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2009年1月10日 (土)

脇道7(閉そくてこ)

今回は閉そくてこ関連を見てみます。

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Photo_2

まずは方向てこの連鎖関係です。

三田駅から広野駅に向けて下り列車を出発させる場合、操作しなければならない方向てこは連動図右上に書かれた矢印13Lになります。
まずは13Lの鎖錠欄を見てみましょう。

〔〔○11〕〕と書かれていますが、〔〔 〕〕で囲まれた中に記載された数字のものは広野駅所属の設備であることを示しています。同様に〔 〕で囲まれたものは道場駅所属の設備を示しています。

従って〔〔○11〕〕と記載されている意味は、三田駅で方向てこ13Lを反位にするためには、広野駅の方向てこ11Lが反位でなければならない、ということになり、かつ三田駅で13Lを反位に転換したならば広野駅の11Lは反位に鎖錠される、ということです。
広野駅の連動図表がありませんので広野駅の11Lというてこが何なのかは断定できませんが、まあ容易に想像できるとおり、三田駅から広野駅に向かう方向の方向てこでしょう。列車の受け手側が承認しなければ方向てこは転換できないわけです。

その次に記載されている7CT.7OT~〔〔4OT.4CT〕〕は、三田駅所属の軌道回路7CT.7OT~広野駅所属の軌道回路4OT.4CT間(≒三田~広野駅間)に列車がいないことが方向てこ13Lを反位にするための条件であることを示しています。軌道回路は駅間全体に設備されているわけではありませんので厳密に列車の存在を把握できるわけではありませんが、「7CT.7OTは短絡されたのに〔〔4OT.4CT〕〕が短絡されていない」状態を「列車が存在する」と判断しているのでしょう。

次に広野駅からの上り列車を三田駅に進入させる場合を見てみます。操作しなければならない方向てこは連動図右上に書かれた矢印13Rになります。

13Rの鎖錠欄には〔〔□11R〕〕と記載されていますが、番号が□で囲まれている意味は、三田駅で13Rを反位に転換すると広野駅の方向てこ11R(多分三田駅に向かう方向のてこ)が解錠される、ということです。13Lの時の反対ですね。
つまり、列車を出発させるための方向てこ13L及び12Rは、常時は鎖錠されていることになります。(列車を受ける側の方向てこも常時鎖錠されており、これは相手駅からの送信ボタンによって解錠されるのですが、連動表にはそこまでは記載されていません。)

次に方向てこと信号機の関係です。

下り出発信号機7の信号制御欄を見ますと、○13Lと記載されています。これは、7を反位にするためには下り出発方向の方向てこ13Lが反位でなければならいないことを表しています。
ただそうであれば、鎖錠欄に書くべきでは?何で信号制御欄に書くの?と思いますよね。
これは想像ですが、おそらく、7のてこそのものは鎖錠されないように思います。
つまり、13Lが定位であっても7のてこを反位にすることは可能。ただ、反位にしても7は停止現示のままで進行信号は現示しない、ということではないかと。
軌道回路が列車によって短絡されて自動的に信号機が停止現示に復帰した場合も信号てこは反位のままですからこれと同じ扱いで信号制御欄に記載されているのではないでしょうか。
言い方をかえれば、信号機7はてこと軌道回路と方向てこ13Lの3つで制御されている、ということですね。

次に方向てこの形状について。
今までの信号機のてこがすべて番号だけで表現されていたのに対し、方向てこには数字の次にLまたはRという記号が加わっています。
お察しの通り、これは1本のてこで2つの方向てこを共用しててこの数を減らし、コストを下げているのです。
たとえば13Lと13Rについて言えば、中央の位置が定位で、L側に倒すと13L反位、右に倒せば13R反位、というわけです。従って、同時に反位となる可能性のあるてこについては適用できません。
方向てこの場合には同じ駅間で上下両方向の方向てこを同時に反位にすることはありませんし、逆にそんなことがあってはなりませんので、てこを共用して同時に反位にできないようにしたほうがより安心感があります。

そう考えると、たとえば上下待避線への場内信号機2と、上下待避線からの上り出発信号機6も同時に反位にすることがない関係ですから、L/Rにして1本のてこを共用することはできます。ただ共用できるのはあくまで電気的なてこだけで、機械的なてこでは無理です。色灯化すれば共用が可能になります。

ここで用語の整理をします。

てこによってのみ制御される信号機を「手動の信号機」と呼び、てこと軌道回路の両方で制御される信号機を「半自動の信号機」と呼びます。
その中でも、三田駅のように、軌道回路により停止を現示すると再度てこを扱うまでは停止信号を現示し続けるものを「半自動の信号機(保留)」と呼びます。

三田駅のように、
・連続していない一部の軌道回路があり、
・信号機は機械式信号機または電気式信号機、
・転てつ器はすべて現場扱い、
・信号機と転てつ器の連鎖を第2種連動機を介して行なう。
このような信号保安システムを「第2種機械乙連動装置」と呼びます。

この次は継電連動装置ですが、あまりこんなことばっかり書いていると嫌われそうなので、次回からはしばらく元に戻りましょう。

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コメント

管理者様
 はじめまして。
 鉄道模型レイアウトを製作する資料を収集するにあたり、このブログにたどりついた者です。私にとって未知の内容がとても詳しくかかれており参考にさせていただいております。ありがとうございます。
 実は単線時代の福知山線をモチーフとしたレイアウトを考えており、特に幼少期たまに乗車していた宝塚駅から広野駅あたりの配線の具合をできるだけ再現できればと思い、駅の配線図を収集しているところです。(製作できるか疑問なところもあるのですが・・・もしかしたら"エア"レイアウトになるかもしれません)
 そこで大変あつかましいお願いで恐縮なのですが、もし福知山線各駅の配線図(正確には連動図表というのですね)をお持ちでしたら閲覧させていただくことは可能でしょうか。
 ブログのコメント欄にてこのようなことをお願いするのは大変失礼なことだとは存じますが、コメントを返して下さると幸いです。また、このようなお願いが不適切なようでしたら、このコメントを消去していただくか、あるいはその旨ご指摘頂ければと思います。
よろしくお願い申し上げます。

Zzさん、コメントありがとうございます。
ご要望の件につきましては、ご期待に沿えるよう「努力」いたしますが、少々お時間をいただきたく思います。よろしくお願いします。

管理人様
 コメントを返していただきありがとうございます。

 >ご要望の件につきましては、ご期待に沿えるよう「努力」いたしますが、少々お時間をいただきたく思います。

あくまで、「もし可能でしたら」という条件のもとでのお願いでしたので、お忙しい中この件について管理人様に時間をとらせてしまうのはいけないことですから、くれぐれもご無理なさらないようにしてください。お返事をいただけただけで大変ありがたく思っております。
 ちなみに当方で該当の配線図が収録されている資料として
"小学館 国鉄全駅各駅停車8近畿400駅"のみ把握しております。
取り急ぎまずは御礼まで。

毎度申し訳ありません。
・連続していない一部の軌道回路があり、
・信号機は機械式信号機または電気式信号機、
・転てつ器はすべて現場扱い、
・信号機と転てつ器の連鎖を第2種連動機を介して行なう。
ものを第2種機械乙連動装置ということはわかったのですが、これは駅ごとに異なるものなのですか?

例示されている福知山線の三田駅、石生駅では第2種乙ですが、例えば篠山口や谷川などといった別の駅では、例えば「転轍器が集中扱い」のようになっていて、また信号保安システムが異なるということはあるのでしょうか?

路線ごとに同一の保安システムを採用しているのですか??


信号保安は全く疎いもので、ご教示頂ければ幸いです。

km_207さん、とても「ご教示」できるような立場ではないのですが(汗)、経験的にわかる範囲で・・・。
保安システム(=連動装置のことと理解しています)は路線ごとに同一ということはなく、個々の停車場の実態に合わせたものが採用されていると思います。ただ開業や設備改良が線区単位で行われれば結果として類似したシステムが採用されることが多くなるとは思いますが。

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