して、4Rの進路上の転てつ器も鎖錠するのです。てこを集中することへの対応なのかもしれません。

これに従えば2Rの鎖錠らんには、12、11が記載されるはずですが、通過列車への対応のため、もう少し複雑になっています。

2Rに進行信号を現示して列車通過させるためには、2Rのてこを反位にする前に4Rを反位にしなくてはいけません。いわゆる「先引き」です。4Rが定位のままで2Rを反位にした場合は、2Rには注意信号が現示されます。
(11又は○4R)はこのことを意味しており、4Rが反位の状態で2Rを反位にすると4Rを反位に鎖錠し(2Rは進行現示)、4Rが定位の状態で2Rを反位にすると11を定位に鎖錠する(2Rは注意現示)、ということです。
進路外の{51}が記載されている理由は不明です。記載ミスかとも思ったのですが、他の信号機にも同じような例があり、何か意図がありそうです。
101L、102Rについては後述します。

3Rについては通過列車はありませんので2Rのような先引き関係はありません。進路及び過走余裕距離内の転てつ器を安全側線側に開通させます。
進路外の8が意味不明です。

2Lにも意味不明の進路外の転てつ器{22}が記載されています。
9Tは閉路鎖錠です。
(連動図では2Lのほうが3Lよりも背が低く描かれていますが、これはミスです。)

3Lの9Tも閉路鎖錠です。

4Rの進路外{51}も意味不明です。12Tは閉路鎖錠です。

5Rの12Tも閉路鎖錠です。

4Lは2Rと同様です。
進路上の10、11、意味不明の進路外の{52}、過走余裕距離内の9、{21}、意味不明の進路外の{22}、注意現示か進行現示かを決定する(8又は○2L)が記載されています。
102L、101Rについては後述します。

次にその隣の列の「信号制御又はてっ査鎖錠」らんです。
今までの例では「信号制御」としか書かれていませんでしたが「てっ査鎖錠」という文字が増えています。
「てっ査鎖錠」は転てつ器に関する事項ですので、後述します。信号機に関しては今までの例と同様です。

2Rでは進路上のAT、8イT、2RTが記載されています。12Tの意味がわかりません。過走余裕距離内ということであれば11ロTや11イTも記載されていいはずですので。
○4Rは進行信号現示の条件です。

3RはAT、8イT、3RTまでの記載ですから、特に変わったところはありません。

2Lは閉路鎖錠の関係で9Tは除外されています。

3Lも同様です。

4Rも閉路鎖錠の関係で12Tは除外されています。

5Rも同様です。

4Lでは、2R同様過走余裕距離内の12Tの意味がわかりません。
○2Lは進行信号現示の条件です。

5Lは特に変わったところはありません。

続きます。

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コメント

かなり詳しく研究されていますね。
いつも楽しくみさせてもらっています。 ち と申します。
下の疑問点についてですが、

(2Rでは進路上のAT、8イT、2RTが記載されています。12Tの意味がわかりません。過走余裕距離内ということであれば11ロTや11イTも記載されていいはずですので。
○4Rは進行信号現示の条件です。)

ここででてくる12Tは閉路鎖錠独特のものです。
信号機の内方(いわゆる防護区間)に列車や車両が進入すると、信号機は次の列車がその区間に入れないようにするために赤色になります。半自動も自動も同じ。
よって今回のような所定の位置に信号機が設けられない場合、出発信号機4Rの信号制御欄に12Tをいれてしまうと、運転手が自分の内方の軌道回路を踏んだときに、その信号機が赤になるのを見て止まってしまうから12Tをぬいているのです。(出発したばかりなのに・・・)
信号機の現示を制御できない代わりに鎖錠欄に閉路鎖錠として12Tの条件をいれることで、信号機は青色のままですが、ルートを鎖錠しているわけです。
ここからが本題で、ではなぜ場内信号機2Rに12Tの条件が入るのかですが、本来閉路鎖錠がなければ、2Rの防護区間は AT 8イT 2RT でいいはずです。
しかし、場内信号機の制御には前の出発信号機4Rが何色の現示が出ているのかを読み取って判断しているので、仮に 2R反位4R反位(通過ルート設定時)が構成されているときに、本線にいる列車が4Rを見て出発後、故障により12Tの上で止まってしまったとする、その時後続列車が場内信号機2R反位の状態で接近すると、出発信号機は閉路鎖錠により12Tを抜いているので4Rは進行、場内信号機2Rも4Rが進行のため進行を現示してしまいます。すると場内2Rを線区最高速度で接近してきた列車が12Tで故障中の先行列車にぶち当たってしまうのを防止するために、4Rから12Tの条件を抜く代わりに2Rの信号制御欄に12Tを入れているのです。

11ロTや11イTがないのは、おそらく閉路鎖錠区間が、12Tよりむこうで、11ロTや11イTより手前に信号機が建植されているためです。

いろいろほかの部分についても書きたいことがいっぱいあるのですが、また時間があるときにします。

マニアックな話ですみません。
長文失礼しました。

ち さん、マニアックな話、大変大変ありがとうございます。よく理解することができました。ナルホド、通過列車がある場合は閉路鎖錠は場内信号機にも関係してくるんですね。
>いろいろほかの部分についても書きたいことがいっぱいあるのですが、また時間があるときにします。
ぜひお願いします。期待しています。

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